強く美しい神速の魔女が和風なエフェクトの斬撃で敵を断つ。「魔女ガミ−The Witch of Luludidea−」インプレッション［TGS2025」

　インティ・クリエイツの新作2Dアクションゲーム「魔女ガミ−The Witch of Luludidea−」（Switch2 / Switch / PC）の体験版が，2025年9月25日から9月28日まで開催された東京ゲームショウ2025に出展されていた。Switch2版とSwitch版は10月30日の発売予定で，PC（Steam）版は未定だ。

　魔女・シロハが刀を振るうと，反物を思わせる和のエフェクトが舞い踊る。神速の斬撃「セツナ」で悪夢の世界を駆け抜ける，スピードと強さに酔うプレイを楽しめた。



　本作の主人公は，記憶喪失の魔女・シロハだ。彼女は悪夢と幻想の世界「オルケスグラ」に迷い込んでしまい，その行く手には強大な敵「マジョガミ」たちが立ちはだかる。マジョガミを斬るとシロハの記憶はよみがえり，オルケスグラからの脱出も叶うという。果たしてシロハの過去には何があったのだろうか。



　インティ・クリエイツらしい，横視点の2Dアクションが繰り広げられる本作の大きな特徴は，セツナの爽快感にある。
　セツナは周囲の敵をロックして自動で突進，すれ違いざまに斬りつける。その軌跡には反物を思わせる花模様のエフェクトが舞い，画面は豪華絢爛なものとなるのだ。

　ジャンプでは届かない場所に複数の敵がいても，セツナを使えば敵から敵へと飛び渡っていける。ステージを高速で駆け抜けるスピード感に美しいエフェクトが加わったプレイ感は，実に気持ちがいい。


　もちろんセツナはただの突進技ではなく，戦術的なシステムでもある。シロハと敵の位置関係に応じ，セツナは「ヨコ」「タテ」「ナナメ」という3つの「太刀筋」になる。

　バリアで包まれた敵「呪詛霧」やボスには「弱点角度」があり，太刀筋を合わせて攻撃することでバリアを斬ったり，大ダメージを与えたりできる。
　つまり，敵と戦ううえで攻撃手段を切り替えるのではなく，位置関係が重要になるということだ。もともと2Dアクションゲームは，互いの位置関係が重視されるジャンルだが，セツナと太刀筋のシステムによって，その側面が強化されているというわけだ。

　そして，最大までタメて放つセツナは「三連セツナ」となり，1回で3種の太刀筋による攻撃が可能。三連セツナは，必ず弱点角度を突けるわけだが，タメ中は無防備になってしまう。ボス戦でこそ狙いたい技だが，ボスは攻撃が激しくリスクもより大きくなり，意識するとプレイがスリリングなものとなるのだ。


　セツナが意図的に強く設定されているのもポイントだろう。発動に要するリソース「魔法紙」は敵を通常攻撃で斬ると増加し，セツナで敵を倒すと回復する。雑魚はセツナ＝撃破となるため，画面上に雑魚がいる限りセツナを連発できるということだ。
　次から次へと敵を斬り捨て，高速でステージを突っ走る姿はまるで動画の早回しやRTAのようで，「こんなに強くていいの！？」と驚かされる。


　そして，セツナで「神の星座」ゲージを溜めていくと強化モード「神がかり」が発動可能になる。神がかり中は魔法紙の上限がアップするのに加え，「星神」の歌でセツナがパワーアップする。
　インティ・クリエイツはさまざまな作品でバトルと歌を扱ってきたが，そのこだわりは本作でも健在ということだ。


　紙細工をモチーフとした敵に，影絵を思わせる不穏な背景が加わり，例えるなら“自分で動かせるバトル仕掛け絵本”という印象を受けた。
　スピード感，美しさとコンセプトも明確で，ボスのキャラクターが立っているのもインティ・クリエイツらしく，製品版でどんなボスたちと戦えるか楽しみだ。

東京ゲームショウ2025の会場では，試遊するとノベルティがプレゼントされた

「魔女ガミ−The Witch of Luludidea−」公式サイト