インタビュー
[インタビュー]「Call of Duty: Black Ops 7」発売直前。17年以上,CoDに携わるベテランに作品のアレコレを聞いてきた
戦場を湾岸戦争から近未来へと移し,TreyarchとRaven Softwareの共同で開発が行われている本作。シリーズファンの中で人気が高い「Call of Duty: Black Ops 2」の要素を強く打ち出していることもあり,期待をしている人も多いのではないだろうか。読者の中には,先立って開催されたオープンβテストに参加した人もいることだろう。
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「Call of Duty: Black Ops 7」メディア合同開発者インタビュー。ロケハンを経て制作された,近未来の日本を舞台としたシリーズ最新作に迫る
2025年11月14日の発売に向け,期待が高まる「Call of Duty: Black Ops 7」のメディア合同インタビューをお届けする。開発を手がけるTreyarchのMiles Leslie氏とBeenoxのMarc-Antoine Saindon氏が,実装予定の日本マップについての思いを語った。
業界で20年以上のキャリアを持ち,「Call of Duty」フランチャイズには17年以上も携わるLeslie氏。クリエイターとして,なにより一人のファンとして「Black Ops」シリーズが大好きというLeslie氏にさまざまな話を聞くことができたので,その内容をお届けしたい。
――発売を間近に控えていますが,まずは今の心境を聞かせてください。
Leslie氏:
TGS2025以来,オンラインという形ではありますが,皆さんと再会することができて本当に嬉しく思います。そして,今の率直な気持ちとしては,とにかく興奮しっぱなし。これに尽きますね。発売まで10日しかないのが,今でも本当に信じられません。
開発チームとしては発売後,プレイヤーが本作を楽しんでくれるか,どのような遊び方をしてくれるかを見るのが本当に楽しみですし,我々が考えつかないような,独創的で新しい遊び方を発見してくれるだろうとも思っています。とにかく楽しみで胸がいっぱいです。
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――本作は「CoD: BO2」を彷彿とさせる要素が多く見られますが,どういった経緯や狙いがあるのでしょうか。
Leslie氏:
「CoD: BO2」はファンに愛された作品であると同時に,幅の広いストーリーの構成や,デイビッド・メイソン,ラウル・メネンデスといったキャラクターも大きな魅力です。ただ,すべてを描き切れていなかったとも認識しています。続きを描くのに最適なタイミングなので,ここでカムバックする決断をしました。我々の一番やりたかったことでもありますからね。
ゲームプレイという面から言及すると,もちろんファンが求めているものを我々も知っています。一例を挙げるなら「Peacekeeper」になるでしょう。リリース時のマップも,「Hijacked」「Express」「Raid」など,クラシックなラインナップを用意しています。リリース後のアップデートにもご期待ください。
――FPSシーンが全体的に盛り上がっていますが,その中で「CoD: BO7」に求められている要素,逆に求められていない要素を,どのように捉えていますか。
Leslie氏:
ほかのタイトルや,世の中のさまざまなメディア(注:報道機関ではなく媒体という広義の意味合いだと思われる)に引っ張られないようにする。これが我々のビジョンです。本作は「みんなとつながる」をキーワードに掲げており,いつでもプレイできる,どこでもプレイできる,誰とでもプレイできる,というコンセプトに向かい,チームで制作に取り組みました。
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――過去作と比較して,オープンβテストから製品版への,ゲームバランスを含めた修正対応が早くなっていると感じます。開発体制に変化はありましたか。
Leslie氏:
「CoD: BO6」「CoD: BO7」の開発は,ほぼ同時に進められていました。前作「CoD: BO6」では新たな移動システム「オムニムーブメント」を導入しましたが,「CoD: BO7」は近未来に背景を移しています。「CoD: BO6」で得た教訓を生かしつつ,ファンが重要視するものを本作に取り入れるという目標がありました。
「CoD: BO6」は発売当初から勢いのあるタイトルでした。その勢いのまま本作のリリースを行いたかったので,オープンβテストで得られた経験を,可能な限り早くゲームに反映させたかったのです。また,「CoD: BO6」では多くのことを学びましたし,そうした教訓も多く反映されています。
――オープンβテストでは,どのようなフィードバックが多く寄せられたのでしょうか。
Leslie氏:
マップ「The Forge」内のドアは一例ですが,ほかにもマップ「Toshin」など,ベータ期間中に数々の修正を行いました。ゾンビに関するフィードバックも多く寄せられたので,これらの調整も入れています。我々がデータ上で確認できていることと,プレイヤーからのフィードバックを掛け合わせた,ハイブリッドな調整を重要視しています。
パーク関連も調整を行っており,カテゴリーを移動させたり,2つのパークを合体させるなど,多くの修正を行いました。現時点では,かなりいい調整ができたと考えています。当然ではありますが,今後もバランス調整を含めたアップデートは継続して行いますし,リリース時点からプレイヤーの声に耳を傾けていきます。
――オープンβでプレイできたマップは,動線設計が非常に洗練されている印象でした。とくに注目してほしいマップや,こだわったポイントはありますか。
Leslie氏:
我々としても,オープンβテスト以前や製品版に向けて,どれだけ磨きをかけられるかに取り組んできました。そうした点を感じていただくことができ,本当に嬉しく思います。チームを代表してお礼を述べさせてください。
なお,注目してほしいマップに関してですが……。どのマップも愛情を注いだ我が子と同じような感覚なので,選ぶのが本当に難しいですね(笑)。
ただ,個人的なトップ3を挙げるなら,「Exposure」は本当に好きなマップです。新たなオムニムーブメントの「ウォールジャンプ」を駆使する設計が気に入っています。「Cortex」は閉所恐怖症になるような狭いマップですが,化学施設というロケーションも相まって好きですね。そして「Raid」はクラシックなマップですが,本作からの要素を取り入れて,あの頃の懐かしさと,新しい遊び方が共存するプレイフィールが楽しめます。
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――オープンβテストでは,「グレイブメーカー」(壁を貫通するスナイパーライフルタイプのストリーク)が大きな話題を呼びました。製品版でもインパクトのあるストリークに期待してもいいですか。
Leslie氏:
グレイブメーカーは大きな話題になりましたが,多くのフィードバックも寄せられたので,我々も調整を施しています。爆薬満載の定番「RC-XD」は変わらず楽しいオモチャになることでしょうし,「VTOLウォーシップ」,新ストリーク「ライノ」が,どのように使われるかも期待しています。皆さんの反応が楽しみです。
――本作では,20vs.20のスカーミッシュモードが追加されます。あらためて,どのようなゲームモードなのでしょうか。
Leslie氏:
我々としては,基本的に6vs.6マップはコンペティブ(競技的)なものと考えていますが,ファンからは大きなマップも欲しいとフィードバックがありました。また,本作のキャンペーンで登場する「ウイングスーツ」といったガジェットは,6vs.6に実装するには非現実的ですが,キャンペーンだけに留めるのには惜しい存在です。活躍の機会を与えたいと思いました。
そうした,6vs.6では難しい要素を取り込む意味も含めて,20vs.20モードの導入に至っています。ファンの要望に応えつつ,本作ならではの体験を導入しているので,楽しんでいただければ嬉しいです。また,6vs.6はコンペティブでプレッシャーが大きいという方もいると思いますが,20vs.20のスカーミッシュは比較的気楽にプレイできると思います。息抜きとしてプレイしていただくのにも素晴らしいモードです。
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――FPS初心者や,シリーズ初心者でも本作は楽しめますか。また,どのような点に気を配りましたか。
Leslie氏:
この課題は開発の当初から意識していました。本作が,いかに新たなプレイヤーとの架け橋になるか。「CoD」というフランチャイズとしてはもちろんですが,FPSというジャンル,ひいてはゲームという存在を含めてです。
そうした課題への回答として,あくまでも一例ですが,ゾンビに複数のモードを取り入れました。より多くのプレイヤーにゾンビへ入っていただき,世界を体験してもらうためです。キャンペーンをCo-opでプレイできるようにしたのも取り組みの一環です。
これらの入り口を増やす取り組みに加えて,皆さんのプレイ時間をより価値あるものにすることにも取り組みました。その結果,本作では,どのモードをプレイしても共通の経験値(グローバルXP)が貯まるようになっています。追いつけない,自分のやりたいこととリワードが一致しないというような,「CoD: BO7」というタイトルの括りに留まらず,ゲームそのものに対する忌避感を和らげられたのではないかと思っています。
――グローバルXPについて,もう少し詳しく聞かせてください。
Leslie氏:
基本的にどのモードをプレイしても,共通でXPが入ります。そのため,「マルチをプレイしないと武器がアンロックできない」といった制限は本作にありません。何をプレイしてもリワードにつながるので,「特定の目的のため,一定のモードにこもらざるを得ない」という環境を取っ払ったわけです。より多くの方に,ゲームのすべてを楽しんでもらいたいですね。
――Warzoneを除いても,タイトル内に複数のPvPモードがあります。ほかの要素が絡みつつ,遊び方も変わってくると思うのですが,何を重視して武器バランスの調整を行っていますか。
Leslie氏:
6vs.6でも20vs.20でも共通することとして,各武器のベースラインの統一を最重要視しています。ですが,モードごとに遊び方は変わりますし,マップサイズ,移動手段など,ほかにも多くの要素が影響してきます。まとめた表現になりますが,考え方,勝ち方そのものが変わってしまうわけです。
そのため,武器の調整はあくまでも手段のひとつで,ほかの要素も考慮しつつ調整を施していく必要があります。とくにスカーミッシュはさまざまな要素が絡みますからね。素晴らしい質問をありがとう。
――「CoD: BO2」から復活する武器がありますが,当時を思い出させるような仕上がりになっているのでしょうか。
Leslie氏:
「CoD: BO2」を経験したプレイヤーが本作で復活した武器を手に取った際,真っ先にどういう使い方,遊び方をしていたかを思い出すことになります。そのため,武器が持っていたロール,カラーを変えないように細心の注意を払いました。
もちろん,作品自体が変わっているので調整は行っていますが,その武器を使用した際のコアとなる体験は変えないよう,細かな作業に取り組んでいます。
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――前作「CoD: BO6」のキャンペーンは基本的に一本道の展開でしたが,車を使って自由に移動しながらプレイするマップ(チャプター)が印象的でした。本作のキャンペーンにもこうした要素は入っているのでしょうか。
Leslie氏:
基本的にキャンペーンは一本道の展開になりますが,ストーリーのエピローグにもなるエンドゲーム開放後はかなり遊び方が変わります。プレイヤーはチームを組み,「Avalon」(地中海のマップ)で謎を解き明かしていくことになります。
結論として,伝統的なキャンペーンと,その後のオープンワールド的な体験,双方を味わっていただくことができます。
――4人Co-opキャンペーンの試みは過去作でも登場していましたが,本作で改めて導入した理由を教えてください。
Leslie氏:
大きな理由は2つあります。先にも触れましたが,初心者が本作に入りやすくなるようにするための“入り”の部分というのがひとつ。また,デイビット・メイソンを描き切るという点を考えて,プレイヤーと友人たちで「4人のヒーロー」の物語を楽しんでもらいたかったのです。
彼らの視点を,プレイヤー同士で体験してほしいという願いを込めています。RPGチック,派手なスペクタクルを味わえるシネマティックな展開を,仲間で楽しんでいただけたら嬉しいです。
――日本のファンへ向けてメッセージをお願いします。
Leslie氏:
「Toshin」も登場したオープンβテストは楽しんでいただけましたか? 我々としても,本格的な日本を舞台にしたマップの制作に取り組みましたので,そうしたマップを含め,ゲームを楽しんでいただけていたら嬉しいです。発売後,さらに多くの日本を舞台にしたマップが登場しますので,そちらに触れていただくことも本当に楽しみです。
最後に,皆さんに何よりお伝えしたいのは,今まであまりプレイしなかったモードにも,本作ではチャレンジしてみてほしいということ。本作では経験値の仕様にメスを入れ,特定のモードに集中してプレイする必要をなくしています。
プレイヤーの皆さんそれぞれに「自分にとってのCoD」があるかと思いますが,皆さんの好きなモードを存分に楽しんでいただきつつ,ほかのモードにも寄り道していただけるような作品に仕上がっていると自負しています。「CoD: BO7」を目いっぱい楽しんでください!
――本日はありがとうございました。
2025年11月4日収録
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- ライター:夏上シキ
(C)/TM/(R) 2025 Activision Publishing, Inc. 本製品にはId Softwareからライセンスが供与されたソフトウェアテクノロジー(Id Technology)が含まれます。Id Technology(C) 1999-2025 Id Software, Inc.
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