
プレイレポート
攻撃ボタン,わずか1種類。超シンプル格ゲー「ロボ王 vs ウチュメガファイト」は,2D格ゲーの基礎が詰まった意欲作だ[BitSummit]
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本作は,劇団カレーライスの「ウチュメガファイト」と,Foxy Boxy Gamesの「ロボ王」のコラボ作品だ。いずれも8bit時代をリスペクトした対戦格闘ゲームであり,実際の挙動が気になっている人も多いことだろう。会場にはβ版が出展されていたので,実際に遊んでみてのプレイフィールをお届けしていく。
「劇団カレーライス」公式サイト
打撃と投げのシンプルな読み合いを軸に
多彩なキャラクターによるバトルを楽しめる
まずは,参戦作品を軽くおさらいしておこう。
「ウチュメガファイト」は,ファミコン用対戦格闘ゲーム「ジョイメカファイト」をリスペクトした2D対戦格闘ゲームだ。ブラウザ上で手軽に遊べるゲームながら,キャラクターごとにバリエーション豊かな操作モードを持ち,かなりやり込める作品となっている。
「ウチュメガファイト」公式サイト
「ロボ王」もファミコンスタイルの作品だが,こちらはガッチリとしたロボットが主役になっている。現代的な格ゲーのエッセンスを取り入れつつ,ゲームスピードが抑えめに作られているなど,初心者でも遊びやすい設計が特徴だ。
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そんな両作品のキャラクターが一同に介する「ロボ王 vs ウチュメガファイト」は,2キャラクターでチームを組んで戦うタッグバトル方式となっている。チーム選びに制限はないので,作品の垣根を越えたタッグを組むことも可能だ。
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操作システムは両作品からさらにシンプルになっており,ボタンは「A(攻撃)ボタン」「B(交代)ボタン」の2つだけ。攻撃は方向キー入力で変化し,いわゆるコマンド技は存在しない。さらに,ガードには立ちとしゃがみの区分けが存在せず,ガードを崩す方法は「投げ」(密着して方向キー+Aボタン)のみとなる。
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本当にこれで格闘ゲームが成立するのかと不安になるレベルのシンプルさだが,実際に遊んでみると思った以上にしっかりと対戦を楽しめた。
先に取り上げたとおり,本作ではガードを崩す手段が「投げ」しかないのだが,そもそも本作では投げがかなり強い。どうやら発生が極めて早いようで,密着状態では投げが強力な選択肢として機能する。
ただ,投げのリーチは極めて短い。これを生かすには打撃をかいくぐりながら密着状態を作るか,相手の強力な打撃をガードして有利フレームを取る必要がある。扱い方としては,初期の「ストリートファイターII」や「GUILTY GEAR XX」シリーズの投げに近い。
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もちろん,打撃にも強みはある。通常の打撃は「方向キー+Aボタン」の技(いわゆる必殺技)にキャンセルが可能で,ゲージが溜まっていればそこから超必殺技につなぐこともできる。つまり,打撃は投げに比べてリターンが大きいのだ。
さらに,交代ボタンを長押しするとチームメイトが画面に出現し,同時操作が可能になる。感覚としては「BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE」の“クロスコンボ”に近い。さすがに交代システムを完全には使いこなせなかったが,うまく使えば打撃のリターンを大幅に増やすこともできそうだ。
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こうしたシンプルなシステムのなかで,うまくキャラクターの個性を演出しているのも面白いところだ。弾キャラ,投げキャラ,機動力キャラといったお馴染みの要素を備えたキャラクターはもちろん,画面の半分を覆う特大キャラなど,インパクトのあるものもしっかり用意されている。
操作が簡単なこともあって習得しやすく,会場ではいろいろなキャラクターを使って何度も対戦をしてしまった。新しいキャラクターを練習なしに使って即座に遊べる気軽さは,本作ならではの良さといえる。
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ひととおり遊んでみて,本作は現行対戦格闘ゲームのなかでも,かなり手軽なゲームだと感じられた。操作面でつまづく部分はほぼ存在しないが,格闘ゲームらしい技術介入の余地もあり,ジャンルの基礎を習得するにはもってこいの作品だ。
元になった作品の1つ「ウチュメガファイト」は無料で公開されているので,興味を持った人はまずそちらに触れるのがおすすめ。スマートフォンでも遊べるので,好きなプラットフォームで遊んでみよう。
「劇団カレーライス」公式サイト
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「BitSummit the 13th」公式サイト
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