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鬼太郎が下駄で花道を駆ける! 荒牧慶彦さんら豪華キャストで描く奇奇怪怪な世界――「舞台『ゲゲゲの鬼太郎2025』」ゲネプロレポート
本舞台シリーズは,水木氏の生誕100周年を記念して2022年に第1作が上演され,今回が完全新作の2作めとなる。2025年は水木氏の没後10年という節目の年でもあり,シリーズ全体としても注目を集めている年だ。
映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」(2023年)のヒットに続き,今年はゲーム「ノロイカゴ ゲゲゲの夜」のリリースによって,作品世界の広がりにもさらに勢いが増している。
そんななかで幕を開けたのが,完全新作となる「舞台『ゲゲゲの鬼太郎2025』」。2025年8月2日,明治座にて初日を迎えた。
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本稿では,前半で鬼太郎役の荒牧慶彦さん,ねずみ男役の大塚明夫さん,ねこ娘役の上坂すみれさんらが登壇した合同取材会を,後半では関係者・メディア向けに実施されたゲネプロ公演の模様をお伝えする。
なお,後半のレポートにはネタバレは含まれていないが,舞台写真を掲載しているため,観劇予定の人は注意してほしい。
●もくじ
合同取材会
ゲネプロ公演レポート
※クリックorタップでジャンプします
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「舞台『ゲゲゲの鬼太郎2025』」公式サイト
「この夏にぴったり,本当に楽しいエンターテインメント舞台」
笑顔あふれる合同取材会
ゲネプロ公演前に行われた合同取材会には,出演キャストとして,荒牧慶彦さん(鬼太郎役),大塚明夫さん(ねずみ男役),上坂すみれさん(ねこ娘役),植田圭輔さん(吸血鬼エリート役),廣野凌大さん(ムサシP役),美弥るりかさん(謎の女役),浅野ゆう子さん(吸血鬼カミーラ役)が登壇し,本公演への想いを語った。
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荒牧慶彦さん(ゲゲゲの鬼太郎役)
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前回に引き続き,国民的キャラクターである鬼太郎を演じられること,本当にうれしく思っていますし,初日を迎えられることをすごく楽しみにしておりました。
前回とはまた違ったキャスト陣ですが,今回も素晴らしい俳優の方々と共演できて,この鬼太郎の世界観をお客様に見ていただけることを,本当に楽しみにしております。よろしくお願いします。
――舞台を演じられて自画自賛したいシーンは?
下駄でめちゃくちゃ早く走れるようになりました。稽古場から下駄でいきたい,と僕の希望でしたが,履き始めはどうしても靴擦れだったり,普段履き慣れてなかったりで歩きにくかったけど,ずっと稽古で履いていたら体の一部になりまして,早く走れます。
――今回の舞台で一番苦労した点は?
大塚さんとの掛け合いのシーンは,結構時間をかけて,たっぷり制作しました。苦労というよりは,楽しませて取り組ませていただきました。
大塚明夫さん(ねずみ男役)
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ねずみ男というのは,亡くなった父(声優の大塚周夫さん)が昔演じた役で,これも1つの供養かなと思って,今回舞台に立たせていただきます。
頑張っておりますので,夏休みでございますし,皆さん,観に来ていただけると大変うれしく存じます。ありがとうございます。
――今回の舞台で一番苦労した点は?
ねずみ男がこんなにたくさん喋るとは思いませんでした。びっくりしてひっくり返って,屁が出てしまいました(笑)。稽古場では皆さんにご迷惑をおかけしまして,どうもすいませんでした。
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上坂すみれさん(ねこ娘役)
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前回に引き続き,ねこ娘ちゃんを演じることができて,うれしいと同時に,人生で出演した舞台はこの鬼太郎のみなので,本当に緊張しています。
今回のねこ娘ちゃんは,アニメの第6期みたいな髪色とか雰囲気になっているので,新たなねこ娘ちゃんの魅力が引き出せたらうれしいなと思い,精一杯頑張らせていただきます。よろしくお願いいたします。
――今回の舞台で一番苦労した点は?
本当に生まれてから今まで,殺陣というものに馴染みがなかったので,ゼロから殺陣のなんたるかを教えていただきました。
ねこ娘ちゃんは結構すばしっこいというのがファイトスタイルなのですけど,いかにこの100m12秒かかる走りの私が……あ,50mだ(笑)!
運動神経のないなかでどうやって機敏な動きをすればいいのかっていうのを,本当に優しいカンパニーの皆様が教えてくださって,ねこ娘っぽい動きを練習することができました。ありがとうございます。
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植田圭輔さん(吸血鬼エリート役)
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今作からの参加ということで,前作から世界観を大切に届けてくださったメンバーがいるなか,自分にできることを精一杯やって参りたいなと思いますので,応援のほどよろしくお願いいたします。
――今回の舞台で一番苦労した点は?
それぞれ戦っているものがあるなかで,日替わりのシーンの難しさというのを稽古場ですごく感じまして。未だに「どうしましょうか」と思ってるんですけれども(笑)。
ああいったシーンは,お客様が入っていただいて,我々も楽しんでなんぼかなと思っておりますので,力をお貸しいただきながら,最適解を見つけていけたらなと思っております。
廣野凌大さん(ムサシP役)
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「ゲゲゲの鬼太郎」に出演させていただけるということで,本当に光栄だなと思うと同時に,舞台オリジナルキャラクターで人間役を演じさせていただけるということで,鬼太郎の世界に迷い込んだかのような,そんな世界観のなかにいられることが,本当に光栄だと思います。よろしくお願いいたします。
――今回の舞台で一番苦労した点は?
ムサシPはカリスマインフルエンサーですけれども,普段の自分はその真逆にいるような人間なので,カメラ前で笑顔になるという“陽キャ”の気をまとうことに一番苦労しました。いろいろ頑張ってますので,観ていただきたいですね。
美弥るりかさん(謎の女役)
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小さいころから「ゲゲゲの鬼太郎」はずっと観ていたので,この舞台に自分も一員として参加できるなんて……この機会を光栄に思っております。
謎の部分は,ぜひ劇場のほうで確認しに来ていただけたらなと思っております。どうぞよろしくお願いします。
――今回の舞台で一番苦労した点は?
普段,あんまり“女性らしい役”っていうのは,そんなにたくさん演じていないので……今回のこの姿ですね。
本当にプライベートでカチューシャとかをつけることがないので,自分の姿にそわそわしつつ,声のお仕事をされている方のいろいろな声色の使い方や,いろいろな表現があるんだなって毎回お稽古場ですごく勉強になっていました。
自分にも取り入れられたらと思いながら,吸収させていただいた部分かなと思っております。
浅野ゆう子さん(吸血鬼カミーラ役)
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3年前の初演では,砂かけばばあを演じさせていただきました。鬼太郎ファミリーの一員で,砂かけばばあが大好きだったんですよ。
このたびは鬼太郎ファミリーではなく,鬼太郎に敵対する西洋妖怪でございます。西洋妖怪ですが,セリフはすべて日本語でございます(笑)。親玉として,コウモリや吸血鬼たちにさまざまな指示を出させていただきます。
今作はエンターテインメント性が高く,舞台やセットの映像のような美しさはまるでアニメの世界のようです。また,個性あふれるキャラクターを演じる出演者が揃っており,非常に見応えのある作品に仕上がっていると思います。
夏休みですので,小さいお子さんから大人の皆さんまで楽しんでいただける,ステキな作品に仕上がっています。よろしくお願いいたします。
――今回の舞台で一番苦労した点は?
私的に一番大変なのは,この扮装です。これは大奥に匹敵します。このスカートとかつら,トータルで15kgはあると思います。これをまとって階段の上り下り,駆けたりなど……この夏は,いいエクササイズになりそうです(笑)。
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――最後に座長の荒牧慶彦さんからメッセージをお願いします。
荒牧慶彦さん(ゲゲゲの鬼太郎役)
本当にこの夏にぴったりな作風になっているといいますか,アニメである「ゲゲゲの鬼太郎」,そして水木しげる先生が描いてくださった原作の「ゲゲゲの鬼太郎」の世界観をしっかりと踏襲しつつ,舞台ならではの演出やキャラクターで,本当に楽しいエンターテインメント作品になっています。
僕らのファンの方々はもちろん,僕らを知らなくても,「ゲゲゲの鬼太郎」というキャラクターや作品が大好きな方々,そして老若男女の皆様に観てもらいたい作品になっておりますので,明治座にてお待ちしております。ありがとうございました。
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今回の鬼太郎の敵は,西洋妖怪の吸血鬼軍団――!
おなじみの「ゲゲゲの鬼太郎」のテーマ曲が鳴り響き,物語の幕が上がる。
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鬼太郎は,妖怪ポストに届いた「人間が何者かに襲われている」という手紙を手がかりに,調査を開始する。
ある日,まさに襲われかけていた人間を間一髪で救出し,その場で西洋妖怪である吸血鬼「エリート」と対峙するが,あと一歩のところで取り逃がしてしまう。
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やがて,新たに届いた手紙から,エリートの背後には強大な妖力を持つ女吸血鬼「カミーラ」がいることが判明する。西洋妖怪の吸血鬼軍団は,すでに日本への侵攻を始めていた。
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一方,金の匂いを嗅ぎつけたねずみ男は,エリートに「コラボ企画としてライブイベントを開催しよう」と持ちかける。準備は順調に進んでいくが,開演直前になって謎の女が彼の前に姿を現す。
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そのころ,ねこ娘はSNSを始めたもののフォロワーがなかなか増えずに悩んでおり,憧れの人気インフルエンサー「ムサシP」にアドバイスを求めようとしていた。
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ねずみ男が仕掛けたコラボライブは失敗に終わり,彼は牢屋に閉じ込められてしまう。だがそのなかで,開演前に現れたあの謎の女と再会を果たす。
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やがて明らかになるのは,カミーラ率いる西洋妖怪たちの世界征服という野望。ねずみ男はその勢力に取り入り,ムサシPを利用するよう提案する。
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そして鬼太郎は,新たに届いた手紙の内容から,人間失踪事件にねずみ男が関与していたことを知り,真相を突き止めるために彼の行方を追い始めるのだった――。
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「舞台『ゲゲゲの鬼太郎2025』」――
五感で楽しむ,大人も子どもも魅了される妖怪の世界
原作「ゲゲゲの鬼太郎」は,妖怪たちを通じて人間社会の問題や時代の空気を描き出してきた,時代を映し出す“鏡”のような作品だ。
「舞台『ゲゲゲの鬼太郎2025』」もまた,SNSやインフルエンサー,スマホといった現代的な要素を取り入れながら,妖怪と人間の共存や対立を描き,現代社会に通じるテーマを観客に投げかけてくる。
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本公演では,原作が描いてきた,人間や妖怪の「光と影」や「エゴ」といった深いテーマが丁寧に描かれている。
また,東京公演では子ども向けの席も用意され,小さな子どもでも分かりやすく楽しめるよう,内容や見せ方にも工夫が凝らされている。
さらに,舞台ならではの臨場感あふれる演出や舞台装置は,老若男女を問わず,観る人すべてを楽しませてくれるだろう。
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鬼太郎のじっとりとした目つき,どこか憎めないねずみ男の存在感,明るく楽しいねこ娘の可愛らしさなど,原作でもおなじみの個性豊かなキャラクターたちは,舞台上でもその魅力を存分に発揮している。
敵役のエリートと鬼太郎による迫力ある殺陣をはじめとしたアクションシーンも見応え十分で,カミーラの美しさと圧倒的な存在感にも注目だ。
また,アニメ版でおなじみの声優陣が“声の出演”として参加しており,ファンにはうれしいポイントとなっている。
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さらに,フォトスポットの設置や,明治座5階の食堂では鬼太郎役の荒牧慶彦さんプロデュースによる特別御膳などが味わえるほか,別フロアでは「鬼太郎茶屋」とのコラボメニューや特製ドリンク&スイーツセットなども楽しめる。
オフィシャルグッズも充実しており,のぼりタオルやアクリル絵馬キーホルダーなど,ここでしか手に入らないアイテムが多数そろっているので,ぜひ手に取ってみてほしい。
まるでテーマパークのように,視覚・聴覚はもちろん,味覚まで五感で楽しめる「舞台『ゲゲゲの鬼太郎2025』」。奇奇怪怪な妖怪の世界に,足を踏み入れてみてはいかがだろうか。
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公演概要
◆公演期間
【東京公演】2025年8月2日(土)〜16日(土)明治座
主催 舞台「ゲゲゲの鬼太郎」製作委員会
【大阪公演】2025年8月18日(月)〜25日(月)新歌舞伎座
主催 新歌舞伎座
◆出演
ゲゲゲの鬼太郎:荒牧慶彦
ねずみ男:大塚明夫
ねこ娘:上坂すみれ
吸血鬼エリート:植田圭輔
ムサシP:廣野凌大
謎の女:美弥るりか
吸血鬼カミーラ:浅野ゆう子
目玉おやじ:野沢雅子(声の出演)
砂かけばばあ:田中真弓(声の出演)
ぬりかべ:島田 敏(声の出演)
一反もめん:山口勝平(声の出演)
子泣きじじい:長友光弘(響)
マンモス:砂川脩弥
白井美貴 浅野 琳 大城麗生 中土井俊允 矢吹百花 山田隼人 渡邉 陸
◆スタッフ
原作:水木しげる
脚本・演出:堤 泰之
(C)水木プロ・東映アニメーション
(C)舞台「ゲゲゲの鬼太郎」製作委員会
「舞台『ゲゲゲの鬼太郎2025』」公式サイト
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