
業界動向
ESAによるグローバルゲーマー調査「Power of Play: 2025 Global Video Games Report」公開。21か国2万4216人を対象
21か国,16歳以上の2万4216人のプレイヤーを対象に,グローバル消費者調査会社AudienceNetがゲームに関する調査を実施した内容だ。
![]() |
なお,調査対象者は,週に少なくとも1時間以上ゲームをプレイするゲーマーである。各国少なくとも1000人のアクティブゲーマーを,専門的に認定された消費者パネルを通じて集められた。
![]() |
まず,ゲームをプレイしている人は,男女でほぼ等しく,男性51%,女性48%という結果になった。
プラットフォームは,モバイルが55%,PCが21%,コンソール機およびハンドヘルドPCが21%,VRデバイスが2%,その他が1%である。
![]() |
ゲームをプレイする主な理由は,1位から3位までを順に書くと,「楽しむために」「ストレス解消 / リラックス」「頭をさえさせるために / 脳を鍛える」という結果になった。
![]() |
オックスフォード大学による研究では,8万人以上のプレイヤーを対象に調査した結果,ゲームをプレイしたことによる気分改善効果は,テレビ視聴や読書,ショッピングを上回っていたという。
つまり,「人々はゲームによって幸福感を得る」ということが,研究によって裏付けられているそうだ。
プレイヤーが肯定したゲームのポジティブな影響は,下記が多い結果となった。
- (81%)精神的な刺激を与える
- (80%)ストレス解消になる
- (78%)さまざまな能力を持つ人々が利用しやすい体験を提供する
- (73%)幸せを感じさせてくれる
- (72%)日常の課題から逃れる手段を与えてくれる
- (71%)新しい友人や人間関係を紹介してくれる
- (70%)ほかの人々と繋がることで孤立感や孤独感を軽減してくれる
- (64%)不安を和らげてくれる
また,アメリカ心理学会の学術誌「American Psychologist」に掲載された研究によると,「ゲームは,子どもや若者がポジティブな感情を生み出すもっとも効率的かつ効果的な手段の1つである可能性がある」とされている。
研究者らは,とくに若者のメンタルヘルスの問題の予防と治療など,幸福を促進する要素として,ゲームが持つ可能性を強く感じているそうだ。
![]() |
ゲームをプレイすることで,認識能力や注意力,意思決定やリスク評価の能力が向上すると考えられている。
アンケートでは,創造性,問題解決能力,チームワークについて向上すると答えた人の割合が,順に77%,76%,74%という結果になった。
![]() |
一方で,ゲームをプレイしたことで教育やキャリアパスが改善したと答えた人は,半数の50%,良い影響を与えたという人は43%であった。
日本のみでの結果だと,前者から31%,30%と低めだ。近くの国でいうと,韓国なら順に42%,32%,中国だと順に55%,49%と結果に開きがある。
![]() |
また,スポーツゲームで現実の運動能力が向上したと答えた割合は54%,ゲームによって,趣味や興味を継続したり,追求できたと答えた割合は64%であった。
調査対象の21か国それぞれのデータについても公開されているので,詳細はフルレポートで確認してほしい。
「Power of Play: 2025 Global Video Games Report」(PDFファイル)
■各国のレポート例
![]() 日本 |
![]() 中国 |
![]() 韓国 |
![]() アメリカ |
![]() サウジアラビア |
「ESA 2025 Global Power of Play Report」公式サイト
- 関連タイトル:
開発/テクノロジ
- この記事のURL: