スクウェア・エニックスは2025年12月4日,
「オクトパストラベラー0」(
Switch2 /
PS5 /
Xbox Series X|S /
Switch /
PS4。
PC版は12月5日発売予定)をリリースする。
本作は,初代「オクトパストラベラー」に登場したオルステラ大陸を舞台とするシリーズ最新作だ。
「オクトパストラベラー 大陸の覇者」(
iOS /
Android)をベースに物語を再構築し,時系列は1作目の数年前である。
スクウェア・エニックスから事前に製品版相当のビルドを提供してもらったので,プレイレポートを掲載する。
シリーズ異例のキャラメイク
ほかの誰でもない,これは“君”の物語
本作の主人公は,プレイヤーが名前や外見,ボイスなどをカスタマイズできる。従来の「オクトパストラベラー」シリーズは,8人の主人公の物語が交錯する群像劇RPGだったが,本作は
「プレイヤー自身が主人公である」という没入感を得られるだろう。
髪型や髪色,仕草,習得している技に加え,最初から所持している持ち物も選べる
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主人公の好物にも名前を付けられる。アイコンの画像がパスタっぽいので「ザ・麺」にしたら,比較的いろいろな場面で出てくるので,適当に名前を付けると後悔するかも……
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ジョブも選択する。いずれは別のジョブもアンロックできるが,最初はじっくり選んだほうがいいだろう
![画像ギャラリー No.007のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/007.jpg) |
![画像ギャラリー No.008のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/008.jpg) |
ある事件により,主人公の故郷である「ウィッシュベール」は滅びてしまい,町の住人たちの大半が離散してしまう。
主人公の目的はウィッシュベールの復興だが,現在のオルステラ大陸には
「富」「権力」「名声」をそれぞれ極めた3人の覇者が存在している。この3人は,主人公の故郷が滅びる原因にもなった人物だ。
主人公は3人の巨悪に立ち向かいながら,故郷の復興も志す――
“復讐”と“復興”の物語となっている。
左から,「富を極めし者」ヘルミニア,「権力を極めし者」タイタス,「名声を極めし者」アーギュスト。いずれも邪心に染まり,裏の顔がある
![画像ギャラリー No.009のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/009.jpg) |
ネタバレになるため詳細は割愛するが,それぞれのストーリーの導入と魅力をお伝えしたい。
「権力を極めし者」では“英雄”と呼ばれている男,
タイタスを追うことになる。タイタスの表向きは英雄だが,裏では配下の兵を使って卑劣な悪行を重ねており,主人公の故郷にも大きく関与している。
英雄タイタス。“緋翼”と呼ばれる兵士たちを配下に抱えており,その兵団長でもある
![画像ギャラリー No.010のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/010.jpg) |
主人公はタイタスに近づくため,緋翼に所属するヴェルノートに接触するが,彼は元罪人にしては柔和な印象だ。タイタスは裏で何か大きな計画を練っている様子だが,ヴェルノートもまた何かを隠していることがうかがえる。策謀が渦巻いているようだ。
緋翼の兵士は元罪人の集まりだ。少々特殊な集団である
![画像ギャラリー No.011のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/011.jpg) |
「富を極めし者」では,“粉”と呼ばれるものの売買によって財を築いた大富豪・
ヘルミニアと,彼女の台頭によって縄張りを荒らされたマフィアの対立が描かれる。
マフィアに名を売り,打倒ヘルミニアを目的にのし上がろうとする貧民街出身の若者・バルジェロと接触することで,主人公はヘルミニアに近づいていく。
「富」を極めた“魔女”と呼ばれるヘルミニア。狙われる危険があるため,常に仮面で目元を隠している
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多くの奴隷をブラックな環境で働かせているヘルミニア。奴隷を張り倒して,自身のドレスに血が飛び散った際のセリフが名言すぎる
![画像ギャラリー No.013のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/013.jpg) |
狂ったように富を求め続け,私腹を肥やし続けるヘルミニア。富さえあれば,この世のすべてを手に入れることができるのか。金,人,暴力,命。人間社会の普遍的なテーマに切り込む,リアルかつダークなストーリーだ。
貧民街出身の男・バルジェロと,その仲間たち。彼らもまた,“粉”で町をメチャクチャにしたヘルミニアに憤っている
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「名声を極めし者」では,その界隈に知らぬ者はいない有名劇作家・
アーギュストと,彼の異常ともいえるカリスマ性に人生を狂わされた者たちの人間模様が描かれる。アーギュストに心酔するあまり,命を落とす結果になった妻の復讐に燃えるシュワルツと共闘関係になった主人公は,アーギュストの周辺を探っていくことになる。
大陸一の劇作家と名高いアーギュストは,「名声」を極めし者。姿を現せば即座に多くのファンに囲まれるほどの人気者だが,彼には知られざる裏の顔も……
![画像ギャラリー No.015のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/015.jpg) |
亡くなった妻の復讐のため,アーギュストをつけ狙うシュワルツ。アーギュストは称賛の裏で,恨みも買っているようだ
![画像ギャラリー No.016のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/016.jpg) |
タイタス,ヘルミニア,アーギュストのストーリーはそれぞれ独立しており,どれから挑戦してもいい。
ただ,各ストーリーは章立てになっていて,1章,2章,3章と進んでいくにつれて推奨レベルも高くなるため,1つのストーリーを続けていくよりも,まんべんなく進めていったほうがレベル的には無理なく進行できるだろう。
各ストーリーには「推奨レベル」が表示される。現在のレベルと照らし合わせて,まだ低いときにはレベル上げに勤しむか,別のストーリーを進めよう
![画像ギャラリー No.017のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/017.jpg) |
3人のストーリーはそれぞれ異なるエリアで展開されるため,まんべんなく進めていくと多くの町を訪れることになる。RPGといえば“旅”のような感覚が魅力であり,新たな町を訪れたときはワクワクするものだ。
武具店のラインナップを覗くのも楽しみのひとつだが,本作では町のNPCと会話すると持っているアイテムを
「ねだる」「買取る」「勝ち取る」といったこともできる。
「ねだる」の成功率が100%のアイテムを見つけたら,もらっておかないともったいない。たまに「えっ,いいんですか!?」と思うほどのアイテムをくれるNPCもいる
![画像ギャラリー No.018のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/018.jpg) |
アイテムの種類や,もらえる確率はNPCによってさまざまだが,成功率100%でアイテムをくれるNPCもいるので見逃せない。3%であれば諦めるべきだが,80%程度もあればセーブ&ロードを繰り返す価値はある。何にせよ,多くの町を巡り,多くの人に話しかけること自体がアイテム獲得につながる。
ちなみに「勝ち取る」というコマンドは,NPCと戦闘を行って勝てばアイテムがもらえる。目安となるレベルも表示されるので,いけそうだと思ったら一戦交えるのもいいだろう。
見かけによらず,レベルの高いNPCもいる。やみくもに「勝ち取る」で戦いを挑んで返り討ちにあわないように……
![画像ギャラリー No.019のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/019.jpg) |
「仲間集め」の観点でも,さまざまな町を訪れたほうがいい。それぞれの町の住人に話しかけると,「招く」というコマンドが出現することがある。彼らを招くことに成功すると,ウィッシュベールの新たな住人になってくれるのだ。
コマンドの一番下が「招く」になっているNPCは,ウィッシュベールに来てくれる可能性がある。画面右下の「住民アビリティ」には,住民になったときにどういう働きをしてくれるかが表示される
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元々,ウィッシュベールの住人だったNPCと出会えることも
![画像ギャラリー No.021のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/021.jpg) |
ウィッシュベールを復興せよ!
「タウンビルド」で自分だけの町作り
移住してくれるNPCを迎え入れるためにも,町の復興をしなくてはならない。そこで重要になるのが
「タウンビルド」だ。
タウンビルドは民家や施設を新たに建造し,プレイヤーの好きな配置にできる。最初のうちは移住したNPCが住む民家の数を増やすことくらいしかできないが,物語の進行に応じて,さまざまな施設が登場する。
タウンビルドの画面。1マス単位のグリッドで配置を決定できる
![画像ギャラリー No.022のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/022.jpg) |
初期の小さめ民家には2人まで住める。誰と誰を住まわせるかはプレイヤーの自由だが,住人によって部屋に微妙な変化がある。たとえば使用人NPCが住んでいる民家の壁には,彼女の着替えがかけられているが……
![画像ギャラリー No.023のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/023.jpg) |
使用人の代わりに学者を住まわせると,本棚が増えた。もう1人の人物の狩り道具も壁にあり,なかなか芸が細かい
![画像ギャラリー No.024のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/024.jpg) |
住民アビリティの種類次第では,適材適所を考慮すべきときもある。畑の生産速度を上げる「栽培上手」を持っている住人は,やはり畑に配置したほうがいいだろう
![画像ギャラリー No.025のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/025.jpg) |
タウンビルドでは物語の進行に応じて「できること」が増えていくため,序盤からあれこれとできるわけではない。積極的に復興を目指したい人は,3人の巨悪に立ち向かうストーリーとは別にある
「聖火を灯す者」を進めるといいだろう。
「聖火を灯す者」では,主にウィッシュベールの復興に関わるクエストをこなしていく。「畑」が開放されると,野菜や果物のタネを植えて作物を収穫できるようになる
![画像ギャラリー No.026のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/026.jpg) |
「牧場」ができると,家畜の飼育が可能だ。肉や卵が手に入る
![画像ギャラリー No.027のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/027.jpg) |
「酒場」では調理可能。畑で収穫した作物や牧場で入手したものを素材にすると効率がいい。料理は一時的に強化効果が得られるので,重要なバトルのために準備しておくといいだろう
![画像ギャラリー No.028のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/028.jpg) |
「理容室」では主人公の髪型・髪色を変更できる。さりげなくオープニングの選択肢にはなかった髪型も追加されている。ア,アフロ……!
![画像ギャラリー No.029のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/029.jpg) |
町の復興に関わるストーリーが進むにつれて,3人以上で居住可能な大きめの民家や「商店」「訓練所」といった施設が開放されていく。
商店では,定期的にラインナップが変わる「交易品」を購入できるほか,これまでに訪れた町で「商品情報」を手に入れていると,その町に売られているアイテムも購入可能。「あの武器,どこで売ってたっけ?」と,世界中をファストトラベルで探し回る必要がなくなる
![画像ギャラリー No.051のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/051.jpg) |
![画像ギャラリー No.052のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/052.jpg) |
「訓練場」では控えメンバーを訓練できる。訓練中のキャラクターは,戦闘に参加していなくてもEXPやJPの一部を獲得できる
![画像ギャラリー No.053のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/053.jpg) |
訓練場の開放と共に,パーティーメンバーが習得したアビリティの極意化が可能になる。ただし,全アビリティを習得したキャラクターのみだ
![画像ギャラリー No.054のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/054.jpg) |
アビリティの極意は装備品のような扱いなので,1回の極意化につき1個の極意が生成される。全員にアビリティを装備させるには,極意化できるメンバーが1回ごとにJPを消費するため,けっこう大変……
![画像ギャラリー No.055のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/055.jpg) |
フィールドに点在しているキラキラポイントでは,「木材」や「石材」を拾える。民家の建築をはじめ,ウィッシュベールの復興に欠かせないものなので,普段からコツコツと集めておこう
![画像ギャラリー No.030のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/030.jpg) |
また,物語が進むと各施設の「グレードアップ」が可能になる。民家の場合,居住可能人数が増えたりするが,グレードアップには「輝く礎」が必要。これは各ダンジョンの「シンボルエネミー」を討伐することで入手できる。
宝箱を守っていることが多いシンボルエネミー。当然,ダンジョン内のほかの敵とは一線を画す強さを誇るが,メチャクチャ強いというわけでもない場合も。とりあえず場所を覚えておいて,「そろそろ倒せるかな?」という頃合いに挑んでみるといいだろう
![画像ギャラリー No.031のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/031.jpg) |
さまざまな町を旅していくと,ウィッシュベールの住人候補だけでなく,同行して共に戦ってくれるキャラクターが仲間になることもある。最初のパーティは主人公と,幼なじみの大工・スティアしかいないので,そのままではかなりの戦力不足。多くの町を訪れて仲間を増やし,パーティを強化したいところだ。
正統派な剣士や薬師,投げナイフの達人,話が長い女学者などなど,バラエティ豊かな面々が仲間に加わる
![画像ギャラリー No.032のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/032.jpg) |
![画像ギャラリー No.033のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/033.jpg) |
薄着の民族衣装にこだわるあまり,常にクシャミをしている狩人・デリティア。兄を探して旅をしているらしく,捜索を手伝うという経緯で主人公と行動を共にする。しかし,よりによって,こんな雪の降る町に滞在しなくても……
![画像ギャラリー No.034のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/034.jpg) |
今度の戦闘は8人がかり!
戦略性を増したバトルシステム
「オクトパストラベラー」といえば,もちろん“8人”だが,本作の戦闘には
最大8人のキャラクターが同時に参加する。前衛と後衛に4人ずつ分かれ,ターンがまわってくるのは前衛のみ。前衛4人の各ターンに,後衛と交代するかどうかを選べる。交代時にターンは消費せず,すぐに行動できるので気軽にチェンジできる。
見慣れた戦闘画面だが,味方陣営の頭数が頼もしすぎる
![画像ギャラリー No.035のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/035.jpg) |
フィールドでも8人がズラーッと並んで走る。お……多い!
![画像ギャラリー No.036のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/036.jpg) |
敵のシールドに書かれた数だけ弱点攻撃を当てる
「ブレイク」と,徐々に溜まるBPを使って攻撃回数や威力を増やす
「ブースト」は健在。さらに,前衛・後衛合わせて8人を活用するシステムが加わることで,戦闘はさらに奥深くなった。
たとえばBPだ。後衛にいてもBPは溜まるので,前衛がしばらく戦ってBPを使い切った頃には,後衛のBPがMAXになっていることが多い。従来のシリーズ作品を知っていると前衛の4人だけで戦いがちだが,頻繁に交代してBPをうまく運用したいところだ。
弱点を調べ上げ,そこを徹底的に突いてブレイクさせてから攻めまくる爽快感は格別。BPがダブつかないように,うまくまわしていきたい
![画像ギャラリー No.037のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/037.jpg) |
また,回復行動は後衛も対象にできる。
後衛のキャラクターはターンごとにHPとSPが回復し,敵の攻撃も受けないため,HPが少なくなったら,後衛のキャラと交代するといいだろう。ピンチのキャラクターを後衛に下げてから,前衛の回復役が行動すれば,従来のRPGに見られた「回復役が動く前に倒された」「蘇生した途端,また攻撃されて力尽きた」といったことは避けられる。
ストーリー上,ゲストとして参戦するNPCも存在する。ボス戦では心強い存在だ
![画像ギャラリー No.038のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/038.jpg) |
注意してほしい点は,
前衛(後衛)は自分の後ろ(前)にいる後衛(前衛)としか交代できないことだ。そのため,
「8人をどう配置するか」も重要になる。
たとえば,前衛と後衛に同じ武器種のキャラクターを配置すると,その武器が弱点ではない敵に対して,2人はどうやっても弱点を突けないことになる。異なる武器種のキャラクターを配置すれば,前衛の武器が効かないと分かったら後衛と交代することで効果的に戦えるというわけだ。
筆者の主人公は武器種が槍と弓。この敵には弱点を突けない……後衛,頼む!
![画像ギャラリー No.039のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/039.jpg) |
後衛から前衛に出てきて,すぐに攻撃すると威力が上がる技や,攻撃後に後衛に下がる技もある
![画像ギャラリー No.040のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/040.jpg) |
また,キャラクターが習得していくアビリティとは別に,
「セレクトアビリティ」という要素がある。これは特定のアビリティを装備品のように付け替えるシステムで,プレイヤーによって同じキャラクターでも能力は千変万化する。
セレクトアビリティを活用すれば,そのキャラクターが本来はできない攻撃手段を追加できる。弱点を突くために攻撃手段をカバーするにはもってこいだ
![画像ギャラリー No.041のサムネイル画像 / [プレイレポ]復讐と復興の物語を描く「オクトパストラベラー0」。第1作と同じ大陸で紡がれる,シリーズの正統進化と安心感に満ちた最新作](/games/933/G093374/20251121035/TN/041.jpg) |
BPを引き換えにする複数回攻撃や,弱点をブレイクした後に一気呵成に攻めていく「オクトパストラベラー」イズムはそのままに,8人編成やセレクトアビリティ,条件を満たすと発動できる「必殺技」に加え,2作目から導入された戦闘のスピード変更(2倍速まで可)もあり,より楽しく快適に進化している印象だ。
必殺技を使用するためのゲージは,敵をブレイクするなどの行動によって溜まっていく。必殺技の種類は物語の進行と共に増えていき,全体回復技もあれば,一撃が強力な攻撃技もある
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パーティメンバーが4人から8人……と聞いて,装備品の購入に要するお金が多くなることを懸念する人もいるだろう。実際,8人全員の装備を最高にしようとすると,お金はまったく足りない。常に悩まされることだろう。
ただ,安心してほしい。メンバーの半数近く装備更新が完了していない状態でボス戦に挑んでみたところ,2〜3人の戦闘不能を出しながらも勝つことができた。武器も防具も貧弱,「おそらく勝てないだろう……」と思っていたが,蘇生アイテムも尽きて「やっぱりダメかー!」と覚悟した直後に倒せたこともあり,「い,いけたー!」という達成感がスゴかった。
ストーリーの推奨レベルと比較しても2ほど低かったが,これでもなんとかなってしまうゲームバランスに拍手を送りたくなった。推奨レベルがマジで推奨レベル。
なお,パーティメンバーの「8人」は「戦闘に参加できる人数」であり,「仲間にできる人数」はもっと多い。控えメンバーも同行しているので,戦闘メンバーは気軽に入れ替えができる。
1作目の主人公の1人,商人・トレサも仲間になる。本作では商人「見習い」となっているが,すでに敏腕商人の片鱗が垣間見える
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プレイフィールは実家のような安心感
この手触りは紛れもなく「オクトパストラベラー」だ
主人公は自分だけのオリジナルキャラクター。これまでのシリーズ作品とは異なる設定だが,ゲームを進めていけば間違いなく,「これだ……これだよ!」という
“オクトパストラベラー感”が押し寄せてくる。
HD-2Dによる映像美。歯応えのあるバトル。ストーリーには必ず意外な展開が用意されていて,ドラマティックなBGMが否応なしに盛り上げる。とくに通常戦闘曲がカッコよすぎて,サントラの発売が待ち遠しい。
超序盤の森の中,たった1匹の敵相手だが,通常戦闘曲がカッコよく,しばし手を止めた(スクリーンショットでは伝わらないが)。長年追い求めた宿敵とのバトルかってくらいに盛り上がる
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ストーリーの魅力については,どうしたってネタバレになるので控えるしかないが,3人の巨悪を倒せば終わりではないということだけは伝えておきたい。
「全てを極めし者」ことパーディスIII世。一国の王だけあって,富,権力,名声を兼ね備えている
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「オクトパストラベラー」シリーズでは,フィールドやダンジョンの難度を「危険度」として教えてくれるが,これはあくまで目安だ。推奨レベルに達していないからといって,進んではいけないということではない。筆者は1作目でもよくやっていたものだが,敵にボコボコにされながら逃げまくり,強引に次の町にたどり着くなんて荒業ができるのも好印象だ。
エリアチェンジ前に必ず表示される「危険度」。急に高くなる場所もあるので,移動には気をつけてほしい
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先に進めば,町の店には強い武具が売られていることが多く,先んじて手に入れることもできる。もちろん,お金は稼がなければいけないが,プレイヤーが冒険の進め方を選べるのはRPGの理想的な形だろう。
また,1作目の前日譚ということもあり,シリーズファンには見覚えのある町やキャラクターが登場する。久々の再会だけでなく,「このときはこうで,ここからあれにつながるのか」といった楽しみ方もできる。1作目をやり込んだプレイヤーこそ,強くオススメしたい。
1作目では踊子・プリムロゼのエピソードに登場した詩人・シメオン。本作ではアーギュストの知人として姿を見せる
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リプルタイドの町を出たあたり,1作目では橋が存在しているが,「0」の時代は建設中で通れない
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1作目のスクリーンショット。立派な橋が完成するんですねー
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「オクトパストラベラー」シリーズに求められるものはしっかりと詰め込まれており,年末年始にじっくり遊べる大作RPGといえるだろう。シリーズファンはもちろん,未経験者であれば1作目もプレイして,オルステラ大陸の壮大な歴史に浸かってほしい。