
プレイレポート
美闘士たちの闘技会をモチーフとした「Queen's Blade Re:Build」。カードバトルゲームとして想像以上に本格的だった [TGS2025]
クイーンズブレイド
それは神の名の下にもっとも強く,もっとも美しい女王を選ぶ闘技大会
誰がその栄光ある玉座につくのか
それは戦ってみなければわからない
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君は「クイーンズブレイド」を覚えているだろうか。お色気なファンタジーバトルアニメやフィギュア? いや確かにそちらがメジャーかもしれないが,思い出してほしいのはホビージャパンから出ていた“対戦型ビジュアルブック”のほうだ。
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そのルーツは1980年代に海外でウィザーズ・オブ・ザ・コースト社などから刊行されていた「LOST WORLDS」という同コンセプトのゲームブック。元々は十字軍風のおじさん騎士や,屈強なゴブリンなどが戦うテーマだったが,日本へのローカライズの際にイラストが変更され,版権元もなぜか快諾した(!)という経緯がある。
1冊の本が1キャラクターに相当し,対戦するプレイヤーがそれぞれキャラクターブックを1冊ずつ手元に持つ。そして行動を選んで結果を判定,指定されたページを追うことでバトルを展開していく。
「相手の下段攻撃をジャンプで回避,そのまま振り下ろし攻撃を当てる」など,かなり細かい状況を表現できる仕組みになっていた。
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「クイーンズブレイド」の登場時は「いろいろな意味ですごいのが出たな」と驚いたものだが,今年11月で20周年を迎えるらしい。TGS 2025のホビージャパンブース,およびクリーク・アンド・リバー社のブースでは,こちらを題材にしたデッキ構築型ローグライトゲーム「Queen's Blade Re:Build」(PC)が展示されていた。
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こちらもまた意外かもしれないが,ゲームデザイン自体はかなり丁寧に作られている。プレイヤーキャラの部位は上段,中段,下段に分かれ,それぞれにキャラクターカードを置くことで「守備ライン」を構築。カードを置く手番には時間制限もあり,状況を把握しつつ素早く操作することが大切だ。
同じ部位に置かれたキャラクターカードの攻撃と防御を参照し,防御が下回ったキャラクターカードは取り除かれる。そしてキャラクターカードで受けきれなかったダメージはアーマーや本体が受けるという,トレーディングカードゲームで遊んだことがある人にはすんなりと馴染みやすいシステムとなっている。
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キャラクターカードで敵の攻撃を受けきれず,アーマーにダメージが蓄積して破壊されるとお待ちかね,いやできれば避けたいアーマー破壊状態に。アーマーも上段,中段,下段に分かれており,それぞれ別のグラフィクスが表示されるのが細かい。
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ただし,アーマーを破壊されると必殺技を使うためのポイントがたまり,新たなカードを引けるので,それが逆転のトリガーになることも。もちろん敵のアーマーを破壊するときもそのリスクがあるので,あまり考えずに破壊すると痛い目を見る(実際に見た)。
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キャラクターカードごとに「隣の部位にも攻撃可能」「相手のキャラクターカードを貫通」などさまざまな効果が設定されており,シナジーを考えつつデッキを構築していく楽しさもありそうだ。
ビジュアル面では,えぃわ氏,F.S氏,かんたか氏など,当時のクリエイターたちが改めてイラストを描きおろしている。また,最近リリースされたばかりの「スーパーロボット大戦Y」のオリジナルキャラなども手がける渡邉 亘氏も新たに参加予定という。
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一方,キャラクターカードに描かれている絵は,当時のビジュアルブックに使用された懐かしいものが並んでいる。個人的にはそこまで古びていない気もするが,若い人が見るとやはり「どこかレトロ」と感じるのかもしれない。
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実際にプレイしてみるとかなり本格的な印象を受けたが,それもそのはずで,カードゲーム部分の開発はホビージャパンのカードゲーム開発事業部が行っているそうだ。
ゲームのリリースは2026年を予定。試遊版ではバトルパートが切り出されており,全体の仕上がりも気になるところだが──それは遊んでみなければ分からない。
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