
プレイレポート
カーソルとなってデスクトップをさまよい,ウイルスを囲んで戦う。「Identifile: Desktop Dungeon」インプレッション[TGS2025]
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「Identifile: Desktop Dungeon」は,シンガポールのインディーゲームスタジオであるGearbyte Gamesが開発中のPC用ゲーム。早期アクセス開始は2025年11月25日が予定されている。
本作の舞台は自分のPCだ。ある日PCが謎のウイルスに侵されてしまい,プレイヤー自身もデスクトップ上を動くカーソルになってしまった。平穏な環境を取り戻すため,プレイヤーはウイルスに感染したファイルを探すのだ。
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問題のファイルを探すには,マウスでカーソルを動かしてエクスプローラーを操作し,フォルダからフォルダへと渡り歩いていけばいい。つまり,普段PCを使っている時の操作とまったく同じである。
PCの中にはそれっぽい名前のフォルダやファイルが転がっている。「かわいいネコ.png」といったファイルや,「お宝」といったフォルダは思わずクリックしたくなるし,「議事録」「提出遅れ」といったフォルダは名前を見ただけで胃が痛くなってきそう。
他人様のPCの修理を頼まれて中をのぞき見しているような,赤裸々さと気まずさを感じられる。残念ながらファイルをクリックしても画像や文書は見られないが,カーソルの強化に使うと思しきリソースや,ウイルス駆除を助けてくれるパワーアップ「EXE」を手に入れられる。デスクトップをじっくりと探索することも重要になるようだ。
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感染したファイルが見つかったら,ダブルクリックで実行するとウイルスが出現し,弾幕を張ったり,体当たりをしてきたりと抵抗してくる。左クリックしたままマウスをドラッグし,軌跡でウイルスを囲んでダメージを与え,ウイルスを駆除する。
カーソルに敵弾や体当たりがヒットするとHPのハートが減っていき,なくなると敗北となる。カーソルを素早く動かすほど“手数”は増えるものの,制御し切れずに被弾する確率が高くなっていく。敵が攻撃してくるときは回避に集中し,攻撃が止んだら一気にペースを上げて囲んでいくという,メリハリのある動きが楽しい。
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ターゲットをぐるぐる囲む感覚は「ポケモンレンジャー」シリーズを思い出させる。それもそのはず,Gearbyte Gamesは公式サイトで「ポケモンレンジャー」と弾幕が印象的なローグライト「The Binding of Isaac」からインスパイアされたことを明らかにしており,制作者の好きなものを組み合わせた作品といえる。
そしてデスクトップ探索や,それっぽいファイル名による赤裸々さ,弾幕による攻撃と回避のメリハリを加えているのが,本作のオリジナリティというわけだ。
デスクトップの奥底では巨大なボスも出現し,激しい攻撃を仕掛けてくる。HPが尽きると画面には無数のエラーメッセージが出現し,ついにはブルースクリーンまで発生するから,ドキッとさせられる。
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東京ゲームショウ出展バージョンは日本語に対応しており,ファイルやフォルダ名の面白さも問題なく理解できたのがありがたかった。気になる人は,Steamで配信中の体験版をプレイしつつ,11月25日の発売を楽しみに待とう。
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