
インタビュー
球技バトルアクション「BAKUDO」の世界では,あらゆる揉めごとを球技バトルで解決する。開発者が語る,遊びと設定におけるこだわり[BitSummit]
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本作は,学園SFとボールスポーツを組み合わせたボスバトルアクションゲームとして開発されているタイトルだ。ドッジボールをベースにした個性的なプレイフィールはこちらの記事でもお伝えしたとおりだが,今回BitSummitの会場で,SAYIL GAMESの開発チームにインタビューする機会を得た。本稿ではその内容をお届けしよう。
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4Gamer:
本日はよろしくお願いします。「BAKUDO」はドッジボールやバレーボールといったボールスポーツをモチーフにしたバトルが特徴的ですが,このアイデアはどうやって生まれたのでしょうか。
アーサー氏:
最初にインスピレーションを得たのは,マンガ「銃夢」を原作とした映画「アリータ:バトル・エンジェル」です。その映画では,サーキットでボールを奪い合うモーターボールという競技を行うシーンがあるんですが,それを見て「BAKUDO」のアイデアが生まれました。
基本的にはドッジボールをベースにしつつ,ほかの球技の要素を入れています。現時点では詳しくお話しできないんですが,BitSummitの試遊で体験できたバレーボール的な要素以外にも,さまざまな球技のエッセンスを取り入れる予定です。
4Gamer:
敵の投球モーションを見切ってキャッチしたり,回避したりしながら戦っていく高難度のボスバトルというコンセプトも企画の初期段階で決まっていたのでしょうか。
アーサー氏:
ゲームを作る前からボスバトルというコンセプトでいくのは決まっていました。
私たちが最もこだわっているのは,「なるべくテキストでヒントを与えずに,敵の行動などからユーザーにヒントを与えて学習してもらう」ということです。敵の攻撃モーションや反応を見ながら,次の対応をユーザー自身で考えて決めてもらう。この部分を大切にして敵のモーションやギミックを作っています。
4Gamer:
確かにゲームのほうで説明され過ぎると「やらされている感」が出てしまいますよね。
アーサー氏:
えぇ。なかなか作り手としては難しい部分なのですが,わざと投擲モーションを大げさにするなど,敵に分かりやすい動きを入れることで,ユーザーが学びやすいようにしています。
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4Gamer:
試遊版はバトルにフィーチャーした内容になっていましたが,製品版でもボスとのバトルを繰り返していく形になるのでしょうか。
アーサー氏:
いえ,ボスバトルをただ繰り返すだけではなく,しっかりしたストーリーモードを用意する予定です。基本的には物語を楽しみながら,バトルも楽しめるという作りになっています。
4Gamer:
どのような物語が展開されるのでしょうか。
アーサー氏:
その前にBAKUDOの世界設定について説明させてください。本作の設定はかなり独特で,球技バトルを中心に世界が回っているんです。
たとえば,我々の世界ではヤンキーが揉めた場合,拳と拳を交えて喧嘩をしますよね。しかし,BAKUDOの世界では,「揉めごとはすべて球技バトルで解決する」という考え方を皆が持っていて,暴力で解決するようなことを絶対にしないんです。
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4Gamer:
何でもカードバトルで解決するカードゲームアニメみたいな。
アーサー氏:
そうですそうです(笑)。我々がスマートフォンを持つような感覚で皆が当たり前にボールを持ち運んでいますし,バッグも当たり前のようにボールが収納できる形をしています。ユーザーが「BAKUDO」の世界に没入できるようにそういった設定部分を本当に細かく作っているんです。
ストーリーは王道の学園モノになる予定で,主人公のユリアを操作して学園を探索したり,ライバルであるボスと戦ったりしながら,学園の仲間と絆を深め合い,最終的には学園の裏に隠された陰謀を暴いていくことになります。
4Gamer:
探索要素もあるんですか。
アーサー氏:
はい。学園にはメインストーリー以外にも,かつて戦ったボスとユリアのあいだに友情が芽生えるストーリーなどを描くサイドストーリーが用意されており,プレイすることでより深く物語を楽しめるようになっています。
また,サイドストーリーをクリアするとユリアのパラメータが上がったり,新たな装備が手に入ったりするので,アクションがあまり得意でないという人はサイドストーリーを遊んでから,メインストーリーに挑むとクリアのハードルを下げられるようになっています。
逆に腕に自身のある人やボスバトルをとことん楽しみたい人は,サイドストーリーをプレイせずにボスに挑むこともできますし,ランキング機能で全世界のプレイヤーとボスのクリア時間を競い合えるようにする予定です。
4Gamer:
さまざまな楽しみ方ができるようになっていると。
アーサー氏:
はい。ただ装備品については,「キャッチングでパーフェクト判定をとらなくてもBAKUDOゲージが削れていくというメリットを持つが,BAKUDOゲージそのものが少なくなる」とか,「二段ジャンプができるようになるが,何かしらのパラメータにマイナス補正がかかる」といった風に,何かしらのメリットとデメリットを共存させ,選択する意味を持たせたいと思っています。
4Gamer:
そのほかに今後実装予定の要素などはありますか。
アーサー氏:
そうですね……。まだ詳しい情報は申し上げられないんですが,今後発表していくボスは1体1体にかなり力を入れて調整しています。それぞれが強い個性を持っているので,違うボスに挑むたびに新鮮な体験が得られると思いますので,続報を楽しみにしていただければと思います。
4Gamer:
ありがとうございます。最後に読者へ向けてメッセージをお願いできますか。
アーサー氏:
「BAKUDO」は,私たちSAYIL GAMESが手がける初のタイトルなのですが,発表以来さまざまなところから熱烈な反響をいただいて嬉しいかぎりです。
ストーリー,ビジュアル,ボールスポーツに興味のある方は必ず楽しんでいただけると思います。完成までにはもう少し時間がかかりますが,これからもSNSなどをフォローしていただいて,見守っていただければと思います。
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「BAKUDO」公式サイト
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