「にじさんじ WORLD TOUR 2025」名古屋公演レポート。“クールビューティー”な歌声と個性で魅せた6人の共演

　VTuber / バーチャルライバーグループ「にじさんじ」の7周年を記念したライブツアー「にじさんじ WORLD TOUR 2025 Singin’ in the Rainbow！」の名古屋公演が，2025年6月22日に開催された。

　今回のツアーは，にじさんじ史上最大規模となっており，仙台を皮切りに名古屋，横浜，神戸など全国7会場に加え，海外公演となる上海での開催も現時点で決定している。本稿では，現在活躍中のライバー6人が出演した名古屋公演の模様をレポートする。


　名古屋公演の出演者は以下のとおり。

緑仙さん（YouTube）
葉加瀬冬雪さん（YouTube）
長尾 景さん（YouTube）
先斗 寧さん（YouTube）
渡会雲雀さん（YouTube）
小清水 透さん（YouTube）

　なお，本ライブの配信視聴チケットは7月7日23：59まで購入可能だ。視聴期間は7月8日23：59までとなっている。以下，ライブ内容のネタバレを含むため，これから視聴予定の人はご注意いただきたい。

「にじさんじ WORLD TOUR 2025 Singin’ in the Rainbow！ 名古屋公演」公式サイト

　開演時間になると，出演者6人の映像がスクリーンに映し出され，ついにライブがスタート。最初に披露されたのは，仙台公演のアンコール楽曲としても歌われた「Arc goes oN」。出演者の衣装が変化する演出が，ライブの幕開けを鮮やかに彩った。

　ライブ序盤から観客の大歓声や拍手が響くなか，続く「main dishが足りてない」（宮守文学カバー）では，原曲MV（リンク）の世界観を思わせるセットも登場。食事を囲む6人の洗練された雰囲気や，低音パートを担当した長尾さんの姿が印象的だった。


　先ほどの洒落た雰囲気とは裏腹に，ゆるい空気感から始まった名古屋公演。自己紹介では「クールビューティーでいきます」と語った葉加瀬さんに続き，「私が一番クール」と述べた小清水さん，色気あふれる仕草を見せた長尾さんと緑仙さん。そして，元気なあいさつで会場を盛り上げた渡会さんや先斗さんと，それぞれの個性が垣間見えるMCとなった。

　さらに，小清水さんと先斗さんは共通衣装が今回初お披露目ということもあり，衣装に込めたこだわりについても語ってくれた。「全部でしょ（笑）」と答えた小清水さんは，胸元の装飾やパープルをアクセントにした装いで，大人っぽさを際立たせていた。先斗さんは髪にあしらわれたパールを挙げ，キラキラと輝く姿がとても魅力的だった。


　次々と出演者が降壇し，ステージに残った先斗さん。「何を歌おうかな〜」とつぶやき，歌唱したのは「宵々古今」（REOLカバー）。“和”の雰囲気が感じられる楽曲が，彼女の魅力をより一層引き立てていた。

　緑仙さん，葉加瀬さん，先斗さんによる3分割のカメラワークが目を引いた「魔性の女A」（紫 今カバー），長尾さんと小清水さんが圧巻のハモリを披露した「ロウワー」（ぬゆりカバー）と，まさに“クールビューティー”なセトリが続いた。


　元VTA1期生同士でもある先斗さんと渡会さんは，「サラマンダー」（DECO*27カバー）を歌唱し，観客を魅了した。ベンチに腰掛けた小清水さんがしっとりと歌い上げた「未来図」（マルシィカバー）は，会場内に温かい空気を届けていた。

　さらに，まるでテーマパークに来たかのような演出で観客を楽しませたのは「Glory Steady Go!」（ワンダーランズ×ショウタイムカバー）。長尾さん，渡会さん，小清水さんの3人がハットをかぶって登場し，曲中では長尾さんが小清水さんに初ライブの感想を尋ねる場面も見られた。


　パワフルな3人のパフォーマンスを見届け，「あらあら……」とステージに登壇したのは「魔性の女A」の3人。「手羽先〜！」「ひつまぶし〜！」「ぴより〜ん！」と名古屋名物を次々に挙げ，会場をさらに盛り上げていく。

　先斗さんは，今回が初のリアルイベント出演ということもあり，その感想を語ったほか，念願だったコール＆レスポンスで会場のボルテージを一気に高め，彼女のフレッシュな魅力が伝わってきた。

　緑仙さんと渡会さんによる「聖者の行進」（キタニタツヤカバー），緑仙さんが先日「歌ってみた」動画を投稿していた「ダリア」（ちゃんみなカバー）と，思わず聴き入ってしまうような楽曲が続き，2人の高い歌唱力がひしひしと伝わってきた。

　また「メルティランドナイトメア」（はるまきごはんカバー）では，葉加瀬さんと小清水さんの透き通るような歌声も堪能できた。


　スクリーンに投影された花火の映像から始まったのは「懺悔参り」（羽生まゐごカバー）。長尾さんによる殺陣や扇子，和傘を取り入れた演出には，圧倒された観客も多かったことだろう。

　葉加瀬さんと先斗さんが歌い上げた難度の高い楽曲「ノンブレス・オブリージュ」（ピノキオピーカバー），渡会さんが「大好きな歌」と語った「サムライハート」（SPYAIRカバー）など，ジャンルは異なれど，各出演者の好みや個性が光る選曲が続いていく。

　MCでは，「皆に名前を呼んでほしい」と話す小清水さんがコール＆レスポンスに挑戦。会場に響いた「透〜！」の声に，「うれしい！」「ライブってすごい……！」と，感激する様子を見せていた。


　ラップパートやスモーク演出が際立った「ファイアダンス」（Vivid BAD SQUADカバー）では，葉加瀬さん，長尾さん，渡会さんのクールなパフォーマンスが光った。

　一方，緑仙さん，先斗さん，小清水さんが歌った「呪って呪って」（＝LOVEカバー）では，客席の盛り上がりも最高潮に。

　また，葉加瀬さんが「歌ってみた」動画（リンク）を投稿している「群青」（YOASOBIカバー）も生歌唱され，曲中の衣装チェンジでは客席から大きな歓声が上がっていた。


　出演者6人で手作りしたという「しゃちほこ号」に乗って（？）登場したのは，緑仙さんと長尾さんの2人。

　コミカルな空気感と歌唱力のギャップが印象的な「クラクション・ラヴ〜ONIISAN MOTTO GANBATTE〜」（風味堂カバー）では，ポンポンを手にしたほかの4人の姿もうかがえ，メンバー同士の一体感が感じられるステージだった。


　最終的には，葉加瀬さん以外の全員が倒れてしまう……というオチで締めくくられたステージも，いよいよ終盤へ。

　最後に全員で歌い上げたのは「仮死化」（Vivid BAD SQUADカバー）。直前のコミカルな展開との温度差や，6人の歌声が余韻を残すような印象的な締めくくりとなった。


　ここで出演者たちはいったん降壇し，ライブは終了……かと思われたが，アンコールに応えて再びステージへ登場。仙台公演で1曲目を飾っていた「Budding!」を披露した。曲中では，長尾さんと先斗さんがグータッチを交わす場面もあり，メンバー同士の絆の深さが伝わってきた。


　告知コーナー終了後には，出演者それぞれから感想が寄せられた。「皆に会いに行ける機会ができてうれしい」（渡会さん），「またこういった景色が見られるように頑張りたい」（先斗さん）など，地方公演ならではの思いや，にじさんじの今後の飛躍を期待させるコメントが並んだ。

　ラストに選ばれたのは，ファンにもお馴染みの「Virtual to LIVE」。銀テープが放たれ，「ありがとうございました！」という挨拶とともに，ライブは感動的なフィナーレを迎えた。

「にじさんじ WORLD TOUR 2025 Singin’ in the Rainbow！ 名古屋公演」公式サイト