
プレイレポート
[プレイレポ]「戦場のフーガ3」は新たなシステムにより,キャラクター性とバトルがより緊密に結びつく。少年少女の運命はいかに完結するのか
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戦争に巻き込まれた子どもたちが,謎の巨大戦車に乗って戦い続ける本作は,一味違ったコマンド選択バトルを楽しめる。戦いは派手かつ戦術的になり,巨大戦車で暮らす平和な日常が子どもたちへの感情移入を深めていく。生命と引き換えに放たれるソウルキャノンを使わせないように,頭を搾って最善の一手を探し出そう。
[プレイレポ]「戦場のフーガ3」は第一章から衝撃の展開が待っている。さらわれた仲間を助けるため,子供たちは再び戦車に乗り込む……
![[プレイレポ]「戦場のフーガ3」は第一章から衝撃の展開が待っている。さらわれた仲間を助けるため,子供たちは再び戦車に乗り込む……](/games/873/G087303/20250312032/TN/033.jpg)
「戦場のフーガ3」の発売に先がけて,第一章を体験できたのでインプレッションをお届けする。本作は「戦争×復讐×ケモノ」をキーワードとした「ドラマティックシミュレーションRPG」シリーズの完結編だ。子供たちは再び戦渦に巻き込まれ,そこには最悪の展開が待っていた。
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「戦場のフーガ3」公式サイト
新たなシステムにより,キャラクター性とバトルがより緊密に結びつく
「戦争×復讐×ケモノ」をキーワードに,「イヌヒト」「ネコヒト」の少年少女が懸命に生き抜く姿を描いたシミュレーションRPG,それが「戦場のフーガ」だ。2021年から続くシリーズ三部作も完結編となり,より洗練されたシステムでスリリングなバトルを体験できるようになった。
「戦場のフーガ3」の舞台は,前作の数週間後。主人公・マルトがさらわれてしまい,妹のメイ,医者を目指すハンナ,直情的なカイル,食いしん坊のボロン,発明家のソックス,賑やかな双子の姉弟チックとハック,呪術を使うシーナ,機械いじりが好きなジン,マイペースなワッパ,元少年兵のブリッツは再び巨大戦車「タラニス」に乗り込む。
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マルトを取り戻すべく戦場に赴く子どもたちの前に立ちはだかるのは,マルトの兄・アッシュが率いる帝国の精鋭「魔血騎隊」だ。アッシュは「マルトが世界を破滅させる」として,さまざまな手段で妨害を仕掛けてくる。
果たして,アッシュの真意はどこにあるのか。
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タラニスはその出自や真の性能など,謎の多い戦車だ。進化することで強力になり,本作では空も飛べるようになる。必殺の武器「ソウルキャノン」はどんな敵でも消し飛ばすが,発動には子ども1人の生命が引き換えになる。苦戦の中で子どもたちが思いつめると,仲間を守るために自らを犠牲にしてソウルキャノンを発射してしまう。
さらに今回のタラニスには,全員の生命を引き換えにする悪魔の新兵器「メガソウルキャノン」が搭載されている。あまりにも不利な戦況になると強制的に発動し,バッドエンドを迎えてしまう。
プレイヤーはできるだけソウルキャノン,メガソウルキャノンを使わせないように子どもたちを指揮し,激しい戦いを生き抜いていくことになる。
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本作はシリーズ三部作の完結編だが,これまでの物語はゲーム内でも確認できる。戦闘システムも「前作システムのチュートリアル」をONにすれば,初めてプレイする人も戸惑うことはないだろう。
バトルはターン制のコマンド選択式だ。敵・味方を問わずキャラクターは素早い順に行動するので,これを把握して適切なコマンドを入力していく。
通常の難度でも,バトルには歯応えがある。タラニスのHPは回復の機会が限られ,ダメージを受けるほどに子どもたちに「おびえ」「ケガ」「戦闘不能」といった状態異常が起きやすくなる。そして前述のとおり,苦戦に陥ると子どもたちがソウルキャノンを使い,メンバーが1人また1人と減っていく。
悲劇を回避するべく一生懸命に頭を回転させ,なるべくダメージを抑えつつ戦わなければならないため,高い緊張感が漂う。
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ソウルキャノンを使わせないためには敵が持つ「弱点」,これを突く子どもたちの「武器」「サポート効果」「スキル」が重要だ。タラニスに備えられた3つの砲座には,それぞれにメインとサブの座席があり,状況に応じてキャラクターを入れ替えていく。
「3ターンごとに自分の攻撃や耐性をカスタマイズできるコマンド選択バトル」というわけで,敵の攻撃に対策を立てて,アクティブに仲間の編成を変える,忙しくもやりがいのあるバトルを楽しめる。
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子どもたちは砲座のメイン席に配したときの武器とスキル,サブ席に着いたときのサポート効果をそれぞれ持つ。武器には命中率に優れるが火力は劣る「マシンガン」,その逆の「キャノン」,バランスが取れた「グレネード」があり,スキルは「SP」と引き換えに高火力の攻撃や敵に状態異常を与えられる。
そして,サポート効果は火力アップ,状態異常を防ぐ,攻撃を当てるとHP回復など,さまざまだ。
メイン席の子どもを選ぶうえでは,敵の弱点が重要な判断基準となる。弱点に対応する武器で撃てば,これを破壊できるからだ。
さらに,連続して弱点アイコンを破壊すれば,新要素「弱点コンボ」が成立して攻撃力がアップ。同時に「バーストシンボル」が蓄積され,最大値に達すると新要素「バーストアタック」が発動する。
バーストアタックの効果は「敵全体にダメージを与え,自身のHPを回復する」「全体攻撃に加えて,敵の装甲ランクを下げる」など,かなり強力だ。効果はメインとサブの組み合わせで決まるため,意識できるようになれば有利に戦えるだろう。
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敵の中には強力な武器を持つ機体もいるが,発射の前には「詠唱」と呼ばれる準備が必要だ。そのまま放っておくと,大ダメージやデバフなどの大きな被害を受けてしまう。
しかし,発射される前に弱点アイコンをすべて破壊できれば,詠唱を中断させて優位に立てる。ひとたび詠唱を終えると,強力な武器を連発してくるような敵もいるため,詠唱の中断は非常に重要だ。
ここでポイントになるのは,行動順の遅延と詠唱の中断は「すべての弱点アイコンを破壊した」際に発生することである。弱点を複数持っている機体の場合,破壊が間に合わないこともあるだろう。また,詠唱していないのに,弱点アイコンを破壊し尽くしても戦術的な意味は薄い。
しかし,相手がどんな行動を取るかを把握しておけば,ある程度の先読みや先手を打った対策が可能だ。
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そのためには,砲座に着く仲間を変更する「戦術モード」により,破壊すべき弱点アイコンに応じた編成が必須となる。戦術モードを使うと,その後の3回の行動が終わるまで再使用できない。
これだとできるだけ汎用性のある配置が良さそうに見えるが,本作の面白さは「状況に応じて頻繁にメンバーを交代して確実に弱点を撃ち,敵の危険な行動を封じる」ことにある。
マシンガンを弱点とする敵に対し,3つの砲座すべてにマシンガンの仲間を配置したり,危険な敵の詠唱を封じるために専用の編成を組んだりと,アクティブに仲間を切り替えれば,受けるダメージは格段に減っていく。
最初は詠唱を放置して大技を食らってしまうだろうが,「弱点アイコンを1つだけ残しておいて,詠唱を始めたら中断させられるようにする」「詠唱のない敵は放置し,ほかの厄介な敵を先に片づける」といった戦術を立てられるようになれば,指揮官としての気分は爽快だ。
さらにサポート効果を意識すると,考えることは増えていく。HPが減っていれば,与えたダメージに応じて回復するハンナに火力の高いキャノンの仲間をセットしたり,敵が状態異常を使う場合はそれを防ぐボロンのサポート効果に期待したりと,さまざまな組み合わせが考えられる。
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こうしたバトルをさらに派手にしてくれるのが,新要素「マルチリーダースキル」と「アシスト」である。
前作ではマルトにリーダースキルを覚えさせると,戦闘中にランダムでさまざまな効果を発揮したが,今回は12人がそれぞれ異なるリーダースキルを持っている。攻撃してきた敵に反撃する,味方の行動順を最速にするなど,もちろんいずれも強力だ。
ただ,いつ発動するかは分からないので,プレイ中は祈るような気持ちになるだろう。
リーダースキルの効果は各キャラクターのイメージに合ったものであり,発動することでそのままキャラクターが際立ち,思い入れが深まっていく。
例えば,耐久力の高い敵に手こずっているとき,マルトの「HPがある程度低下した敵を一撃で破壊する」リーダースキルが発動すると,「さすがリーダー!」と嬉しくなる。
一方,攻撃を受けて仲間がおびえの状態異常になった直後,ハンナの「おびえを回復させる」リーダースキルが発動すれば,彼女の優しさを再確認することになるだろう。
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そしてアシストでは,シリーズ第1作,第2作の重要なキャラクターが登場し,能力アップやデバフなどで子どもたちを助けてくれる。シリーズファンにはたまらないフィーチャーであり,完結編にふさわしいシステムだ。
プレイ中の選択肢に応じて蓄積される「勇敢」「戦術」が一定値に達するたび,新しいアシストが開放される。「あのフラムが子どもたちを助けるの?」と驚いたファンも多いだろうが,それに至る経緯と理由もゲーム内で描かれている。
もちろん,子どもたちのテンションが上がると強力な追加効果を発揮する「ヒーローモード」や,会話によりボスの動きを封じる「ブレイクチャンス」といった特徴的なシステムも健在だ。さまざまなシステムがキャラクター性とゲーム性を結びつけており,いかにも日本のゲームらしさを感じられる。
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平和な日々を描く「インターミッション」が思い入れを強くする
マップの移動中,タラニスでの生活を描く「インターミッション」が発生する。仲間に話しかけて「親愛度」を上げたり,武器の強化や素材の入手をしたり,畑や家畜小屋の食材を使って料理をしたりと,束の間の平和な日々を楽しめる。
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親愛度は2人の子どもたちの関係性を示すものだ。インターミッションの会話,一緒に「洗濯」をするなどで上昇し,一定値に達すると「絆イベント」が発生する。2人の交流を楽しめるだけでなく,バーストアタックの効果も強化される。
誰と誰の親愛度を上げるか,それはプレイヤー次第だ。子どもたちには兄妹だったり,憧れを抱いていたり,思いを寄せていたりと,さまざまな背景がある。インターミッションでは操作するキャラクターを自由に切り替えられるため,仲良くさせたい2人を積極的に会わせよう。
そのほか,お題の行動をすることで子どもたちのテンションが上がる「みんなの連絡ノート」,探索のミニゲームを楽しめる「遺跡」といったフィーチャーも登場する。プレイしながら「この平和な時間がずっと続いてほしい……」と願う人も多いはずだ。
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インターミッションでの感情移入があるからこそ,「子どもたちを戦いで失いたくない」という気持ちは強くなるが,現実は非情だ。
タラニスのHPが減ると,子どもたちは落ち込んだり,ケガをしたりする。命中率が下がる,インターミッションで回復させるまで戦えなくなるといった不利を被るのはもちろんだが,年端もいかぬ少年少女が辛い思いをしているのを見ると,こちらまで心がキュッとなる。
そしてタラニスのHPが減っている状況が続くと,子どもたちの誰かが思いつめて,自分を犠牲にソウルキャノンの発射を決意する。決意は刻々と強くなり,敵を倒せないまま時間が過ぎると,ついにソウルキャノンが発射されてしまう。
その威力はすさまじく,戦いに“勝つ”ことはできる。だが,犠牲になった子どもは帰ってこない。インターミッションでは子どもたちの日常を描くカットシーンが挿入されるが,ソウルキャノンで消えた子どもは黒く塗りつぶされている。平穏な時間を過ごせていたはずが,自分の采配により失われてしまった現実を突きつけられるようだ。
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すると,誰かが思いつめるたびに緊張が走り,ソウルキャノンを発射させないために一刻も早くケリをつけようと,最善の一手を必死に考えるようになる。
さらに絶対不利の状況になると,子どもたちは全員でメガソウルキャノンを発射し,バッドエンドに直行する。一人一人が道半ばに倒れる悲しさや悔しさ,諦め,恐怖といった気持ちを語るため,見ているだけで悲しくなってくる……。
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戦闘は通常の難度でもやりごたえがある。ただ,戦闘に必ず勝てる「ファストモード」が用意されているため,物語を楽しみたい人も安心してほしい。
通常の敵は戦闘モードに入ることすらなく撃破できるうえ,ボス戦では究極武器「反応弾」を使えるため,もう負けることはない。反応弾は砲座に着くメンバーが誰でも使えて,属性に関係なく敵を一発で吹っ飛ばす。
つまり,弱点アイコンや詠唱阻止,戦術モード(仲間の入れ替え)といった戦闘の諸々を一切考えなくてもいい。
ソウルキャノンのようなペナルティはなく,経験値や素材といった報酬もそのまま手に入る。通常のバトルを楽しみながら,危なくなったら反応弾を撃つこともできる。
また,通常の難度でゲームを進めたうえで,途中からファストモードに切り替え可能。既存のセーブデータをコピーしてファストモード用のデータが作られるため,いずれリベンジに挑戦するのも面白いだろう。
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そして,ゲームを進めると「アカシャパネル」と呼ばれるイベント年表が開放される。過去のバトルをやり直したり,サブキャラクターの過去を垣間見たり,新たなエンディングやイベントを見たりできる要素だ。
なお,本作にはすべてのエンディングを迎えると初めてたどり着ける「スペシャルエンド」や,特殊な「シークレットイベント」が用意されているらしい。すべてをコンプリートするまで,じっくりと楽しめそうだ。
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「戦場のフーガ3」は戦術性とキャラクター性が強固に結びついているタイトルだ。新システムのマルチリーダースキルやバーストアタックがキャラクター性を強調し,バトルとインターミッションを緊密につなぐ役割を果たしている。魅力的なケモノキャラクターはもちろんだが,一味違うコマンド選択バトルを求めている人も楽しめるはずだ。
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「戦場のフーガ3」公式サイト
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