「Nintendo Switch 2（日本語・国内専用）」開封の儀。本体の厚みはそのままに，サイズも仕様もいろいろ進化！

　任天堂の新ハード「Nintendo Switch 2（日本語・国内専用）」が，本日2025年6月5日に発売された。製品価格は4万9980円（税込）。「マリオカート ワールド同梱版」は5万3980円（税込）となる。

　本稿では，最新ゲーム機が発売されたときの4Gamerの恒例行事“開封の儀”と題して，Switch2の製品パッケージを開けていく。

「本稿で使用していくSwitch2は，マリオカート ワールド同梱版です」

　この日まで，Switch2の抽選結果に対するお気持ち表明は，ゲームファンのあいだで星の数ほど上がっていた。私も一筋の光を追い求めてあまたの抽選戦争に身を投じた。しかし，どの戦線も朗報が届くことはいっさいなく，撤退を余儀なくされた。本日も依然として敗北者だ。

　今回の開封の儀に用意された品は，4Gamer編集長が自力の抽選で勝ち取ったSwitch2である。世間のうわさ通り，ゲームメディアへの融通などかけらもない，皆さんとの「よーいどん！」で勝ち取ったものだ。

　それを本人が開ける前に，私が開ける。実に甘美な横やりだ。この恩はとてもじゃないが返せそうにないから仇で返すほかない。
　でも，これは1日限りのまやかし。家に帰ればこの手に感触は残らず，目も覚める。この子は私のものではなく，最初から誰かのもの――。

　などと親近感を覚えてもらったところで，さっそく見ていこう！

「はじめまして。Switch2の箱くん」

　というわけで，Switch2のパッケージとご対面。これを手渡しで受け取るとき，「箱も中身も絶対に汚しませんから！」と宣誓したが，1ミリも信用してこない人間の顔というのを初めて目にした。

オモテ面。オモテだよね？

ウラ面。こっちがウラだよね？

両側面

底面

　Switch2の箱はとてもハンサムである。かすかに甘い香りもする。きっと工場の匂いか，ヤマダデンキの倉庫の匂いだろう。

　過去のSwitchたちと比べると，（Switch Liteをのぞいて）縦幅は初代Switchよりも高く，Switch 有機ELモデルよりも低い。横幅はSwitch 有機ELモデルよりも長く，初代Switchよりも短い。いずれも2番手につけるコンパクトさで，総合的にも「ちっちゃいねえ」という印象だ。

　Switch2を勝ち取ったスタッフたちの大半も同じ感想をつぶやいていたので，本日手に入れた人たちも似た感想を持ったかも。
　なんにせよ，箱のデザインがちゃんと新しいため，店頭で間違えて買うこともなく，狡猾な詐欺から身を防ぐこともできそうだ。

左から初代Switch，Switch 有機ELモデル，Switch Lite，Switch2の箱。厚みは2が1番か

　ここで“日本語・国内専用”版の注記も書いておく。大多数の人たちには支障がないはずだが，一般の方々でも「Switch2を海外旅行に持っていきたい」なんて人は出てくることだろう。あるいは，海外にお引っ越しすることになった，なんて事例も今後生まれるに違いない。

　未知の未来のためにも，以下の注記は必ず見ておくべし。

「こんにちは。Switch2の中身くん」

　それではようやく，開封の儀の開封部分を進めていく。

　普段は豪快に「サンクス，ダディ!!」とアメリカンに開封しているが，これは他者のSwitch2の新品箱。段ボールの切れ端の山にするのは非人道的行為がすぎるため，やむなく丁寧に開けていった。

　箱の開封方法は，従来のSwitch箱と同じだ。底面のツメを外し，背面部をぐるりとおっぴろげにする構造である。

底面のツメを外す

初期セットアップの説明

ぐるりとおっぴろげにしたのがこちら

　Switchの箱内は，すべて段ボールの仕切りでレイアウトされている。家電製品でよく見る，発泡スチロール製の梱包材を使っていないのは個人的にうれしい。発泡スチロールの防護は強固でいいのだが，キツキツに詰められていると引き出すときにかけらが飛び散ったり，「キュッキュッ」と鳴ったりするのが，個人的に好かないのである。

　なんて話は置いといて，以下が全貌だ。

従来機と同じ，二段重ねのお弁当箱スタイル

　そして，黒く光り輝くダイヤモンドがごとし，本体を開封。

　本体の背面は初代Switchらと同じく，キラキラとラメ状のなにかが散りばめられている。しかし，基本的に全体が真っ黒すぎて，プロのカメラマンでもないとキラメキを撮影するのが難しい。そのため，キラキラ具合を確かめるのは購入者の特権としてほしい。

これがSwitch2だ！　黒い！

すっごい黒いよ！　まるであらゆるゲームを飲み尽くすブラックホールだ！

　ここで本命のSwitch2本体から見ていこう。外観は上記の写真のとおりで，初代Switchともさほど変わらないように見える，が。

　以下の仕様比較で，従来機との違いを確認してみよう。


　Switch2は従来機と比べて，本体の厚みは（Joy-Con2の装着部以外は）そのままに，縦も横も重さもビルドアップした。なお，脳トレの成果（＝進化した性能）は本稿では触れないので，よしなに。

左からSwitch Lite，Switch2，Switch 有機ELモデル，初代Switch

下からSwitch2，Switch 有機ELモデル，初代Switch

　手に持った感触は大きくなった，気がする。私は年がら年中ドックに本体を挿しっぱなしにし，かつプロコンで遊ぶ主義者のため，申し訳ないが手持ち利用者の普段使いの感覚には寄り添えないのだ。

　Switchのレポートにはつくづく向いていない人選ですまないが，このあたりの満足・不満は各自の触感に委ねたい。

Switch 有機ELモデルと同じフリーストップ式スタンド

本体上部

本体底部

　ゲーム体験で特筆すべきは，初代Switchより1.7インチも大きくなったディスプレイだろう。こちらは最大4K出力＆最大120fps対応（4K出力時は最大60fps）の広色域液晶ディスプレイで，フワッとした表現になるが「さらに見やすくキレイになった！」気がすることだろう。

そしてこれが，Joy-Con 2をつけたSwitch2完全体だ！

「ごきげんよう。Switch2くん」

　続けて，同梱されているアイテムを見ていく。

　まずは一覧で確認してもらうと早いはずだ。


　Joy-Conは「Joy-Con 2」へと進化した。従来通り，お弁当の箸を忘れた子に「これ，使っていいよ（ニッコリ）」とばかりにおすそ分けできる，便利な付属ゲームパッドだ。箸でやられたなら引く人のほうが多いだろうが，パッドならお近づきのチャンスメイクにもってこいだ。

　Joy-Con 2は本体に差し込んで固定するのではなく，マグネット仕様の取り外しになった。外しやすさが断然違うため，「これ，使っていいよ（ニッコリ）」とスマートなチャンスメイクに持っていきやすい。さらにマウス機能も備わったことで，「これ，マウスなんだ（ニッコリ）」という新技もお披露目できるだろう。この流れはもういいや。

近づけると，マグネットで吸着

　一応，想定されるシチュエーションとして「本体両側のJoy-Con 2を持って遊んでたら，磁石が離れて本体落ちちゃった！」なんて事故が起きるかどうかも検証した。人様のSwitch2であるのをいいことに，わりと乱暴めに振ったりしてみたところ，ぜんぜん外れる気配はなし。

　ここは，世界中のやんちゃな子供たちにたくさん遊ばれることを念頭に置いて設計しているだろうから，任天堂を信用してよさそうだ。

　ただし，Joy-Con 2を前後に強めに押すと，接着部がほんのわずかにたわむ。ガタガタするほどではないが，完全に固定されているわけではないので，力の入れ具合によっては気になる人もいるかも？

　あと，装着時に「指の腹や皮がはさまると痛い」という事故が起きる可能性もあった。注意して取り付けすれば問題ないが，吸着力が強いゆえにはさまると痛い。子供の取り扱い時は注意しておきたいかも。

背面に「取り外しトリガー」

押すと突起部がニョキッとして，本体から外れる

付けたあと，トリガーを押せばこのとおり着脱

　ニンテンドックこと「Nintendo Switch 2 ドック」は，Switch2本体のに合わせてサイジングされた。初代ニンテンドックから数えると，これで名実ともにニンテンドック“ス”と言えるようになった。

※「nintendogs（ニンテンドッグス）という神ゲーがあってのう……」

丸身がある

　なお，Switch2は寸法・仕様の違いで初代ニンテンドックに対応していない。逆もまたしかりだ。そのうえで「初代ニンテンドックとSwitch2」と「ニンテンドック2と初代Switch」の組み合わせを試した。

　これは，どちらのパターンも使えるかどうかの話ではない。あくまで“使えてしまわないこと”を知らせる注意喚起と見てほしい。

　そして結果は以下のとおり。ムリでしたー。

左（と下）から初代ドック，ドック2。おっきくなった

初代は初代に，2は2に挿した写真

それぞれ逆にしてみたら，そもそもささらない。ドック底部の構造が違うみたい

　このほか，かつてのヌンチャクの教えを守り続ける「Joy-Con 2 ストラップ」。手持ちでより遊びやすくする「Joy-Con 2 グリップ」。心臓を動かす血液ポンプ「ACアダプター」。輸血用「USB-C 充電ケーブル」とある。私くらいになるとゲーム機も生き物扱いである。

グリップにJoy-Con 2をジョイン

　あとは「ウルトラハイスピード HDMIケーブル」だが，なにがウルトラでハイスピードなのか不明な人のために，どこがウルトラでハイスピードなのかを教示する。お願いします，Google検索のAI要約さん。

「ウルトラハイスピード HDMIケーブルとは、HDMI 2.1規格に対応したケーブルで、8K/60Hzや4K/120Hzなどの高解像度映像を安定して伝送できることを保証されたものです。48Gbpsの高速データ転送が可能で、Dynamic HDRやeARCにも対応し、より高画質で臨場感のある映像を楽しめます ――by. Google検索のAI要約さん――」

任天堂マークのHDMIケーブル

これは周辺機器の「Joy-Con 2 ハンドル 2個セット」と「Nintendo Switch 2 カメラ」

これは本日発売のSwitch2ソフトたち

「さようなら。Switch2くん――」

　以上で，開封の儀をおしまいとさせていただく。

　この先の「電源をONにしてからの話を教えてよ！」という人は，のちほど掲載予定の初期セットアップ解説記事をお待ちいただきたい（載ったよ！）。そのほか4Gamerでは，Switch2発売記念特集を掲載中だ。


　いよいよ発売されたSwitch2だが，現状では残念ながら出荷数的な意味で，求める人すべての願いをかなえられたとは言えない。

　それでも，近年の最新ゲームハードでは出荷および予約購入にまつわる問題がたびたび起こってきた。それこそ初代Switchもだ。新型コロナウイルス感染症の影響下のときは，発売から数年経っていたのに，全国各地でカンブリア爆発的な品薄状況が発生したりもした。
　あれらと比べると，今回は多言語版の用意と厳格な抽選システムのおかげで，かつてないほど不平が軽減されていることだろう。

　今後，どれだけの数がスムーズに出荷されるかは分からない。けれど供給が止まることはないはずだ。確実に目玉となり得るポケモンの新作「Pokémon LEGENDS Z-A」も2025年10月16日に発売が決定したのだ。関係者らの尽力は目に見えないが，尋常でないだろうし。

　だから，また会える日までさようなら，Switch2。
　キミとすごした54分くらいの時間は，ずっと忘れない。
　もしも，また会えたなら，そのときはハッキリと伝えるよ――。

　Switch2も早くJoy-Con 2のカラーカスタム注文，お願いします！

「さようなら，Switch2くん。来年の夏が来るまでに，また会おうね――」

「Nintendo Switch 2」公式サイト