
プレイレポート
[プレイレポ]個性派STG「まものろKAI! 〜まもるクンは呪われてしまった!〜」は,可愛らしいキャラクターとポップな楽曲,そしてユニークなシステムが楽しい
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多方向への移動と攻撃が可能な任意スクロール型のシューティングで,あえて敵を強化することで高得点を狙ったり,自分を一定時間強化する「呪い」システムを活用したりして,妖怪たちと戦っていくのだ。
発売に先駆け試遊する機会を得たので,そのプレイレポートをお届けする。
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「まものろKAI! 〜まもるクンは呪われてしまった!〜」公式サイト
「まものろ」の愛称で親しまれてきた「まもるクンは呪われてしまった!」は,2009年にXbox 360,2011年にはPS3に移植もされているので,シューティングゲーム好きであれば覚えている人もいるだろう。
タイトルの頭に“まものろKAI!”が追加された本作は,過去の移植版で追加されたモードやDLCキャラクター,コスチュームを収録し,改良も行った決定版ともいえる内容となっている。
![]() PS3版の初回購入特典だった追加コスチュームも収録。キャラクターごとにON/OFFを設定可能だ |
追加収録されているのは,キャラクターの物語を楽しめる「ストーリー」モードや,お題ごとに分けられたコースを遊ぶ「冥界活劇」モード,そしてDLCキャラクターの「鬼怒川のわ」「鳴神ルキノ」,初回特典だった追加コスチュームだ。
さらにストーリーは16:9のワイド画面に対応し,新要素としてキャラクターがいつでも交代できるようになった。
また右スティックでショット方向を決められる「ツインスティックモード」では,さらに「全方位モード」にする事で後方にも攻撃が可能に。ファンはもちろん,今から「まものろ」を遊ぶ人にもうれしい内容といえるだろう。
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本作の物語は,冥界の危機を救うため召還された主人公たちが,闇の世界の影響を受けた住人たちを浄化していくというもの。
シューティングゲームながらキャラクター性が高いのも特徴だ。負けず嫌いな知花まもる,物静かでマイペースな深雪マユノ,関西弁の自由人である西風キンヤ,順応性の高い優等生の日向寺ベニ子,「旋光の輪舞」からのゲストである鳴神ルキノ,彼らを召喚した冥界の巫女だが幼く空回りしがちな地獄谷ふるる,ふるるとは犬猿の仲である鬼怒川のわといった個性派たちが登場する。
ステージクリアの際には,彼らの様子を描いたイラストを見られるほか,ストーリーでは漫画のようなデモや愉快な掛け合いを楽しむこともできるのだ。
![]() 知花まもる |
![]() 深雪マユノ |
![]() 西風キンヤ |
![]() 日向寺ベニ子 |
![]() 鳴神ルキノ |
![]() 地獄谷ふるる |
![]() 鬼怒川のわ |
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ゲームの基本ルールは,ショット(弾)を撃って敵を倒し,出現したパワーアップアイテムを集めて,ともに攻撃してくれるオプションを得て火力を上げていくというもの。ステージ終点に待ち受けているボスを倒せばステージクリアだ。
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全体的にリスク&リターンの考え方がフィーチャーされており,システムを理解すると高得点狙いがより楽しくなる。その例のひとつが,主人公を自分で歩かせる任意スクロール型に「活動時間(制限時間)」のシステムが組み合わされているところだ。
シューティングゲームといえば,自動的に飛んでいく強制スクロール型を思い浮かべる人も多いと思うが,本作は自分で主人公たちを歩かせ,ゴールを目指さなければならない。
途中で足を止め,道中の敵を慎重に倒したり,マップのあちこちにある分岐のどちらに進むかを悩んだりすることになるのだが,この活動時間によってあまりゆっくりもしていられない。
活動時間がゼロになると倒せない敵が出現するほか,ステージをクリアできても残り時間が少なければバッドエンドに分岐するからだ。
急げばリスクは増すが,バッドエンドを避けられるというリターンを得られる。急ぐと同時に,やられないよう慎重でもなければならないという二律背反が面白い。
![]() 後半ステージにはトラップが仕掛けられており,地面からの針に触れるとアウトとなる。針が下がったところを走り抜ける必要があり,この辺りは任意スクロール型ならではのスリルを味わえる |
そして,もうひとつのリスク&リターンは,攻防両面に使える「呪い弾」による呪いシステムがもたらす独特の戦術性だ。呪い弾は,タメずに撃つ「弱呪い弾」,タメて撃つ「強呪い弾」の2種があり,上手く使い分ける必要がある。
弱呪い弾は,敵を強化するリスクの代わりに,高得点を得られるといったメリットがある。着弾点には円形の「呪い陣」が一定時間設置され,ここを通過した小型敵には呪いがかかる。呪われた小型敵は強烈な攻撃をしたり,スピードが上がったりしてなかなかに危険なのだが,撃破できれば小型敵と放った弾がボーナスアイテムの「金平糖」に変化する。
敵を強くして弾を撃たせるリスクを冒せば,金平糖というリターンが得られるわけだ。
![]() 収録されたインストラクションカードから,呪いシステムの概要を確認できる |
![]() 画面中央に広がる円形のフィールドが,「弱呪い弾」の着弾点に展開した「呪い陣」。呪い弾の発動時は敵弾を消してくれるが,呪い陣が展開している最中は呪い弾を使えないため,敵の攻撃を避けるしかない危険な状態でもある。つまり呪い弾は,ボムであると同時に得点稼ぎのツールとして活用できる |
強呪い弾は,大型敵の身体に食い込んでデバフ効果を発揮する特殊弾といったところだろうか。発射すると小型敵を貫通して飛び,大型敵に当たると憑りついて呪う。
効果中は敵の攻撃が強化されるものの,同時にダメージを与え続けてくれる。面白いのが,大型の敵に強呪い弾を当てると,その場に呪い陣が展開し,移動に伴って動くという性質にある。
大きく動くボスやそのパーツに強呪い弾を当てれば,周囲の小型敵も呪われていく。そして,呪われた敵を倒せば,本体や弾が金平糖になる。呪われている間にトドメを刺したり,小型敵を巻き込めるように強呪い弾を撃ち込めれば,高得点のチャンスがやってくるわけである。
![]() 画面中央上,目玉のような大型敵は「強呪い弾」がヒットした状態。敵を呪う時間はタメ時間に比例して延びるが,効果時間中は呪い弾による弾消しができない。ここにもリスク&リターンの考え方が現れている |
呪い弾は発動時に敵弾を消す効果を持つため,防御にも使える。ただし,弱・強どちらの呪い弾も効果が切れるまでは次の一発を撃てないため,連打して常時弾を消し続けるようなことは不可能である。
そのためボス戦で強呪い弾を撃つタイミングは重要で,何も考えずにぶっ放すだけでは,激しくなった敵の攻撃に追い詰められてしまったりもする。本当にここで撃っていいのかを考えつつ戦わなければならないわけだ。
とくに面白いのが,弱呪い弾の呪い陣に踏み込んで自分を呪えるというフィーチャーである。呪われるとショットが一定時間強化されるのに加え,オプションが敵に取り付いて攻撃したり,自動で狙ってくれたりと戦闘力がアップする。
しかし,これはドーピングのようなもの。効果が切れるとパワーダウンしてしまうため,攻撃の激しいステージで安易に自分を呪うと危険を招きかねないのである。
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![]() キンヤのショットは扇状に広がる(上写真)。呪い陣を踏んで自らを呪うと,12方位への高速連射が可能となるが,呪いの効果が切れるとパワーダウンする(下写真) |
このように,本作では随所にリスク&リターンの考え方が取り入れられている。急ぐと活動時間を多く残せてバッドエンドを回避できるが,その分ミスの危険が増す。
敵を呪うと高得点のチャンスになるが,攻撃も激しくなる。自分を呪うと一定時間パワーアップできるが,切れると弱くなってしまう……といった塩梅で,なかなかに特徴的だ。
呪い関連のシステムは複雑に感じられるかも知れない。そんな時は,「アーケード」モードのチュートリアルをプレイして概要を掴み,常に最大パワー+自分を呪った後のパワーダウンがない「ストーリー」モードをつまみつつ,活動時間によるバッドエンドがシンプルな時間制限になった「冥界活劇」モードをプレイ。そして再び「アーケード」モードに戻ることで,本作の楽しさを段階的に理解することができるだろう。
中でも覚えてほしいのが,弱呪い弾の使い方だ。上手くいけば画面にたくさんの金平糖が躍ってとても爽快である。そのためには,小型敵グループの通り道に呪い陣を置くという,位置とタイミングの記憶が重要であり,繰り返して覚えるのはシューティングらしい遊び方といえるだろう。
まずは,たむろしている敵集団の前や,小型敵を生み出す敵の近くに呪い陣を置くところから始めてみてほしい。
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オリジナル版は17年前のゲームだが,リスク&リターンをフィーチャーしたゲームデザイン,様々に使える呪い弾,自機を人間として自分で歩かせ,マンガ風のデモも用意するといったキャラクター性の強調などの取り組みにより,現在プレイしても楽しめるゲームとなっている。
「ストーリー」モードにおいてはステージを進めても残機は回復せず,セーブも行われる点はこれまでと同様だ。残機が1人だけの状態で最終面にたどり着くと猛攻に晒され,倒されてロードしても再び残機1からスタートする。
様々なモードを渡り歩きつつ腕を上げていき,ニューゲームを始めれば良いのだが,仕組みを理解していないうちは戸惑うかも知れない。
![]() 「冥界活劇」モードには,趣向を凝らしたステージが用意されている。こちらは倒した相手が打ち返し弾を放ってくるというもので,宝箱も例外ではない |
![]() 通常は活動時間切れになると出現する「魂葬神」に追われながら戦うステージもある。魂葬神は無敵なので,なんとかかわさなければならない |
今回,旧版にあった右での攻撃(発射)に全方位モードも追加されている。これにより,プレイがより直感的に楽しめるようになった。
また,「冥界活劇」モードではコースの開始ステージを選ぶことも可能に。楽曲はオリジナルとアレンジを自由に選ぶことができるなど,細かな点も変更が加えられており,オリジナル版を遊んでいた人も新鮮な気持ちで遊べるだろう。
可愛らしいキャラクターや明るい楽曲に惹かれた人はもちろん,「冥界活劇」モードの中には非常に難度が高いものもあるため,やり応えのあるシューティングを求めている人にもプレイしてほしい作品だ。
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![]() BGMの視聴モード(上写真)に加え,ゲーム中の楽曲は場面ごとに設定できる(下写真) |
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![]() アーケード版の稼働イベントで配布されたガイドブックも収録されている |
![]() ボスの設定資料も見られる |
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「まものろKAI! 〜まもるクンは呪われてしまった!〜」公式サイト
- 関連タイトル:
まものろKAI! 〜まもるクンは呪われてしまった!〜
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- CERO B:12歳以上対象
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- ファンタジー
- プレイ人数:1人
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- Xbox Series X|S:まものろKAI! 〜まもるクンは呪われてしまった!〜
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- ライター:箭本進一

(C)2008-2025 G.rev LTD. / Developed and Published by 2025 CITY CONNECTION CO., LTD.
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