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パラドゲーとは何ぞや? 徳岡正肇氏が徹底解説したステージイベント「Paradoxの全て」をレポート[TGS2025]
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印刷2025/09/28 11:37

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パラドゲーとは何ぞや? 徳岡正肇氏が徹底解説したステージイベント「Paradoxの全て」をレポート[TGS2025]

 東京ゲームショウ2025の4Gamer.netブースにて,徳岡正肇氏によるステージイベント「Paradoxの全て」が行われた。MCはお馴染み声優の磯村知美さんだ。
 このイベントでは,徳岡正肇氏がParadox Interactiveの歴史やゲームを説明しつつ,「Europa Universalis V」や「Stellaris」の最新DLC「Shadows of the Shroud」,「Crusader Kings III」の最新DLC「All Under Heaven」を紹介した。

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磯村知美さん
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徳岡正肇氏

 Paradox Interactiveは1999年に設立された,スウェーデンを本拠地とするゲーム会社だ。グランドストラテジーというゲームジャンルで知られる。
 グランドストラテジーとは基本的には戦争をテーマにしつつ,国家運営(政治,経済,外交)の要素を含むゲームジャンルだ。また,Paradoxのゲームはどんな小国でも選んでゲームを始められる。歴史を題材にしたタイトルが多いため,スタート時の状態が平等でない。

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 グランドストラテジーは「なにをすれば勝ちなのか」がよく分からないゲームでもある。徳岡氏はCrusader Kingsのマニュアルに「このゲームには,我々の歴史がそうであるように,勝者はいません。しかし我々の歴史がそうであるように,明確な敗者はいます。断絶してしまった家です」と書いてあったと紹介した。

 徳岡氏は「パラドゲーは世界征服したとしても,クリア画面がでるわけでもなく,終了年がくれば『ゲーム終了』と出てあっさり終わる」と説明する。つまり,ゲームとして明確な勝利条件がないのだ。

 勝とう(この場合の勝つとは,相手を滅ぼすだとか世界征服だとか)と思うから難しいのであって,自分で目標を作ってそれを達成していくゲームだと,とたんに楽しめるようになると徳岡氏は語る。

 例えば,第二次世界大戦をテーマにした「Hearts of Iron」シリーズで,ポーランドを選び,ドイツに滅ぼされないようにしたり,「Europa Universalis」シリーズでインカ帝国を選び,スペインに滅ぼされないようにしたりと,敵を滅ぼすこと以外を目標にする遊び方もあるわけである。そのあたりを許容するゲーム性がParadoxのゲームの魅力だ。

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[2010/06/11 20:01]

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[2008/04/08 19:05]

 その魅力を紹介したところで話題は日本でのParadox Interactiveに移る。2001年の「Europa Universalis II」,2003年の「Victoria: An Empire Under the Sun」,2004年の「Crusader Kings」,2005年の「Herats of Iron II」で,人気を博し,「パラドゲー」として知られ,愛好家を生むことになったという。

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 Paradoxはいわゆるパラドゲーばかり作っている会社と思っている人も多いかもしれないが,実はそれだけではないと徳岡氏は語る。インディーゲームのパブリッシングも行っており,2011年にリリースされた「Magicka」は100万本を超えるヒット作に,2008年にリリースされた「Mount and Blade」は日本のファンも多い。今ほどインディーゲームがブームとなっていない時代に,インディーゲームを支援していたのだから,時代の先端を走っているといえる。
 余談だが,「Magicka」のクリエイターはのちに「Vallheim」を開発している。

 また,2006年にはゲームのダウンロード販売「GamersGate」を公開。日本語に対応していないため,日本人にはあまり馴染みがないかもしれないが,当時のコアなゲーマーは利用していたという。かくいう徳岡氏もパラドゲーの拡張パックをここで購入したのだとか。

 続いては「パラドゲー」の代表作が紹介された。

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●Crusader Kingsシリーズ
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 本作では,800年〜1066年頃のノルマン・コンクエストから1453年のコンスタンチノーブル陥落までが描かれる。国家ではなく“家”を采配するゲームとなっており,家をいかにはん栄させ,断絶を免れるかが目標になっている。

 この家とは,日本の大名でいうところの織田家や徳川家といったもの。それぞれの王に仕えている男爵家を選べるのである。最初のシリーズではヨーロッパ周辺だけだったが,徐々に拡張され「Crusader Kings III」の最新DLC「All Under Heaven」では日本や東南アジア全域が導入されている。

●Europa Universalisシリーズ
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 「普遍的なヨーロッパ」を意味するラテン語がタイトルとなっている。そのことからも分かるとおり,欧州を中心とした拡張主義が描かれている。だいたい1400年ごろから1800年ごろまでの全世界が舞台で,ヨーロッパが世界に向けて拡大していく時代となっている。

●Victoriaシリーズ
 おおよそ1836年から1936年くらいまでを描く,帝国主義が華やかりし時代の全世界を舞台としたゲームだ。いわゆる「Pax Britanica(英国の平和)」の時代で,イギリスが圧倒的に強い。Victoriaシリーズは続編がなかなかリリースされなかったことが一部で有名だったそうで,公式でもネタにされていたとか。

●Hearts of Ironシリーズ
 1936年から1948年までの第二次世界大戦が背景とするシリーズ作品。世界全体を舞台に,文字どおり世界大戦が描かれる。ほかのシリーズよりも圧倒的に戦争がゲームの中心となっており,日本においてもファンが多いシリーズだ。

●Stellaris
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 宇宙を舞台としたグランドストラテジー。さまざまな種族が宇宙の覇権を巡って争うが,戦いは必ずしも戦争に限らないのが特徴だ。自分で種族を作ることもでき,自由度は高い。また,ほかのシリーズは世界(地球上)を舞台にしているため,ほぼ既知の地図だが,舞台となる銀河は未知の領域が多く,探索要素もある。最新のDLC「Shadows of the Shroud」がリリースされたばかりで,パラドゲー初心者にもおすすめ。

●Cities: Skylinesシリーズ
 フィンランドのColossal Orderが手掛けるシリーズ。都市を運営するシティビルダーゲームで,その面白さは奇をてらうことなく,細部までこだわって作っている。ModやDLCでジオラマを作るゲームとしても楽しめるとのことだ。

 最後にパラドゲーの新作が紹介された。

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●Europa Universalis V

 1337年の100年戦争開始から1837年のヴィクトリア女王戴冠までが描かれるシリーズ最新作。徳岡氏いわく遊びやすくなりつつも,難しくなっているとのこと。各種要素をAIに委任でき,ゲームを部分ごとに理解していけるのではないかと説明していた。

●Stellaris: Shadow of the Shroud
 Stellarisの最新DLCで,超能力が大幅に拡張されている。強力な攻撃といった表現ではなく,Stellarisの宇宙とは別レイヤーとして存在する超能力世界への接触と探索が可能になった。
 「もし人々が突然超能力に目覚めたら社会はどうなるか」を再現するイベントがあり,超能力が存在する世界のifなどを描いている。

●Crusader Kings III: All Under Heaven
 Crusader Kings IIIの最新DLCで,中国まで拡張されていたCK3の世界が,日本と東南アジアにまで広がる。舞台は800年〜1453年までなので,平安時代も選択できる。藤原道長や平清盛になって,藤原氏や平家のifを楽しもう。
 日本や東南アジアにおける,特有の社会制度をゲームシステムに取り込んでおり,パラドゲー的な解釈も楽しめる。

 今回のステージイベントの内容は以上となる。Paradox Interactiveの歴史から始まり,パラドゲーの説明,最新作の紹介など,たっぷりの内容を楽しめた。

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  • 関連タイトル:

    Europa Universalis V

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