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The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered公式サイトへ
  • Bethesda Softworks
  • 発売日:2025/04/23
  • 価格:通常版:6930円(税込)
    デラックス版:7980円(税込)
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リマスター版で始める「The Elder Scrolls IV: Oblivion」――シリーズ未経験でも安心の冒険ガイド【PR】
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印刷2025/06/24 12:00

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リマスター版で始める「The Elder Scrolls IV: Oblivion」――シリーズ未経験でも安心の冒険ガイド【PR】

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 2025年4月23日に突如として発売され,世界中のゲーマーに驚きをもって迎えられた「The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered」PC / PS5 / Xbox Series X|S。以下,Oblivionリマスター)。本作は,2006年(日本国内版は2007年)に登場したオープンワールドRPGの名作「The Elder Scrolls IV: Oblivion」を,Unreal Engine 5によるビジュアルの再構築やシステムの刷新で現代向けにリビルドされ,さらにオリジナル版のすべての拡張コンテンツを収録した“完全版”とも言えるリマスター作品だ(詳細は[こちら])。

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 2025年4月23日,予告なく突如として発表&配信された「The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered」は,Unreal Engine 5の採用,現代的な操作性の実装,システムの刷新など,オリジナルからの進化は多岐にわたる。約20年の時を経て蘇ったシロディールを見てみよう。

[2025/04/23 12:04]

 そんな本作の発表と反響をきっかけに,「TESシリーズを遊んでみたかったけれど,これまで機会がなかった」という人や「『Skyrim』はプレイしたけれど,それ以前の作品には触れていない」という人,そして今回のOblivionリマスターで,初めてTESシリーズを知った人もいるはずだ。

 本稿ではそうした初めてOblivionやTESシリーズに触れる人たちに向けて,序盤をスムーズに進めるためのプレイガイドをお届けする。
 TESシリーズにおけるOblivionの位置づけやリマスター版の注目ポイント,オリジナル当時の“空気感”などにも触れながらお伝えするので,20年の時を経て甦ったこの名作の魅力を,少しでも感じてもらえれば幸いだ。

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※以下,本文中ではゲームタイトルとしての「The Elder Scrolls IV: Oblivion」および「The Elder Scrolls V: Skyrim」はそれぞれ「Oblivion」「Skyrim」と英語表記で記載し,作中に登場する地域や固有名詞については「オブリビオン」「スカイリム」とカタカナで表記しています

「The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered」公式サイト


【目次】

■The Elder Scrollsとは何かを知ろう
・不動の地位を築いたRPG「TES」を,日本でのシリーズの大きな転換点となったOblivionで振り返る

■シロディール初心者が知っておきたい序盤ガイド
・囚人からどうやって身を立てる?
・まずはキャラクターを作成し,監獄から下水道に入り基本動作を学ぼう
・Oblivionリマスターのレベルアップの仕組みを知ろう
・帝都の下水道を脱出したら,まずは修道院を目指そう
・次はどうしたらいいんだ! お金がない! 迷ったときはここを訪ねてみよう
・自由に作れる自作魔法で魔術師プレイがさらに捗る

■TESの世界と歴史を知ろう
・Skyrimでの血みどろの内戦は,結果的にこの人の死によって引き起こされた!
・そうだ! デイドラ公に会いに行こう!

■オブリビオンの名所めぐり
・シロディールには血の気が足りない? よろしい,ならば闘技場だ
・スカイリムとは違う神秘がここに。幻想的なアイレイドの遺跡へ
・ブルーマに行ってみよう。スカイリムが懐かしい……という人にも刺さるはず
・シロディールに生きる,個性豊かな住人(NPC)に会いに行こう

■最後に
・初めての人も,懐かしい人も。Oblivionリマスターで歩くシロディールの地

※見出しをクリックすると該当の項目に移動します




不動の地位を築いたRPG「TES」を,日本でのシリーズの大きな転換点となったOblivionで振り返る


 まずは初めての冒険者たちのために,The Elder Scrollsシリーズそのものと,オリジナル版Oblivion発売当時の時代背景について,簡単に振り返っておこう。

※簡単に……と言いながらけっこうしっかりな振り返りになったので,ゲームの進め方が気になる人はこちらでスキップし,あとで読み返してほしい

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 TESシリーズは,Bethesda Softworksが手がけるRPG作品だ。プレイヤーは,タムリエルと呼ばれる架空の大陸で囚人状態からゲームをスタートし,各地での探索や戦闘を繰り返しながら,ゲーム中に提示される目的(メインクエスト)の達成を目指す(が,あえて無視しても問題ない)。
 シリーズ1作目は1994年に発売された「The Elder Scrolls: Arena」で,この時点ですでに基本的な世界観や「自由に行動できる」という特徴は確立されていた。続く1996年発売の「The Elder Scrolls II: Daggerfall」以降も,ナンバリング作品やスピンアウト作品が継続的にリリースされたが,当時の日本では発売機会に恵まれず,一部のコアゲーマーの間で話題になる程度だった。

※画像はオリジナル版Oblivion
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 国内の状況が大きく変わったのは,2006年に北米・ヨーロッパで発売され,2007年にPS3とXbox 360で日本語版が登場したオリジナル版のOblivionだった。
 当時はまだ,とくに家庭用ゲーム機のユーザーにとって“洋ゲー”という言葉が今よりも強い意味を持っており,ビジュアルやシステム面が日本のゲーマーの嗜好に合わなかったり,難度の高さが敬遠されたりすることもあった。それでも,「何やらとてつもないRPGが出るらしい」という噂は徐々に広まり,多くの日本のゲーマーの耳に届いていた。

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 かくいう筆者もその噂を聞きつけたひとりのゲーマーだった。
 当時,どれほどの期待を込めてXbox 360版のOblivionを購入したかはさすがに覚えていないが,初めてプレイしたときの衝撃は今でも忘れられない。

 どこまでも3D空間で広がり,自由に移動できる自然豊かなフィールド。少し歩くだけでも次々と現れるダンジョンや集落といったロケーション。話を聞いて回るだけで次々と積み重なっていく大量のクエスト。そして,固有の名前と生活パターンを持つ(※一部の衛兵などを除く)ボイス付きのNPCたち……。あらゆる要素のスケールが,それまで体験したどんなRPGともまったく違っていた

 テーブルや台に置かれた道具や食べ物が,ただの飾りではなく取得できるアイテムであり,しかも所有権まで設定されている――そんな作り込みに気づいたときは,思わず感心すると同時に,少しゾッとしたことも覚えている。

室内のアイテムは“飾り”ではなく,実際に使用したり,書籍なら読んだり,持っていって売ったりすることもできる。今となっては珍しくないかもしれないが,当時は驚いたものだ
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 とはいえ,Oblivionは決して“完全無欠のゲーム”ではなかった。
 剣と魔法のファンタジー世界でありながら,日本人には馴染みの薄い設定や文化が多く,NPCのデザインには当時から賛否があった。レベルアップ周りのシステムも複雑で,なにより「何をしていいか分からない」状態に陥ることが少なくなかったのだ。

 メインストーリーですらクエスト群の一部に過ぎず,どこに行っても何をしてもいい。進める順番も自由……。今でこそオープンワールドゲームの定番となった構造だが,当時はまだまだメジャーではなかった。
 例えば,当時すでに国内でも人気だった「グランド・セフト・オート」シリーズでさえ,マップの各エリアはミッション進行によって徐々に開放されていく仕組みだった。

 つまり,今ほど“自由な遊び”が一般的でなかった時代に,「君の行動に制限はない。好きに動いていい」と言われても,逆に戸惑ってしまうプレイヤーも少なくなかったということだ。

 実際,途中で挫折してしまった人も少なからずいたはず。というのも筆者がそのひとりで,当時はうまく進められずに一度離脱してしまった。
 その後,続編のSkyrimをクリアしたことで世界観やシステムを理解できるようになり,あらためてPC版のOblivionを入手し,ようやく最後までプレイできた――そんなTES歴の持ち主である。

ジャーナルを見ながらマーカーを確認して自分の足でクエストを進める……なんて手順は今では当たり前だが,当時はなじみがないものだった
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 そんな昔を思い返すと,リマスター版で初めてOblivionに触れることができる今のゲーマーが,少しうらやましく思えてくる。当時は戸惑ったプレイスタイルも,今ではむしろ当たり前。Skyrimを経験していれば,世界観の理解もスムーズだろう。
 オリジナル版が“何をすればいいのか分からない”ことすら含めてゲーム体験だったのに対し,今はそうした迷いを感じにくい時代になった。もちろん,当時だからこその新鮮さや驚きもあるが,今の環境は明らかに遊びやすく,Oblivionを勧めやすい時期を迎えていると感じている。

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シロディール初心者が知っておきたい序盤ガイド――囚人からどうやって身を立てる?


 ここからは“本編”として,Oblivion初心者が知っておくと役立つ,序盤のガイドを進めていこう。

 冒頭でお伝えしたとおり,現代のゲームとして遊びやすくなったOblivionリマスターだが,とはいえベースにあるのは約20年前のゲーム。当時よりプレイヤー側の“受け入れ態勢”はできていても,遊びにくさやゲームを把握しにくい部分はやはりある(オリジナル版プレイヤーの筆者も,一部の仕様や操作を忘れていて少し頭を悩ませる場面があった)。

 基本的なゲームの進め方は,さまざまな形で発生するクエストをプレイヤーの任意の順番でこなしていくというもの。行動に大きな制限はなく,重要そうなメインクエストから着手してもいいし,立ち寄った街で身近なトラブルを解決してもいい。あるいは,ふらっと盗賊に占拠された砦に殴り込んで,悪党の身ぐるみを剥ぎ,宝箱を漁る。そんなプレイもOKだ。

 基本的には,自分のやりたいことを思うままに進めていけばいい……のだが,「それが難しい。どうしていいか分からない」となる人も少なくない。
 Oblivionからさらに人気を高めた続編Skyrimをプレイ済みという人も多いと思うが,両者にはシステム面での違いも多く,感覚的に戸惑う部分も出てくるだろう。

クエストを発見したり,次に進めたりする方法は色々あるが,やはり切っ掛けとしては会話が多い。本作では人々に「噂」を聞くと,まだ見ぬクエストを発見しやすいだろう
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まずはキャラクターを作成し,監獄から下水道に入り基本動作を学ぼう


 ゲームは,帝都(帝国首都)の監獄内から始まる。プレイヤーは,そこに収監された囚人として,シロディールと呼ばれるタムリエル大陸中央部の冒険に挑む。

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 まずは自分自身の分身となるキャラクター作成から。種族や見た目を決定し,自分の好みに応じたスタイルを作っていく。
 Skyrimをプレイした人にはおなじみだと思うが,冷気に強いノルドや炎に耐性を持つダークエルフ(ダンマー),猫やトカゲのような見た目をしたカジートやアルゴニアンなど,種族のバリエーションは実に豊かだ。
 このあたりは純粋に自分の好みで選んでOK。種族によって物語が大きく変わることはない。NPCの反応や対応には種族ごとに変化があるので,そうした違いを楽しむのも一興だ。

まずは種族と見た目,そして名前を決める。長い付き合いになるので,こだわりをもって調節してみよう
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 オリジナル版にはなかった新要素として「出自(出生地)」がある。
 例えばノルドなら,スカイリムの「西部」出身であれば持久力が上がる代わりに気力が下がり,「東部」出身ならその逆になる。出生地によってステータスに変化が生じるこの要素は,実用性を重視して選んでもいいし,自分のロールプレイに合わせて選ぶのもアリだろう。

出自はステータスに変化が生まれる。テキストに簡単な説明があるが,コントローラ操作なら右スティックを押すと詳細が表示される
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 監獄を抜けた先の下水道では,一定の自由行動が可能になる。最終的に皇帝からアミュレットを託され,いよいよ本格的な冒険が始まる。
 この流れはチュートリアルにあたる部分で,道中は比較的長めだが一本道なので迷うことは少ない。ここでは詳細な説明は割愛するが,途中にある重要なキャラメイク項目である「星座」と「クラス」については,以下でしっかり解説しておきたい。

チュートリアルは意外と長め。敵も暗殺者からゴブリンまでと,結構バラエティ豊か
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 「星座」は,主人公にボーナスを与える要素で,選択によって基礎ステータスが向上し,1日に1回だけ使えるパワー(アクティブスキル)やマジカ増強などの恩恵を得られる。
 Skyrimのプレイヤーに説明するとしたら,「大立石」に近いものだと伝えると分かりやすいだろうか。なお,選んだ星座は後から変更できない。

 近接戦闘メインなら腕力や持久力が高まるもの,魔法メインならマジカ系強化が得られるものを選ぶのが無難だ。
 ただし注意すべきは,明確なデメリットを伴う星座も存在すること。たとえば精霊座はマジカが時間経過で回復しなくなるし,見習い座は魔法耐性が大きく下がる。
 慣れてくれば対処法も見えてくるが,初心者のうちは,影響が少ない星座を選んでおくと安心だ。

星座はいろいろと選択肢があるが,個人的には使用回数が限られるアクティブスキルより,パッシブ能力の方が使いどころに悩まなくて好み
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 「クラス」は,いわゆる“職業”に近い名前が並ぶが,実際には「初期ステータス・得意スキルの方向性」を決めるためのテンプレートのようなものだ。
 騎士や魔術師など,RPGでおなじみの名前が揃っているが,それによって特別な能力が与えられるわけではない。
 戦士系で行くのか,魔術師系にするのか,あるいは両方を組み合わせたハイブリッドにするのか。ざっくりと方向性だけ決めて,あとは深く考えすぎずにプレイを始めてしまって問題ない。

クラスという名称だが,実際はキャラクター成長の個性を決めるようなもので“職業”という感じではない
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 クラスを選んだからといって,魔術師が重装備を使えない,戦士が魔法を使えないといった制限は存在しない。強いて言えば,使いたい武器・防具のスキルが「メジャースキル」(詳しくは後述)に入っているかを確認しておくと成長がスムーズだが,そこまで気にする必要もない。スキルは努力次第でどれも最大100まで上げられるし,お金さえあればトレーナーのもとで鍛えることもできる。
 ゲームに慣れてきたら,「カスタムクラス」で自分のプレイスタイルに合わせたクラスを自由に作成するのもいい。まずは基本的な設定で始めて,遊びながら理想のキャラクター像を形にしていこう。


Oblivionリマスターのレベルアップの仕組みを知ろう


 この流れで,Oblivionリマスターにおけるレベルアップの仕組みについて説明しておこう。
 本作はスキル制を採用しており,刀剣なら刃物系の近接武器を装備して攻撃する,解錠ならロックピックで宝箱を開ける……といったように,プレイヤーの行動に応じて対応するスキルの経験値が蓄積し,レベルが上がっていく。

 スキルは大きく「メジャースキル」「マイナースキル」に分かれており,メジャースキルは初期値が高く成長しやすい一方,マイナースキルは初期値が低く成長がやや遅め,という違いがある。

こちらはオリジナル版Oblivionのキャラクター作成画面。このあとOblivionリマスターと同じく,星座やクラスを決める場面が登場する
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 このあたりは,オリジナル版でも「分かりにくい」「複雑」と言われていた部分でもある。
 キャラクターのレベルに影響を与えるのはメジャースキルのみで,マイナースキルをいくら上げてもレベルアップ自体には影響しなかった。

 さらに,レベルアップ時に振れるステータスのポイント数は,「どのスキルをどれだけ上げていたか」によって変動する仕組みだったため,効率良く育成するには「どのスキルをどの順番で上げるか」を意識したプレイが求められたのだ。
 つまり,オリジナル版で効率的にレベルアップしたい場合,メジャー/マイナーの構成や上昇値を計算した「スキル管理」が必要で,このあたりが育成を少々面倒に感じさせる原因でもあった。

Oblivionリマスターのクラス設定画面。オリジナル版と同じく,カスタムクラスならメジャーとマイナーのスキルを自由に選べるが,その位置づけは結構変わっている
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 そうした仕組みは,リマスター版で大きく見直されている。
 今作では,メジャー/マイナーを問わず,スキルを上げたぶんだけレベルアップに寄与するようになっており,従来のような管理は不要となった。
 さらに,レベルアップ時にステータスへ割り振れるポイント数は固定で「12ポイント」となり,各スキルの上昇量に左右されない。要するに,「とにかくスキルを使っていけばいい」「好きにレベルを上げて構わない」という,シンプルかつ遊びやすい形になったのだ。

 これは,オリジナル版でプレイしていた多くのユーザーが望んでいた改善点のひとつであり,シリーズ未経験者にもおすすめしやすいポイントと言えるだろう。
 なお,主人公自体のレベルが上がると敵が強くなり,そのぶん入手できるアイテムや装備のクオリティも上がっていく。

リメイク版のレベルアップ画面。ステータスアップに使うポイントは必ず12ポイント入手できるので,そもそもスキルを管理する意味があまりない(寝ないでレベルアップを止めておくことはできる)
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 Skyrimをプレイ済の人たちに向けて,Perkの仕組みの違いにも触れておこう。
 SkyrimにおけるPerkは,「スキルごとにポイントを割り振って習得する特殊能力」だったが,Oblivionでは「スキル値が25,50,75,100に達するごとに自動で獲得できるパッシブ能力」という扱いになる。同じ“Perk”という言葉でも,意味合いがかなり異なるので注意が必要だ。
 たとえば鍛冶スキルなら,傷んだ装備を修理する能力が高まり(※武具作成の要素はない),話術スキルは,会話の中でより効率よく相手の好感度を上げられるようになる(※選択肢による説得などは行わない)。

 Skyrimにはスキル値はあるが,ステータス値そのものは存在しなかったため,Oblivionを遊ぶことで,Skyrimのシステムがいかにシンプルに再構築されていたかが実感できるはずだ。

こちらはSkyrimのキャラクターメイキング画面。種族と見た目と名前ぐらいしか設定する項目がないが,これはステータスの数値自体がなくなったからだとあらためて感じる
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Oblivionでは各スキルが25,50,75,100を達成するごとに,新たなPerkがアンロックされる
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帝都の下水道を脱出したら,まずは修道院を目指そう


 話を下水道に戻そう。出口まで進めば,チュートリアルは終了だ。
 この時点で最終確認として,作成したキャラクターの種族や見た目,星座やクラスを自由に変更できるので,気になる部分があればここで調整しておこう。
 下水道から出てしまうと,基本的にこれらの項目は変更できなくなるため,最終確認は怠らないようにしたい。

下水道の出口では,今まで設定した主人公の見た目や能力を再設定できる。ここでセーブデータを作っておくと,やり直しもしやすい
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 下水道を出たあとは,広大な世界がプレイヤーを待っている。「ここからは自由にどうぞ!」と言われても,何をすればいいのか分からない……という人は,まず下水道内で皇帝に頼まれた仕事を進めてみるのがオススメだ。

 具体的には,メインクエスト「アミュレットを届けよ」。その名のとおり,皇帝から託された王者のアミュレット(赤い宝石)を,ウェイノン修道院に届けるというものだ。多少距離はあるが,徒歩でも十分に到達可能な範囲なので,焦らずゆっくり進めばいい。
 もちろん,気になるなら帝都に戻って探索するのもひとつの選択肢だが,最初に修道院を訪れておくことで得られるメリットは多い。

ウェイノン修道院は,帝都から北西にある。道沿いに行くのが一番分かりやすいが,コロールにファストトラベルしてしまう手もある
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 まずひとつめは,修道院のリーダー・ジョフリーから,冒険に役立つ装備や消耗品を無料で提供してもらえること。
 下水道内でも多少の装備は拾えるが,品質は最低ランクが中心で,性能面ではあまり期待できない。
 修道院で受け取れる装備も決して強力とは言えないが,ないよりははるかにありがたく,いらないものは売却しても構わない。

 次に重要なのが,「安全なチェスト(収納)」が使えるようになる点だ。
 ゲーム中に登場するタンスや宝箱などの多くは,一定時間が経過すると中身がリセット(リスポーン)される仕様となっている。そのため,所持品の一時保管場所としては不向きだ。

 序盤はとくに所持重量に余裕がないので,拾ったアイテムを全部持ち歩こうとすると,あっという間に重量オーバーになってしまう。だが修道院の「ジョフリーの宝箱」は中身が復活しない,いわゆる“安全な保管場所”として利用できる。
 こういった安全な収納はゲーム内にいくつかあるが,ここまで早い段階で明確に使えるものは珍しく,非常にありがたい存在だ。

多分ウェイノン修道院で一番ありがたいアイテムが,この宝箱。コントローラ操作なら右スティックを押し込むことにより,アイテムの相互移動が可能になる
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 そして,無料で馬を貸してもらえること。
 徒歩より移動速度が大きく向上し,ファストトラベルを使った場合でも自動的にプレイヤーについてきてくれるなど,旅の仲間として欠かせないのが馬の存在。帝都郊外の馬屋でも“鎧付きの馬”を受け取ることが可能(これはオリジナル版のDLCに相当)だが,とはいえ馬は無敵ではない。戦闘などでダメージを受けると死んでしまうこともある。その意味でも,序盤で“借りられる馬がある”ということを知っておくのは損ではないだろう。

 また修道院には,自由に寝られるベッドがあることも大きい。
 近くの町・コロールに行けば,複数のサブクエストも受けられるため,それらをこなして一眠りしてレベルアップ……というように,序盤の拠点としての利便性も高い。「まず何をすればいいか分からない」という人は,ひとまず修道院を目指すところから始めてみてほしい。

貸してくれるまだら馬は決して足は速くないが,これに乗るだけで一端の冒険者になったよう感じるのが面白い
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次はどうしたらいいんだ! お金がない! 迷ったときはここを訪ねてみよう


 修道院を拠点にほっと一息付けたけど,「じゃあ次はなにをすればいいんだ?」と迷ってしまった……。
 迷いながらいろいろ試すことがTESシリーズの魅力だが,行動の切っ掛けとなる“なにか”がほしいと思う人も多いだろう。

 もちろんメインクエストを進めるのもひとつの手。しかし,装備が揃ってなくて懐も寂しい状態だと,「まずは準備を整えたい」となるはず。
 というわけで,“とりあえず序盤にやっておくとプレイがはかどるコツ”をいくつか紹介しよう。

 まず取りかかりたいのは,手近なギルドに参加することだ(これはNPCとの会話でもよく出てくる)。
 ギルドには合法,非合法を含めていくつか選択肢があるのだが,とりあえず無難なのは「戦士ギルド」と「魔術師ギルド」。これらはシロディール各地の街に支部があり,加入すれば支部のベッドで自由に休めるので宿を取る必要がなくなり,さらにそこにあるアイテムも一部を除き自由に持ち出せる。

 要するに,各地で活動するときに,簡易的な拠点になるのだ。もちろん,ギルドのクエストも引き受けられるようになる。
 しかも加入の条件は両方ともほぼないに等しく,悪事を働いて賞金が掛かってさえいなければ問題ない。
 手順は各地の支部長に加入を申請するだけで,スキル値なども問われない。つまりガチガチの戦士でも魔術師ギルドには入れるし,逆もまた然りである。

戦士ギルドも魔術師ギルドも,支部長に話しかければ加入を申請できる
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 戦士ギルドには,それなりの武具が自由に持って行ける形で置かれており,魔術師ギルドは魔法や錬金素材を購入できる重要なショップでもあるので,ありがたく使い倒してやろう。もちろん,シロディールで人数に限りがあるスキルトレーナーがいる確率も高い。
 Skyrimのプレイヤーには,同胞団やウィンターホールド大学との違いを感じてみてほしい。組織の風土や成り立ちがそもそも異なり,こちらは本当に「一般に広く開かれた」組織であることが実感できるはずだ。

街中と同じく世間話しているギルドメンバーも多いのだが,自分の関わった事件が話題になると何か嬉しい
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 さて,もうひとつやっておきたいのが“お金稼ぎ”。サブクエストをクリアしたり,野盗の拠点を襲って装備を剥いだりといった手段もあるが,序盤で一番ラクなのは,錬金術でポーションを作って売ることだ。

 Skyrimでは特定の場所に置かれた錬金器具が必要だったが,本作では携帯アイテムの「乳鉢と乳棒」を使えば,いつでもどこでもポーションを作り出せる。下水道の途中で拾えることもあり,気づかないうちに所持していた……なんてこともあるはずだ。

 肝心の材料は,基本的にフィールドのいたるところで取得できる。道ばたや森なら草花,洞窟ならキノコ,食卓ならパンや肉(本作には料理や食事という概念がなく,食料もすべて錬金素材だ)と,いろいろな入手手段があるが,一番大量に手に入るのは野菜や果物だ。
 都市の周囲や郊外には農園があり,それらは基本的に所有権が設定されていないため自由に素材を回収できる。大型の農園を回れば,100個以上の同じ材料を短時間でゲットできるだろう。

素材を組み合わせ,ポーションを作るのが錬金術。素材の新たな効果は,スキルが上がると利用できるようになる
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 各素材はそれぞれ4つの効果を持っている(Skyrimと同じ感覚だ)が,錬金術のスキルが低いうちは,最初の1つしか利用できない。とはいえ,多くの食材には「スタミナ回復」の効果が備わっており,これを組み合わせるだけでもポーションは作成できる。
 そして作ったポーションは,雑貨屋などに売ってしまえばよい。錬金器具には耐久度の概念がなく,壊れることもないため,まさにゼロからお金を生み出す――文字通りの錬金術と言えるだろう。

 ただし注意点もある。ポーションの重量は,使用した材料に依存する仕様になっているため,例えばスイカなど重い素材を使うと,できあがったポーション自体もかなり重くなってしまう。
 また,錬金術のスキル上昇に伴ってプレイヤーのレベルが上がる場合,そのレベルに応じて敵も強くなってしまうことがある。結果的に,金策のつもりが戦闘面での難度を上げてしまうケースもあるので注意が必要だ。

 とはいえ,お金さえあれば装備の充実はぐっと楽になるし,錬金術は金策にとどまらず,回復ポーション(「体力回復」「マジカ回復」)や毒ポーション(「体力減退」など)の性能向上にもつながる。
 修道院を出て家を購入しようとするなら,(帝都のあばら屋を除き)それなりの資金が必要になる。
 しばらくは“ポーション製造業兼冒険者”として活動していくのが,効率よく冒険を進めるための現実的な選択肢となるだろう。

農作物は基本的に所有権が設定されていないので,取得してすぐにポーションにできる。まさに“フリー素材”と言ったところだろうか
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自由に作れる自作魔法で魔術師プレイがさらに捗る


 Oblivionは自由度が高いゲームだが,その特徴をさらに際立たせているのが「自作魔法」の存在だ。
 基本的には,帝都にあるアルケイン大学に入学することで「構呪の祭壇」が利用可能になり,現在覚えている魔法を強化・弱体化させたり,あるいは複数を組み合わせたりして,自分好みの魔法を作成できる。

 Skyrimのプレイヤーに分かりやすく,同作に無理矢理当てはめて説明するなら,「火炎と氷雪と雷撃を同時に発射する魔法を作れる」といった感じだろうか。
 これらはもちろん攻撃魔法だけでなく,例えば体力とスタミナを同時に回復する魔法を作ったり,相手の好感度をほんの一瞬だけ高める術を作ったりと,さまざまな場面で応用が利く。

 強力で複雑な魔法ほど高いスキルと大量のマジカを要求されるため,「魔法が作れる=無双できる」という単純な話ではないが,それでもとにかく“試したくなる”魅力を持った要素のひとつだ。

種類を選び,効果と有効時間と範囲を設定し,名前をつけて自作魔法が完成する。ただし,スキルとマジカ制限との戦いだ
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TESの世界と歴史を知ろう――Skyrimでの血みどろの内戦は,結果的にこの人の死によって引き起こされた!


 冒頭で触れたように,OblivionはTESシリーズにおけるナンバリングの4作目であり,Skyrimの前作に当たる作品だ。
 当然のことながらシリーズ故に,さまざまな“つながり”が用意されている。あるいは逆に,Skyrimにはなかったからこそ“見逃さないでもらいたい”ものだってあるのだ。

 ここでは,主にSkyrimをプレイ済みの人に向けて,興味を引くであろう出来事やロケーション,あるいは筆者が個人的に紹介したいポイントをいくつか取り上げていこう。
 以下はSkyrimをすでにプレイしていることを前提に記載しているため,まっさらな気持ちでOblivionをプレイしたい人はこちらでスキップし,プレイ後にご一読いただければ幸いだ。

 本作の冒頭で登場する人物,彼こそがタムリエルを統べる皇帝「ユリエル・セプティム七世」その人である。
 彼はTESシリーズにおいて,ある意味では各タイトルの主人公以上に重要な存在だったりするのだが,200年後のSkyrimでは,もはや歴史上の人物として,書籍の中などで名前を見る程度にとどまっている。

 実のところOblivionでも「冒頭で死ぬ人」くらいの描写しかないのだが,それで片付けてしまうにはあまりにももったいない。このあとは,“その後”も含めて彼の存在をもう少し深掘りしてみよう。

ゲーム開始時の皇帝,ユリエル・セプティム。死期は悟っているが,それ以上未来は見えないそうだ
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 このユリエル七世は,初代TESであるArenaから登場している。
 時代は第三紀389年で,Oblivionの舞台となる第三紀433年から40年ほど前のことだが,この時点ですでに彼は皇帝の地位にあった。

 しかし,配下の魔闘士ジャガル・サルンの裏切りにあい,10年間も幽閉されることになる。
 その間,サルンは皇帝になりすまして暴政を敷き,帝国は大混乱に陥ってしまう。だが,とある謎の人物(初代TESの主人公)の活躍によってサルンは討たれ,ユリエル七世も救出されて,帝国に平和が戻ることとなった――これが初代TESのおおまかなあらすじだ。
 シリーズでも,“複数の元囚人”たちが皇帝の密命によって大冒険を繰り広げることとなり,ユリエル七世はその物語の“発端”を作る人物として登場し続けてきた。

 そして本作では,ついに暗殺者の手によってその生涯に幕を下ろす。とはいえその最期の直前に,またしても謎の囚人(=本作の主人公)と出会い,今度は「アミュレットを託す」という形で,また新たな冒険へとプレイヤーを導く。
 このようにSkyrim以前のTESシリーズ作品においてユリエル七世は,“冒険者を導く者”として徹底して同じ役割を果たし続けていたのだ。

皇帝や帝国がどのような歴史を歩んできたかは,作中の書籍「ユリエル・セプティム7世の短い人生」や「帝都の略歴」(Skyrimでは「帝国の略歴」と訳されていた)シリーズなどを読むと,大まかに掴めるだろう
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 なお名字を見ればピンとくるだろうが,彼の先祖は――とくにSkyrimにおいて非常に大きな存在感を誇る九大神の一柱,タロスことタイバー・セプティムその人である。

 Oblivionの舞台となる第三期のタムリエルは,セプティム王家による帝国の支配がもっとも栄えた時期であり,その背景には,セプティム家の一族が竜神アカトシュの祝福を受けた「ドラゴンボーン」であるという事実があった。
 彼らはその盟約によって「ドラゴンファイア(竜の炎)」を灯し,オブリビオン――死の概念をもたない存在・デイドラの領域である異次元空間――との間に障壁を作り出すことで,大規模な侵攻を防いでいたのだ。これも,セプティム帝国の安定と存続における大きな要因のひとつだった。

 しかし本作の冒頭,皇帝ユリエル七世は暗殺され,その世継ぎもまた次々と命を奪われてしまう。
 帝位は空位となり,結果として,オブリビオンとの間にあった障壁――ドラゴンファイアも失われることになる。
 そして,その隙を突いてデイドラ公・メエルーンズ・デイゴン率いるオブリビオンの軍勢が,タムリエルに大規模な侵攻を開始する。
 これこそが,本作のサブタイトルが「Oblivion」となっている最大の理由である。

セプティム家がドラゴンボーンとしてどう役割を果たしてきたかは,Skyrimで恐らく最初に目を通すことになる書籍「ドラゴンボーンの書」でも確認することができた ※画像はSkyrimのもの
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 その後,この事件は「オブリビオンの動乱」と呼ばれ,Skyrimに登場する書籍にもその名が記されるようになるのだが,事態はそこで終わらなかった。

 Skyrimの作中で,帝国軍とストームクロークが激しい内戦を繰り広げていたことを覚えている人も多いだろう。実はこの内戦も,根本をたどればユリエル七世の暗殺が引き金となっている。

 皇帝と正当な世継ぎがすべて失われたことで,セプティム王朝は滅亡。帝国自体はかろうじて存続したものの,長く権力の空白が続くことになった。
 その結果,帝国は内紛状態に陥り,やがてセプティム家とは縁のない元将軍,タイタス・ミードが帝位に就任(ここにミード王朝が誕生する)。しかし,その支配力と影響力はセプティム朝時代と比べて大きく後退していた。

 やがて帝国は,サルモール率いるアルドメリ自治領と「大戦」と呼ばれる戦争状態に突入する。
 当初は苦戦を強いられながらも,最終的には一発逆転で辛くも勝利を収めたが,被害は甚大だった。
 停戦のために帝国側は,不利な条件を受け入れざるを得なくなり,中でも「タロス崇拝の禁止」は重大な譲歩だった。
 この決定は,とくにタロスゆかりの地であるスカイリムに強い反発を生み出すことになり――そう,Skyrimで描かれていた内戦へとつながっていくわけだ。

Skyrimの冒頭の場面。主人公はスカイリム地方の境界を抜けようしたところを捕縛されたらしいが,結果的にウルフリックと共に護送され,ヘルゲンでドラゴンの襲撃に巻き込まれることになる。つまり内戦が起こらなければ,冒険が始まることもなかった……のだろうか? ※画像はSkyrimのもの
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 つまり,本作冒頭の出来事が,結果的に200年後が舞台となるSkyrimにおいて,ストームクロークや各地で暗躍するサルモールを生み出すことになったのだ。

 ユリエル七世は,自分の死をすでに悟っていたように見える。
 だが,まさか自分の血縁とは無関係な人物が帝位を継ぎ,さらには,自らの神格化された祖先――タイバー・セプティム(タロス)が崇拝対象から外されてしまう未来までは,予想していなかったのではないだろうか。
 未来を知った今あらためてこの暗殺劇を見返すと,筆者としては思わず遠い目でSkyrimの出来事を思い出してしまう。

 こうした経緯から,Oblivionにおいてメエルーンズ・デイゴンは“諸悪の根源”として扱われている。とはいえ,登場するすべてのデイドラ公が同じ扱いかといえば,決してそうではない。
 Skyrimでも各地にデイドラ公を祭る祠や施設が点在していたが,それはシロディールも同じだ。Oblivionの世界でも,プレイヤーはさまざまなデイドラと出会い,その意志と力の一端に触れることになるだろう。

仮に皇帝が生きていたら,タムリエルの未来はどうなっていただろうか。歴史にifはないのだが……
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そうだ! デイドラ公に会いに行こう!


 ひとつ前のブロックをスキップした人に詳細は語らないが,本作の重要な要素のひとつにして,意外と身近な存在――それが「デイドラ公」だ。条件さえ満たせば,実はあっさりとコンタクトできるため,彼らに会うために各地を巡るというのは,Oblivionをプレイするうえでぜひオススメしたい遊び方のひとつだ。

 本作では基本的に,各地にある像(祭壇)に対して,特定の貢ぎ物を捧げることでデイドラ公と会話が可能になる。つまりこれが“デイドラクエスト”の入り口というわけであり,提示された要求をクリアすることで,デイドラの秘宝を報酬として入手できる。

 像の場所については,ヒントがある場合もあれば,まったくない場合もある。また,そもそもプレイヤーのレベルが一定以上でないとクエストが発生しない像もある。
 とはいえ,少なくともアズラの像については序盤からヒントが得られやすいため,初期段階で足を運んでみることを強くオススメしたい。

Skyrimのものに比べると小ぶりだが,それでも存在感が大きいアズラの像。財宝はスカイリムでもお馴染みのものだ
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 神託を受けるだけでは物足りない……という人には,さらなるエキサイティングな出会いも待っている。
 本作では,オリジナル版ではDLCとして配信されていたシェオゴラスの支配領域「シヴァリング・アイルズ」に,最初からアクセスできる。ポータルの場所はブラヴィルのすぐ近くで,陸地からでもしっかり視認できるはずだ。

 このシヴァリング・アイルズに入り,いくつかのクエストをこなすと,ついにシェオゴラス本人と対面することになる(Skyrimのクエスト「乱心」に登場したときほど簡単には会えないが)。
 Skyrimでは,短時間の登場ながら「一期一会のトゥルットゥー」など,インパクト抜群のセリフで強烈な印象を残したシェオゴラスだが,本作ではDLCの主役だけあって出番も非常に多い。

デイドラ公のなかでも,恐らくトップクラスの人気を誇るシェオゴラス様。どう見ても元気そうだが,実は重大な問題を抱えている
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 また,一見するとシロディールと大差ないように見せかけて,その雰囲気はまったく異なる“別世界”であるシヴァリング・アイルズそのものも,大きな見どころのひとつだ。
 いつ足を踏み入れるかはプレイヤー次第だが,探索にも少し慣れてきて,一段落ついたと感じたら,ぜひ訪れてみてほしい。

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シロディールには血の気が足りない? よろしい,ならば闘技場だーーオブリビオンの名所めぐり


 先ほどの“デイドラ詣で”に続き,ここからはOblivionの世界をより深く楽しみたいプレイヤーに向けて,ぜひ足を運んでほしい名所やスポットをいくつか紹介していこう。
 Skyrimをプレイ済みの人にとっては「あっ,ここって!」と感じられる場所や出来事も多く,シリーズのつながりを味わえるはず。一方で,初めてTESシリーズに触れる人にとっても,それぞれが独立した物語として楽しめるようになっているので安心してほしい。

 Skyrimで訪れたスカイリム地方といえば,「勝利か! ソブンガルデかだ!」のセリフにも表れているように,血の気の多いノルドたちと,歴史を感じさせる木造建築が印象的な場所だった。
 そんなSkyrimからOblivionをプレイした人にとって,白金の塔を中心にそびえる帝都を擁するシロディール地方は,都会的で洗練された雰囲気を感じることだろう。

 実際に帝都には見どころが多く,遠くからもその存在感を放つ白金の塔をはじめ,所狭しと店が並ぶ商業地区,セプティム王朝の初代皇帝の名を冠したタイバー・セプティムホテルが建つタロス広場地区,数々の彫像が点在し自然も豊かな庭園地区,そしてアカトシュの石像など,観光目的でも十分に楽しめる都市となっている。

上がタロス広場地区で,下が庭園地区
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 ただ,そのなかでもとくに訪ねてほしいのが,帝都にある闘技場(アリーナ)だ。ここでは日々,剣闘士たちによる血なまぐさい決闘が繰り広げられ,勝者には栄光が,敗者には死が,そして帝都市民には何よりの娯楽がもたらされている。
 Skyrimにはこのような施設は存在しなかったため,まずは見学だけでもしてみる価値があるはずだ。

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 ご想像のとおり,闘技場には自分自身も参加できる。勝ち抜く意志と実力さえあれば,最強の「グランド・チャンピオン」の地位に上り詰めることも可能だ。
 敵は,剣闘士そのままの戦士だけでなく,アーチャーや魔術師といったバリエーションもあり,場合によっては複数人との戦いになることもある。メインはもちろん戦闘だが,試合のボリュームは十分で,その気になれば負け知らずの現チャンピオンからサブクエストを受けることも可能だ。
 控え室は狭いながらも,さまざまな人間模様が繰り広げられる場所であり,印象に残る場面が多い。

闘技場の現グランド・チャンピオン。強く,礼儀正しく,人当たりも良いと,作中全体でも珍しい好人物なのだが……
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 さらに,栄光のグランド・チャンピオンとなった暁には,待望の“従者”……というか,自動的についてくる愉快な人物が仲間になる。冒険が楽になるかどうかはさておき,旅が一気に華やかになることは間違いない。
 散々いろいろなところでネタにされているので,すでにご存じの人も多いだろうが,ぜひ自分の目で,彼の活躍(?)を確かめてみてほしい。

ところであなた,どこかの宇宙港にいませんでしたっけ?
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スカイリムとは違う神秘がここに。幻想的なアイレイドの遺跡へ


 Skyrimの主な舞台であったスカイリム地方には,多数のドワーフ(ドゥーマー)の遺跡があった。単純に探索やイベント用のロケーションとして使われるだけでなく,メインクエストでも訪れる機会があったため,記憶に残っている人も多いだろう。
 遺跡全体が石と金属で構成され,パイプや歯車,そして罠が至る所に設置されていたあの空間は,外の世界とはまったく異なる空気感を漂わせていた(蒸気を吹き出しながら動作する強力なオートマトンに痛い目を見たのは,なにも筆者だけではないはずだ)。

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 一方でシロディール地域に目立つのは,ドワーフではなくアイレイドの遺跡だ。ドワーフはその名前とは裏腹に,実際はエルフの一種であったと言われているが,ある時,種族全体が一瞬で消滅したとされている。
 アイレイドも同様に,かつてシロディール地域を支配していたエルフであったが,奴隷として使役していた人間たちが,聖アレッシアをリーダーに神の力を借りて反乱を起こし,結果的に滅亡してしまった。
 シロディールの各地にある,白い石が使われた特徴的な遺跡は,その名残というわけだ。

アイレイドの遺跡と,怪しく輝くウェルキンド石。“オブリビオンのダンジョンと言えばこれ”とすり込まれている人は多いはず
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 機械技術やテクノロジーが全面に出ていたドワーフの遺跡と異なり,ウェルキンド石やヴァーラ石といった光る魔法石が各所に照明として使われているアイレイドの遺跡は,非常に幻想的だ。
 ぜひお気軽に観光を……と言いたいところだが,大概は侵入者を防ぐ罠がまだ機能していたり,厄介な野盗やモンスターが住み着いていたりするような,要するにダンジョンである。

 とはいえ,アイレイドの遺跡は実はけっこう身近に存在する。チュートリアルにあたる下水道を出てすぐ,最初に水辺の向こうに見える「ヴィルヴェリン」という建物もそのひとつだ。

下水道から出た直後。目の前にあるのがまさに,アイレイドの遺跡だ
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 そもそも帝都自体,アイレイドの建築物の上に発展した都市だ。そのシンボルである白金の塔を建てたのも,アイレイドなのだから驚きである。
 というわけで,シロディールとアイレイドは切っても切れない関係にある。こうした背景を頭の隅に置いておくと,遺跡探索がもっと楽しくなる……かもしれない。

気軽にアイレイドの恩恵を受けたいなら,各地にある井戸に触れればいい。あまり効果時間は長くないが,バフを得られる
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ブルーマに行ってみよう。スカイリムが懐かしい……という人にも刺さるはず


 草原や森林地域,あるいは湿地帯など,さまざまな自然環境が楽しめるシロディールでは,街の造りや雰囲気にもそれぞれの土地柄が表れている。港町は賑わいがあり,シェイディンハルやスキングラードには重厚な石造りの建物が並ぶ。一方で,湿度が高そうなブラヴィルでは木造の住宅が多く,環境に合わせて人々の暮らしぶりも変わっているのが興味深いところだ。

上がシェイディンハルの街で,下がブラヴィルの街。地域によって雰囲気が大きく異なる
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 そんななかでも,とくにスカイリム経験者におすすめしたいのが,シロディール最北端に位置する「ブルーマ」。スカイリム地方との国境に近いこともあって,その影響を色濃く受けた街だ。

 住民の多くはノルドで,どこか排他的な空気が漂う街の雰囲気は,Skyrimのウィンドヘルムを思い出す人もいるかもしれない。気候も寒冷で雪が多く,建物もスカイリムでおなじみの木造スタイル。街を歩いていると「これはどこかで見たぞ……」と,思わず懐かしい気持ちになるはずだ。かつて(あるいは未来で?)ドラゴンボーンとして旅をした人なら,なおさら感じ入るものがあるだろう。

 なお,ブルーマにもほかの街と同様に大聖堂があるが,そこで祭られているのは当然ながらタロス。Skyrimでは崇拝禁止という過酷な現実があったが,この時代では九大神の一柱として堂々と信仰の対象となっている。そうした歴史の“前”を体験できるのも,Oblivionをプレイする醍醐味のひとつかもしれない。

どちらもブルーマでの一コマ。スカイリムの北部はいつも雪だったな……と思い出す(とはいえブルーマはリフテンより南なのだが)
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シロディールに生きる,個性豊かな住人(NPC)に会いに行こう


 ここまで読んで,「そろそろ行ってみようかな」と思った方に,最後にもうひと押し。“ロケーション”ではなく,“生きたキャラクター”たちを紹介したい。
 Oblivionには数多くのNPCが存在し,それぞれが独自のスケジュールに従って生活をしている。まさに息づく世界の住人のなかから,まずは序盤でも比較的出会いやすく,印象に残る人物を2人ピックアップしてみよう。

 まず1人目は,スキングラードにいる錬金術師のシンデリオン。腕利きの研究者であり,プレイヤーに大ボリュームの収集クエスト「ニルンルートを探せ」を発注してくれる人物だ。

各地の魔術師ギルドでも正体が掴めないニルンルートをよく知る,シンデリオンその人。Skyrimでもある意味,登場するとも言えるのだが……
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 Skyrimでおなじみの“あの植物”ニルンルートが主役だが,当時のタムリエルでは今よりずっと貴重な存在で,一度採取すると再び生えないという鬼仕様。まさにプレイヤー泣かせの収集アイテムである。
 Skyrimとのつながりでいえば,シンデリオンは珍しく両作品に登場するキャラクターでもある。200年後のSkyrimでは,ブラックリーチで彼の日記と再会できるのだが,その記憶をたどりながらOblivionで本人と出会うと,時を超えた感慨が湧いてくるはずだ。

Oblivionでのニルンルート。ちなみに目で探すより,特徴的な音に注意した方が発見しやすかったりする
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 2人目は,シリーズおなじみのホラ吹きのムアイク。Skyrimではランダムで出会えるキャラクターだったが,Oblivionではアンヴィル周辺の道を歩いていることが多く,運がよければファストトラベル直後に遭遇できる。
 彼は常に哲学的(?)なホラを吹いてくれる,ちょっと風変わりなカジートであり,シリーズファンならその一言一言がたまらないはず。なお,やたら足が速いので,話しかけたいときは早めにダッシュを。

 TESの世界における彼の会話はホラ(嘘)だ……とされているが,ゲームのキャラクターとして見ると,いわゆる“メタ”ネタを話す存在でもある。
 開発陣の裏話や,当時は実装できなかった要素について語ることが多く,その内容に耳を傾けていると,「あれ,これSkyrimで体験したかも……?」と思うことも少なくない。今や当たり前になった仕様が,当時は“夢”だったんだな,とあらためて気づかされる。
 そう,ムアイクの言葉の裏には,時代を越えてゲームが進化してきた道のりが詰まっているのだ。

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 続いて,メインクエストに深く関わる重要人物からジョフリーを。彼とはウェイノン修道院で出会うことになる。肩書きは修道僧だが,実は皇帝直属の親衛隊「ブレイズ」の総隊長という経歴を持ち,物語の要所で頼れる味方として活躍してくれる存在だ。

 Skyrimをプレイした人なら,ブレイズという言葉に聞き覚えがあるはず。かのドラゴンボーンの冒険にも登場する組織だが,その“全盛期”が描かれているのがまさにこのOblivionなのである。あのときの背景がここにある……という感覚を得られるのも,本作を今あらためて体験する魅力のひとつだ。

 彼をピックアップしたのは,Skyrimでは壊滅状態にあったブレイズが,まだ十分に機能していた頃の総隊長だからだ。
 Skyrimのプレイヤーにとって,ブレイズといえばデルフィンやエズバーンが細々と活動している,どこかよく分からない組織という印象が強いかもしれない。しかしOblivionの時代では事情がまるで違い,構成員も多く,最初から規模の大きな拠点が存在する“帝国の誇り”とも言える存在だったのだ。
 もっとも,本作においてジョフリーは,やや“出し抜かれる”役回りが多く,貧乏くじを引いているような場面も少なくない。とはいえ,帝国の命運がかかる場面では主人公と共に戦い,その行動力と覚悟はまさにブレイズの長たる者。Skyrimで語られる「かつての栄光」を実感したいなら,彼の言動にぜひ注目してほしい。

信頼できる味方であるのは間違いないが,人使いが荒いのはブレイズの伝統?
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 そして,Oblivionが誇る魅惑のヒロインを2人紹介しよう。英雄譚にはやはり,心を和ませてくれる存在が必要だ。そのなかで,プレイヤーの心を最初につかんでくれるであろうキャラクターが,コロールにある雑貨屋の看板娘,ダル=マである。

 彼女はアルゴニアンというトカゲのような種族なのだが,気立てがよく,人当たりも抜群。初対面でも好感度が高く,話しかければすぐに明るく迎えてくれる正統派ヒロインだ。まず会って話してみれば,すぐにその魅力が分かるはず。

 しかも彼女は,とあるサブクエストに大きく関わっており,プレイヤー自身が悪の魔の手から救い出すシチュエーションが存在する。
 彼女はそれ以降,主人公のことを特殊な呼び方をするなど,ヒロインムーブに事欠かない。ただしイベントは出会ってすぐは起きないようなので,その時はコロール周辺で別のクエストをこなそう。

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 もうひとりのヒロインが,レヤウィンにいるマゾーガだ。出会った直後は,口数が少なくぶっきらぼうとしか言えない対応だが,彼女が関係するクエストを進めていくと,そのミステリアスな過去が明らかになっていく。

 ダル=マと違いマゾーガはイベントの関係で共闘することになるので,言ってみれば戦友仲間のヒロインというポジションだろうか。しかも彼女はオークの(自称)騎士であり,ただのヒロインの枠にとどまらない山盛りの属性を持つという点でも見どころがある。
 さらに彼女は生粋の戦士のため,イベントが一通り終わっても,ダル=マとは違って平穏な生活を送らない……というところにキャラクターの違いが見て取れる。さあ,レヤウィン城に急ごう。

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初めての人も,懐かしい人も。Oblivionリマスターで歩くシロディールの地


 さて,かなり長々と続いてしまったかもしれないが,いかがだっただろうか。実はまだまだ触れていないネタは多いのだが,続けるときりがないので,ここで一区切りとしたい。実際にシロディールを歩き回れば,気になるものはいくらでも見つかるはずだ。

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 コンシューマ版はXbox 360版を除き現行ハードでプレイできず,Steamなどで配信されているPC版は正式な日本語対応がなく,傑作RPGながら国内では比較的プレイしづらい環境にあったOblivion。Skyrimが現在進行形で今なお多くのゲーマーにプレイされ,オンラインゲームの「エルダー・スクロールズ・オンライン」の国内サービスがあるにも関わらず,だ。

 しかしリマスター版が発売された今,そういった環境の問題はほぼ一掃された。シロディールを訪ねたければ,リマスター版をプレイすればいいのだ。しかも最新のグラフィックスと,一部が改修されたシステムを引っさげて“再臨”したというのは,未経験者はもちろんOblivion経験者にとっても,これは福音と言っていいだろう。

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 繰り返しになるが,20年ほど前のゲームシステムがベースにあるので,遊びやすくなったとはいえ一部のシステムは古くさく感じたり,オリジナル版のバグが一部そのままとなっているため,それが気になったりするということも少なくないかもしれない。しかし,オリジナル版と比べれば格段にプレイしやすくレスポンスもよくなっているし,そもそもシロディールを満喫できる楽しさと比べれば,細かい問題は忘れてしまう。少なくとも筆者にとっては強く推せるゲームだ。

 国内でTESシリーズの存在を大きく知らしめたOblivion。そのリマスター版である「The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered」が出た今こそ,長く語り継がれるTESの世界に飛び込んでみてはいかがだろうか

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「The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered」公式サイト

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    The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered

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    The Elder Scrolls IV: オブリビオン Game of the Year Edition

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