
プレイレポート
[プレイレポ]「Pokémon LEGENDS Z-A」の“リアルタイム戦闘”は忙しいが,めちゃくちゃ楽しい! まったく違ったポケモン勝負を味わえる新たな挑戦だ
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2022年に発売された「Pokémon LEGENDS アルセウス」は,シリーズ初のアクションRPGとして,ポケモンの世界に新たな風を吹き込んだ挑戦的なタイトルだった。
そこから3年が経ったいま,最新作はどのようになっているのか。発売が目前に迫った今,待ち焦がれているファンも多いことだろう。
今回は,そんな気になる「Pokémon LEGENDS Z-A」のメディア向け体験会に参加してきた。シリーズ初のリアルタイムで行動する戦闘など,これまでのポケモンとは一味違う面白さに出会えたので,その内容をレポートしていく。
※画面は開発中のものです。
※ゲーム画面はNintendo Switch 2 Editionのものを使用しています。
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カロス地方の都市「ミアレシティ」で,昼はポケモンを鍛え,夜は腕試し!
本作の舞台は,2013年に発売された「ポケットモンスター X・Y」(以下,ポケモン X・Y)にも登場した,カロス地方の中心都市「ミアレシティ」だ。
この街では,人とポケモンの共存を目指した「都市再開発計画」が進んでおり,「ポケモン X・Y」のミアレシティと比べると,街中には最新のテクノロジーを感じさせる設備が見られる。主人公は街を訪れた1人の旅行客で,ミアレシティで出会う仲間たちと共に,街で起こるさまざまな出来事や事件に挑んでいく。
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本作の最大の特徴は,シリーズ初のリアルタイムで行動する戦闘だ。従来のポケットモンスターシリーズでは,自分と相手が交互に技を出し合うターン制を採用していたが,本作ではポケモンとトレーナーがリアルタイムで行動する。トレーナーの指示によりポケモンが技を繰り出すという,アクション性の高い戦闘になっているのだ。
従来のポケットモンスターシリーズには,タイプ相性や技の選択,ポケモンの交代など,シンプルながらも奥深い戦略性があった。だが本作では,「トレーナー自身の動き」や「指示を出す早さ」「技を出すタイミング」「技の届く範囲」など,新たなゲーム性が加わっており,スピード感と緊張感のある,これまでにない戦闘が楽しめた。
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「ポケモン X・Y」で発見された,トレーナーとポケモンの絆で起こる「メガシンカ」も登場する。メガシンカは,一部のポケモンのみが可能な,進化の限界を超えたさらなる進化だ。見た目が変わるだけでなく,通常の進化を上回るパワーアップを遂げるため,戦術の幅を広げてくれる。
そして,本作では野生のポケモンが突如としてメガシンカして暴れ出す異変「暴走メガシンカ」が確認されている。通常のメガシンカと暴走メガシンカはまったく別のもので,暴走したポケモンを鎮めることも,物語において重要なカギになる。
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ミアレシティは,「昼」と「夜」で2つの顔を持つという特徴がある。
まず昼は,ポケモンとの共存を目的として作られた「ワイルドゾーン」を探索するのが中心となる。この区画には野生のポケモンが生息していて,戦闘をしたり,ポケモンを捕まえたりできる。手持ちのポケモンを鍛える時間帯と言えるだろう。
夜には「バトルゾーン」が出現し,トレーナーたちがポケモン勝負でしのぎを削る「ZAロワイヤル」が行われる。ZAロワイヤルは,ZからAまで存在するランクを競い合う,大規模な大会のようなものだ。すべての参加者はZランクからスタートし,他の参加者とのポケモン勝負に勝ち,最上位ランクであるAランクを目指していく。
本作の基本的なサイクルは,昼はワイルドゾーンでポケモンたちを鍛え,実力を磨いておき,夜のバトルゾーンで夜明けまで腕試しをする,というものだ。ちなみに,バトルゾーンは夜限定だが,ワイルドゾーンは昼夜を問わず探索できるので,満足行くまでポケモンを捕獲しまくることも可能だ。
「昼にポケモンを鍛えて,夜は夜が明けるまで戦闘って,彼らはいつ寝てるの?」という疑問はよそに放っておこう。
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ワイルドゾーンはポケモンいっぱい,危険もいっぱい
体験会で最初にプレイしたのは,ミアレシティ内のワイルドゾーンだ。欧風の建築物が並ぶ景観のなか,どこに野生のポケモンがいるのかとワクワクしながら入っていき,最初に出会ったのは「ミミロル」だった。こちらが攻撃したり,モンスターボールを投げて捕獲に失敗したりすると反撃してくるのだが,何かしない限りは襲ってこないポケモンだ。
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「Pokémon LEGENDS アルセウス」と同じく,戦闘なしにいきなりモンスターボールを投げてもポケモンを捕まえられるが,体感として,HPを減らさないと捕獲はあまり成功しなかった。
しかし,今作では野生のポケモンのHPをゼロにすると,一定時間「捕獲チャンス状態」が発生し,モンスターボールを投げる時間が用意される。
野生のポケモンは倒れているので逃げ出さないし,HPが減っているぶん捕獲もしやすい。捕獲チャンス状態を活用するのが,獲の基本になってきそうだ。
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次のエリアにいたのは「デルビル」だ。ミミロルと違い,こちらは好戦的なポケモンで,こちらに気づくとトレーナーや自身のポケモンを襲ってくる。本作は自身のポケモンだけではなく,トレーナー自身も狙われるのだ。
トレーナーが攻撃され,行動不能になって「めのまえがまっくらになった!」になることもある。群れに気づかれた場合は複数のデルビルに襲われることになるので,野生のポケモンとの戦闘は,危険が伴う。
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デルビルがいた路地の奥には,眠っている「ヘルガー」がいた。ここで出会ったヘルガーは,通常よりも体が大きく,目が赤く光っている「オヤブン」という個体だ。
近くにいた野生のポケモンと比べても圧倒的にレベルと戦闘力が高く,あっさりポケモンが倒されてしまい,敗戦・逃亡。遠くに逃げてヘルガーが追うのを諦めたあとは,なるべく気づかれないように移動する……というのを心がけていた。
続いて戦闘の手順について説明しよう。野生のポケモンと戦闘する場合,まずは手持ちのポケモンをフィールドに出して,野生のポケモンをターゲットして,ポケモンに技の指示を出す,というのが基本的な流れだ。
指示を出せばターゲットに技が当たる距離までポケモンが近づいてくれるし,同じ技を繰り出すには待機時間が必要になるものの,セットしてある4つの技を続けざまに使えるので,かなり直感的に操作できる印象を受けた。
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ただ,直感的だから戦闘は簡単なのかと言うと,「慣れないうちはかなり難しい」というのが筆者の感想だ。というのも,野生のポケモンとの戦闘はトレーナーが狙われていることも多く,相手のポケモンの技を避けながら,自分のポケモンに指示を出さなくてはならないからだ。
トレーナーと相手のポケモン,そして自分のポケモンという3点に気を配りながらのリアルタイム戦闘というのは,これまでのポケットモンスターシリーズにない緊張感があったし,狙った動きがうまくできたときの達成感もあり,非常に楽しかった。
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この後もワイルドゾーンを探索して,「チルット」や「モココ」といった可愛らしい野生のポケモンたちと出会った。ビルの屋上では非常にレベルの高いオヤブンの「ピカチュウ」とも出会い,ビルから飛び降りながら(落下ダメージはない)空中で「10まんボルト」を叩き込まれ,満身創痍で逃げ出す一幕もあった。
「空中でトレーナー自身がピカチュウの10まんボルトに打たれる」という経験ができるのは,シリーズ初ではないだろうか。
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ワイルドゾーンを含め,自由に行動できるエリアでは,いつでもメニューを開いてポケモンボックスへアクセスしたり,手持ちのポケモンの技を思い出したりできる。主人公の着せ替えや,フォトモードといった戦闘以外の機能も充実しており,ポケモンとの共存を最大限楽しむためのシステムが用意されていると感じた。
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油断していると先制攻撃! “フリースタイル”なバトルゾーン
ワイルドゾーンの次は,赤いホログラムで囲われたバトルゾーンでZAロワイヤルを体験した。バトルゾーンは,野生のポケモンが出現することはなく,ほかのトレーナーとのバトルに専念できる仕様になっている。
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ほかのトレーナーとの戦闘で特徴的なのが,「こちらから先制攻撃を仕掛けられる」という点だ。バトルゾーン内では,ほかのトレーナーはフィールドにポケモンを出した状態で街を徘徊しているので,野生のポケモンと同様,近づいてからの先制攻撃が可能なのだ。
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先制攻撃を仕掛ける際に重要なのが,「相手に発見されないこと」だ。相手の視界に入らないように物陰に隠れたり,音を出さないようにしゃがみながら移動したりして,相手のすぐ近くまで接近する。射程圏内に入ったなら,ポケモンに技を指示して,先制攻撃を仕掛けるのだ。
攻撃を仕掛ける前に相手に見つかってしまうと,イーブンな状態から戦闘が始まるか,不意打ちを食らうことになる。有利な状態から戦闘を開始するには,ステルスアクションが重要になるというわけだ。
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トレーナー同士の戦闘では,トレーナーがダメージを受けることはない。対多数と相手取ることもないため,野生のポケモンと戦うときよりもタイプ相性や技の使いどころに意識を割きやすく,従来のポケットモンスターシリーズに近い感覚で戦闘ができるように感じた。
本作の戦闘では,いつでもフィールドに出ているポケモンを入れ替えられる。戻すタイミングや出すタイミングで多少の隙は生まれるが,タイプ有利が取れるほうが圧倒的にリターンが大きいので,トップトレーナーになるには,相性を素早く判断して操作することが重要になりそうだ。
ZAロワイヤルでランクを上げるには,バトルゾーン内で「チケットポイント」を上限まで集めてチケットを獲得し,ランクアップ戦に挑む必要がある。ポイントはトレーナーとの戦闘に勝利するか,マップに点在している「ボーナスカード」を拾って,そこに書かれたミッションをクリアすることで集められる。
ボーナスカードの内容は,特定のタイプの技で先制攻撃をしたり,1回の技でポケモンをノックアウトさせたりと,多種多様なものがある。幅広い種類のポケモンを育成しておくことが,ミッション達成のカギになってくるだろう。
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ポイントを貯めてチケットを手に入れると挑戦できるランクアップ戦は,決められたトレーナーに話しかけて開始する。従来のポケットモンスターシリーズで言うところの「ジムバトル」のようなものだ。
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ほかのトレーナーと戦闘の仕組みについては変わらないので,ここでは「技の特徴」について触れていこう。本作の技には,従来のポケットモンスターシリーズにあった,技の使用回数上限(PP)はなく,代わりに「はつどうじかん」というものが設定されている。これは,一度使ったあとに何秒使えなくなるか,というクールタイムのことだ。強力な技ほど発動時間が長く,連続して使えないという制限がある。
また,リアルタイム戦闘になり大きく変化したのが,「どくびし」や「うずしお」といった,継続的に効果のあった技の扱いだ。これらの技は,本作では一定時間残る設置型のトラップのようなものになっており,その上を通った相手のポケモンに対して効果を発揮する。それ単体で大きなダメージを与えることはできないが,技の組み合わせで面白い戦術が採れそうだ。
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暴走メガシンカポケモンとの戦いのカギは,メガシンカ
最後は暴走メガシンカポケモンである「暴走メガウツボット」との戦闘だ。形式は,特殊なフィールドのなかで暴れているポケモンを,技で攻撃して落ち着かせるというもの。中央のHPゲージを削り切ると,攻略完了となる。言うなれば,アクション強めのボス戦闘のようなものだ。
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暴走メガシンカポケモンとの戦闘においてカギを握るのは,やはりメガシンカだ。本作では,メガシンカができる手持ちポケモンに「メガストーン」という専用の道具を持たせておいた状態で,画面右下にある「メガリング」のゲージを最大にすることでメガシンカが行える。「ポケモン X・Y」のときは,戦闘中にメガシンカを行えるポケモンは1匹のみだったが,本作ではそうした制限はない。
メガリングのゲージを増やすには,技を当てたり,暴走メガシンカのポケモンが落とすメガエネルギーの塊を拾ったりして,メガエネルギーを集める必要がある。
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暴走メガシンカポケモンとの戦闘は,野生のポケモンとの戦闘なので,トレーナー自身のHPにも気を配らなければならない。ただ,メガリングのゲージを溜めるためのメガエネルギーの塊を拾うには,暴れ狂うメガシンカポケモンに近づく必要があり,ダメージを受けずに拾うのは難しい。
メガエネルギーの塊を拾いにいって早くメガシンカをさせる,ハイリスクハイリターンの戦略か,あるいは自身は遠くから指示だけをしてHPを削る,ローリスクローリターンの戦略か,駆け引きが試される戦闘になっている。
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メガシンカをしたポケモンは,能力のパワーアップのほかに,すべての技が「ワザプラス」という強化状態になる。通常時よりも威力の高い技が繰り出せるようになるので,まさに攻め時というわけだ。
ワザプラスは,メガシンカポケモンの特権というわけではなく,ほかのポケモンでもメガリングのゲージを消費して使用できる。ワザプラスを使えば,どのポケモンでもメガシンカポケモンに対抗できるので,メガシンカ一辺倒にならず,多様な戦略が考えられそうだ。
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メガシンカのルールは,従来のポケットモンスターシリーズから大きく変化している。まず,1戦闘1回という制限はなくなっており,メガリングのゲージが最大まで溜まるたびにメガシンカが可能だ。その代わり,メガリングのゲージは,メガシンカ後は徐々に減少していき,0になるとメガシンカが解除されてしまう。
メガシンカをしたポケモンは,ポケモンを交代させてもメガシンカ状態が維持される。メガシンカができるのは手持ちのポケモンから1匹だけなので,3匹同時にメガシンカさせるといった芸当はできないが,メガシンカポケモンが倒されそうになったときに一度引っ込めてキズぐすりで回復させる,といった動きができる。
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暴走メガシンカポケモンを撃破し暴走を鎮めれば,メガシンカに必要なメガストーンを入手できる。メガストーンの入手法はほかにもあり,ミアレシティの探索で入手できる「メガカケラ」を一定数集めると,メガストーンに引き換えられるという。詳しくは,実際にプレイして確かめてみてほしい。
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本作は,これまでとはまったく違った戦いが味わえる挑戦作だと感じた。難しさを感じる部分もあったが,操作は非常に直感的で,自身の成長が楽しめる作品に仕上がっている。
そして,ターン制のコマンド戦闘ではなくなったことで,アニメ作品のようなリアリティのあるポケモンの世界を感じられたことがとても嬉しかった。
「X・Y」でカロス地方を冒険した人にとっては,再開発が進むミアレシティの欧風の街並みを見られたり,これまで見つかっていなかったメガシンカポケモンと出会えたりと,懐かしくも楽しみな要素がたくさんある。期待に胸を膨らませて,目前に迫った発売を待とう。
「Pokémon LEGENDS Z-A」公式サイト
- 関連タイトル:
Pokémon LEGENDS Z-A Nintendo Switch 2 Edition
- 関連タイトル:
Pokémon LEGENDS Z-A
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- ライター:つきひ

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