
プレイレポート
[プレイレポ]令和に蘇った名作SRPG「FFタクティクス」。オリジナル版の雰囲気そのままの“クラシック”と,フルボイス化やUI刷新などが行われた“エンハンスド”を搭載
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本作は,1997年にPlayStation用ソフトとしてリリースされた「ファイナルファンタジータクティクス」(以下,FFタクティクス)の決定版となる作品だ。
ゲーム体験としては,オリジナル版を忠実に再現し,バランスもそのままの「クラシック」と,UIを刷新し,操作性を向上させて遊びやすくした「エンハンスド」の2種類を搭載している。
さらにエンハンスドは,グラフィックスも美しくなっており,キャラクターはフルボイスに。バトル中の会話も追加されており,過去作をプレイしたことのある人も,新鮮な気持ちで遊ぶことができる。
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オリジナル版は30年近く前の作品ということもあり,気になるのは,いま遊んだときの手触り。発売に先駆けメディア向けの試遊会が行われたので,本作のプレイレポートをお届けしよう。
「ファイナルファンタジータクティクス - イヴァリース クロニクルズ」公式サイト
令和の世に蘇った「FFタクティクス」
「FFタクティクス」は,松野泰己氏が生み出した“イヴァリース”という世界を舞台とした,「ファイナルファンタジー」シリーズ初のシミュレーションRPGだ。
ラムザとディリータというふたりの若者を中心として,動乱の時代を生きる人々のありかたや運命,歴史の裏に隠された真実をドラマティックに描き出す奥深いシナリオは,いまでもファンを魅了し続けている。
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今回の試遊では,ステージの「炭鉱都市ゴルランド」に加え,ゲーム冒頭からも自由にプレイできた(プレイ時間は3時間ほど)。なおPC版とNintendo Switch版(携帯ゲーム機モード)が用意されていたので両方を触ってみたが,どちらもプレイは快適であった。
プレイを始める前に,クラシックで流れるオリジナル版とエンハンスドの新オープニングムービーを見比べてみた。
1997年当時,オリジナルの映像を初めて見たときには“とてもリアル”だと感じたものだが,いま見ると,やはり古さを感じてしまう。しかし,これから始まる物語への期待や緊張感を味わえる演出や,グラフィックスの完成度の高さには改めて驚かされた。
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エンハンスドのオープニングは,ディリータたちがチョコボに乗ってオーボンヌ修道院に向かうというオリジナル版と同じ内容を,トゥーンレンダリングを使用した3Dアニメーションで表現している。
オリジナルのオープニングはリアル志向の3DCGだったため,同じ内容でも見えかたはかなり異なるが,どちらも物語の始まりが生き生きと描かれ,これぞ「FFタクティクス」と感じられた。本作を遊ぶときは,ぜひふたつのムービーを見比べてみてほしい。
なおクラシックは,当時のグラフィックの雰囲気をそのままに720p/1080pに対応しているのだが,高解像度のディスプレイで遊ぶと画面が粗く感じてしまうことも。そのかわり,Nintendo Switchの携帯モードでプレイすると,オリジナル感が増して非常にいい感じであった。
原作通りの遊び心地を現行機向けに整えた「クラシック版」
快適に遊べるようにパワーアップした「エンハンスド版」
ここからは,ふたつのバージョンについて述べていこう。
クラシックでは,ステージ「炭鉱都市ゴルランド」をプレイしてみた。画面解像度のHD化やオートセーブ導入など,現行機向けの細かい調整はされているが,戦闘のバランスなどを含め,まさにPlayStation版そのままの感触で遊べる。
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キャラクターやステージのグラフィックス,システムウインドウの遷移,ユニットのカスタム性などを含めたゲームデザインは基本的に変わらない。しかし,そのバランスは繊細で,いま触っても洗練されていると感じた。
少しプレイしただけで,「間違いない! FFタクティクスだ!!」と思ったのだが,次にエンハンスドをプレイしてみると,さらにリッチで遊びやすく整えられていることに驚いた。
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エンハンスドでの変更点および強化されている点を挙げていこう。
まずは“グラフィックスの強化”だ。ドット絵の温かみを維持しつつHD化し,視差や被写界深度を適度に導入し奥行きを演出している。
UIは,画面全体のトーンに調和させたデザインとなっており,操作性も向上した,以前はできなかった“移動”のやり直しが可能になったこと,連戦時の「詰み」を防ぐため,中断・セーブ・編成が可能になったこと,タクティカルビュー,行動順タイムライン表示の追加など,「こうだったらもっと遊びやすい」という要素をバランスよく取り入れている。
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原作者の松野氏がスクリプトを加筆調整し,キャラクターの内面を掘り下げるバトル中の会話が追加されていることにも注目したい。これにより,これまで以上にキャラクター同士の関係性が感じられる仕上がりとなっている。
また大きな追加点として,全編フルボイス対応となったことが挙げられる。ラムザ・ベオルブを立花慎之介さん,妹のアルマ・ベオルブを早見沙織さんが演じるなど,豪華声優陣がこの壮大な物語を,さらに鮮やかに描き出す。
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本作の醍醐味といえば,相手のピッチ(立ち位置)や行動を先読みし,それに基づいて戦術を組み立てるという高い戦略性だ。また,「ファイナルファンタジー」のジョブとアビリティを自由に組み合わせ,自分だけのユニットを構築する楽しさも魅力である。
例えば,白魔道士に黒魔法を使わせたり,逆に黒魔道士に白魔法を習得させたりと,戦術にあわせてユニットをカスタムすることで,より自分好みのバトルスタイルを練り上げていける。
チャージや召喚など長い詠唱のあるアビリティの調整も施され,バトルバランスも向上。難度はカジュアル,スタンダード,タクティカルの3段階から選択可能となり,さらにプレイヤーに寄り添った仕様となった。
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物語のあらすじを振り返るデータベース“紀行録”,武器の依存ステータスや育成の仕組みを丁寧に解説する“戦術指南”などの初心者サポートも手厚くなった。
戦術指南で「短剣の攻撃力はスピードのパラメータに依存する」などの情報を参照すれば,ユニットの装備や育てかたの指針を定めるのに役立つ。
また「情勢図」の機能により,複雑な物語の展開を俯瞰的に確認できるようになった。これらが分かりやすくデータ化されたことにより,少々難解であった世界観や物語を,深く理解し味わうことが容易になっているのだ。
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個人的に注目してほしいのが,オリジナルでもブレイブストーリーでチュートリアルを担当してくれたダーラボンが,今回も同じく登場している点だ。
もちろん,彼にも声が付いている。話術士が使うアクションアビリティ「ダーラボンのまね」が敵を眠らせる効果を持つことに納得できるような,おっとりと優しい声なので,ぜひぜひ聞いてほしい。
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オリジナル版を当時のままに楽しめるクラシックと,“今遊ぶためのゲーム”に最適化されているエンハンスドは,どちらも良さがあるので,各々が「FFタクティクス」に求めるものに合わせて選ぶとよさそうだ。
なお試遊会に同行していた50過ぎの編集者は,「エンハンスドの変更点は,ライト層だけでなく“当時オリジナル版を遊んでいたが,最近は加齢などによって難度が高いゲームを遊ぶのがつらくなってきた中高年”にも嬉しい仕様だ」と話していた。
筆者は,製品版をエンハンスドで進めようと思っているが,クラシックはアーカイブ的な位置づけとしても非常にありがたく,どちらも収録されていて良かったと感じている。
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約30年の時を経て,さらに洗練され蘇った「ファイナルファンタジータクティクス - イヴァリース クロニクルズ」。初めて「FFタクティクス」を知る人にも,かつて「FFタクティクス」を遊び倒した人にもおすすめしたい。驚きと,時間を忘れ没頭する楽しさを味わわせてくれるだろう。
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「ファイナルファンタジータクティクス - イヴァリース クロニクルズ」公式サイト
※ゲーム画面はすべて開発中のものです。内容・仕様は予告なく変更する場合があります- 関連タイトル:
ファイナルファンタジータクティクス - イヴァリース クロニクルズ
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- ライター:内藤ハサミ

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