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イシイジロウ氏の「渋谷実写アドベンチャープロジェクト」記者会見レポート。タイトルは「渋谷スクランブルストーリーズ」に決定
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印刷2025/06/30 14:16

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イシイジロウ氏の「渋谷実写アドベンチャープロジェクト」記者会見レポート。タイトルは「渋谷スクランブルストーリーズ」に決定

 ストーリーテリングは2025年6月28日,同社代表のイシイジロウ氏が総監督として企画中の「渋谷実写アドベンチャープロジェクト」の進捗を報告する緊急記者会見を,東京渋谷のShibuya Sakura Stageで開催した。
 会場には同プロジェクトで“共犯者”と呼ばれるクラウドファンディング出資者の中から,抽選で選ばれた60名が来場し,プロジェクトの進捗や新情報に耳を傾けた。本稿ではその模様をレポートする。

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「うぶごえ」渋谷実写アドベンチャープロジェクト クラウドファンディング



「渋谷実写アドベンチャープロジェクト」総監督のイシイジロウ氏
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 「渋谷実写アドベンチャープロジェクト」は総監督にイシイジロウ氏,脚本に北島行徳氏を据え,渋谷を舞台とした実写のアドベンチャーゲームを開発・発売するプロジェクトだ。
 渋谷を舞台としたアドベンチャーゲームというと,「サウンドノベル 街」(1998年)や「428 封鎖された渋谷で」(2008年)といった名作がある。今回のプロジェクトではこの2作品に直接関わりはないものの,その系譜を汲んだ完全新作のゲームタイトルの発売を目指し,それを実現するためのプロトタイプ制作の資金を,クラウドファンディングで調達している。

 会見には総監督のイシイ氏,脚本の北島氏,本作に出演予定の俳優,あらい正和さん北上史欧さんが登壇した。

左から,あらい正和さん,北上史欧さん,北島行徳氏
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 クラファンはこの会見の時点で出資者が2021人,出資総額が目標金額500万円を大きく超える3千300万円超(達成率660%)となっていて,現在も出資額は増えている。

 イシイ氏はさらなる進捗として,クラファンの動向を見たある企業から新たな支援の申し出があったことも報告した。こちらは現在交渉中で,その交渉がまとまれば,いよいよ開発が決定になるかもしれないとのこと。
 本来ならこの場でそれを発表したかったが,契約の関係で叶わず,イシイ氏の想定では7月13日にはその内容を発表できるだろうとのことだ。

 ただしこの支援については,パブリッシング契約などではなく,あくまでクラファンと同様の応援支援だということも付け加えていた。
 当プロジェクトはイシイ氏らが作りたい,そして出資者が欲しい作品を自由に作るという内容なので,権利を買ってもらう代わりに内容が制限されてしまう事態にはならないよう,慎重に交渉を進めているそうだ。

 気になる本作の正式タイトルは,「渋谷スクランブルストーリーズ」となることが発表された。これは,クラファンのコースにある「ゲームタイトル命名投票権」を選んだ出資者から募集した,1569件のアイデアのから実際に選ばれたものだ。
 タイトル案は会場にも招待されていた出資者の“ぱんちょす”さんが考案した「渋谷スクランブルストーリー」で,そこに複数形の「ズ」を追加したものとなる。

出演者,スタッフの動画とともに披露された「渋谷スクランブルストーリーズ」のタイトルロゴ
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 北島氏によると,イシイ氏はタイトルには「渋谷」と「スクランブル(交差点)」というワードは必ず入れたいと考えていたそうで,「誰が見てもどういう作品なのか分かる。イシイさんが付けたかったタイトルとドンピシャで,運命的なものを感じた」と絶賛。
 北上さんは,「スクランブル交差点でいろんな物語が交錯して,人の交わりが化学反応を起こす様子を想起させると思いました」と評している。
 既にタイトルロゴも完成していて,このデザインはイラストレーターの箕星太朗氏が手がけている。


 ここで新たな出演者も発表となった。その人物は,天野浩成さん中村悠斗さん。2人は北上さんと同様,「428」にも主役として出演していて,本作にも引き続き出演することが決定した。

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天野浩成さん。「428」では刑事の「加納慎也」を演じている。壇上ではボケとツッコミを交えた“天野節”が炸裂し,来場者に大ウケだった
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中村悠斗さん。「428」では「遠藤亜智」役で出演。2019年開催の「428」10周年イベントではその体型が話題となったが,今回の出演依頼にあたり身体を絞ったそう

本作の主題歌を歌唱予定の上木彩矢さん。イベント直前に怪我をされたそうで,車いすでの登壇となった
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 さらなるサプライズとして発表されたのが,本作の主題歌をミュージシャンの上木彩矢さんが歌唱するということ。上木さんもやはり「428」で主題歌「世界はそれでも変わりはしない」を歌っていて,PVには天野さんと中村さんも出演している。
 壇上ではPV撮影の裏話も語られた。気になる人は会見のアーカイブをご覧いただきたい。

 今回のオファーに際し,イシイ氏は主にSNSのDMを使って本人と直接連絡を取ったとのこと。事務所の窓口に連絡をしたとしても,クラファンが絡んでいたりすると返信がないことがあるため,SNSで直接本人に連絡することにしたのだそう。
 上木さんも普段は見ないDMをたまたま見たところ,イシイ氏からの連絡があって,そのオファーにOKしたそうだ。

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 正式タイトルとロゴの発表にあたり,クラファンには新たなコースが追加されている。ロゴ入りのTシャツやトートバッグ,キーホルダー,缶バッジなどのコースがあり,種類によってはこれまでのコースよりも手軽な額で出資ができるようになった。

ロゴのグッズを用意した新コースを設立。こちらは全グッズのセットで,その他のコースについてはクラファンのページを参照のこと
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中村さんが着用しているのが,ロゴTシャツとは別の「クラウドファンディング特製Tシャツ」。こちらも箕星氏のデザインだ
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 ここからはメディアからの質問に登壇者が回答した。最初に投げかけられたのは「これまでの作品から渋谷という街がだいぶ変わったが,その中でどんな役を演じたいか」という質問。
 全員が過去作での役柄を踏まえ,天野さんは北島氏に「以前は一直線な刑事役でしたけど,今回はどうなるんでしょう?」と尋ねると「あの闇落ちした先輩みたいに,(ご自身が)闇落ちするのはどうです?」という案を提示されると,「そういう役ができる歳になったってことですよね。じゃあ僕は闇落ちします」とそのまま返して来場者を笑わせた。また,その役の「面白いバッドエンドを作ってほしい」ともコメントしていた。

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 中村さんは当時の現場で,実際にセリフをしゃべって演技することが苦手だったことを天野さんと北上さんにいじられ,「(専門用語の多い)弁護士はどう?」「医療従事者は?」という提案にたじろいでいた。
 本人の希望は,若さゆえのエネルギーを前面に出していたキャラクターが大人になって,社会に揉まれて流れに合わせながら生きているが,以前のような熱さを取り戻すような展開に期待したいと答えている。

 あらいさんは,これまでの役者生活で刑事を演じたのは「街」だけだったそうで,今も刑事はあこがれの役だそう。そのため,次の機会も刑事を演じたいとのこと。
 北上さんは中村さんに近く,自身が当時からおじさんになったことにより,一度に落ちぶれた人間が何かに立ち向かって再生していくような展開があれば,面白いのではないかと語っていた。

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 彼らに続く出演者がどうなるのかという質問に,イシイ氏は「SNSで通じる方については(出演交渉を)頑張ってみようと思っております」と答え,全員から「(アプローチするのは)そこだけなんですか(笑)」と突っ込まれていた。
 本作への出演の条件として「過去の出演作を愛されている方」ということを挙げると,あらいさんは「『街』の出演者もほしい」とイシイ氏に懇願。そうしたトークの勢いで,全員が上木さんにも出演のオファーをしていたが,こちらは未定のようだ。

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 新作のキャラクターを設定するうえで,過去作のイメージを踏まえてどう設定するのかという問いに対して,北島氏は「(過去作を)踏襲する人が半分,意外な感じに変わる人が半分」というイメージで考えていると回答。

 ゲーム本編のシステムについての問いには,イシイ氏が「複数人のキャラクターが登場する,大ボリュームの群像劇を目指すことが最大の目標」としつつ,「皆さんがやりたいと思っている,手に馴染んだゲームシステムは大切にしたい」と展望を語った。そこから先については開発が決まってからじっくり考え,過去作と同様,新しい仕組みにも挑戦していきたいと述べていた。

 今回のタイトルロゴ発表の際に登場した着ぐるみキャラクターについての質問に対しては,「着ぐるみ,作りたいですよね」とイシイ氏。簑星氏がデザインしたキャラクターを映像に差し込んだ演出ではあるものの,現代の技術によって進化を遂げている着ぐるみを使った,新しくて面白いキャラクターには挑戦したいと考えているそうだ。

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 最後の質問の「渋谷という街がこの10年で大きく変わって,それが作品にどう影響されるか」に対してイシイ氏は,会場となったShibuya Sakura Stageが「428」ではシーンの一つに登場した雑貨屋があった場所ということを例に挙げ,今後渋谷の象徴になるような新しい場所と,かつての象徴だった昔ながらの場所は本作のテーマとなる部分でもあり,登場キャラクターも渋谷で生きてきた古い世代と,新しい文化を担う世代を織り交ぜていくと語っている。

 最後に登壇者はそれぞれ,「北島さんからそれとなく聞き出した情報によると,めちゃめちゃ面白くなるはず!」(天野さん),「天野さんの言う通り,“おお,なるほど!”と思えるようなことはきっとたくさんある」(中村さん),「今回もしっかりシナリオを読ませていただいて,皆さんに寄り添えるワクワクドキドキするような楽曲を作れたら」(上木さん),「僕としては『街』の出演者として,『428』の出演者と一体どう交わるのかに凄く興味津々です」(あらいさん)とコメント。

 そしてイシイ氏は,「本作は『街』や『428』の続編ではなく,著作権的には完全に独立した作品です」とあらためて述べ,当時と同じスタッフや同じキャストであっても,過去作とは違うものだということを強調する。本作がさらに盛り上がれば,過去作にも何かしらの影響を与える力になると信じて,本作に取り組むことをアピールした。
 北島氏は,「制作が決定後にシナリオに取りかかる予定で,そこから1年ぐらいかけてじっくり書こうと思っているので,皆さんが遊べるのはもうちょっと先になります。時間をかける分,どんでん返しに次ぐどんでん返しで,笑えて泣けるシナリオを届けたいと思っています」と来場者に向けて約束した。

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 なお本作のクラウドファンディングは,2025年7月28日まで実施中だ。また新規の発表は前述の7月13日のほか,7月18日〜20日に京都のみやこめっせで開催される「BitSummit the 13th」にもスペースが用意され,そこでもイシイ氏が作品について話すとのことなのでお楽しみに。

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 ゲームデザイナー・イシイジロウ氏は2025年6月28日,クラウドファンディングを実施中の「渋谷実写アドベンチャープロジェクト」について,正式タイトルを「シブヤスクランブルストーリーズ」に決定したことを発表した。428の加納慎也役と遠藤亜智役の俳優や,主題歌を担当した歌手の参加も発表されている。

[2025/06/30 11:50]

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