
プレイレポート
[プレイレポ]「はらぺこミーム」は,リアルタイムの10分間で何をやるべきかを常に考えさせられる,歯応えあるコロニーシミュレーション
リリースに先駆け本作をプレイする機会を得たので,インプレッションを交えて概要を紹介する。
![]() ※発売はPC版をドリコム,Switch版はクラウディッドレパードエンタテインメントが担当している |
本作は,ドリコムとE-ONEが共同開発したタイトルだ。「moon」「ちびロボ!」などを手がけた西 健一氏が原案を,「がんばれ森川君2号」「ジャンピング・フラッシュ」「アストロノーカ」などで知られる森川幸人氏が世界観デザインとAI設計を担当していることでも注目を集めている。
物語の舞台となるのは,世界樹の周囲で暮らす不思議な生き物・ミームを描いた絵本の世界。絵本の中では,食いしん坊なミームたちが「キセキのなべ」で料理を作り,その喜びが光となって世界樹を成長させていた。
しかしあるときキセキのなべが壊れ,ミームたちは生きる楽しさを失ってしまう。世界樹も枯れてしまい,そしてミームも残り1匹となり絶滅寸前……というのが絵本の結末である。
プレイヤーはその悲しき物語を変えるため,奇跡的に復活した世界樹のもとで,ミームが繁栄するよう絵本に干渉していくこととなる。
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プレイの基本的な流れだが,まず世界樹の内部をミームたちに探索させて素材を集める。そしてその素材を使ってミームたちが食べる料理をキセキのなべで作ったり,村の各種施設を建設したりしていく。
料理の中には“最高のごちそう”である「宴」があり,これを作ってミームたちが喜ぶことで世界樹が成長し,探索できる場所や建設できる施設も増え,さらに村が発展していくのだ。
なお絵本の中での1日は,リアルタイムで10分となっている。
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世界樹内部の探索では,プレイヤーが移動させる「ふくろ」(袋)の周辺を,ミームたちが自身の判断で動き回る。
ミームにはそれぞれ「まんぷく」「メンタル」「ヘルス」というステータスが設定されている。
まんぷくが低い(空腹)ミームは,食材を見つけたときに自分で食べてしまう。そして,ある程度腹が満たされると食材を袋に投げ入れるようになる。また,初めて見た素材はとりあえず食べてしまうが,食べられないものであれば吐き出し,再び拾って袋に入れる。
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AIによって学習しつつも,なかなかプレイヤーの思いどおりにならないミームのたちの姿は,見ている分には可愛いと思えなくもない。しかし,探索中に1日の終わりを迎えてしまうとペナルティで集めた素材の半分以上を失うので,あまりのんびりとしていてほしくもないのである。
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ミームたちは,結構些細なことでメンタルが低下する。メンタルが一定以上に下がると,ふくろを蹴って素材を外に放り出したり,施設を攻撃したり,料理にイタズラをしたりといった迷惑な行動を取るようになる。
メンタルを回復するには「おやつ」を食べさせなければならないので,あらかじめキセキのなべで作り,探索に持ち込んでおく必要がある。
ヘルスは,ミームの体力を指す。探索中に敵から攻撃を受けヘルスが低下すると,そのミームは動けなくなってしまうので,こちらも配慮しなければならない。
![]() ミームのメンタルが下がると,充血した目をカッと見開く |
![]() 放っておくと村内や探索中に迷惑行動を取るので…… |
![]() おやつをあげてメンタルを回復する。なお,おやつでは空腹やヘルスは回復できない |
![]() メンタルが回復すると,普通の姿に戻る |
![]() 敵の中には,ミームや袋から素材を奪う「オバケちゃん」もいる。紫の円状のエフェクトが目印だ |
探索を続けていくと,ミームたちは行動に応じたスキルを身に付けていく。たとえば草むらでゴソゴソする行動を繰り返しているミームは「足元ゴソゴソ」を習得する。
こうした新しいスキルによって,探索できる場所が増えて新たな素材を拾えるようになり,ひいては作れる料理や施設の種類が増えていく。
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![]() 新たなスキルを習得すると,ミームの外見も変わる。この場合は尻尾が生えた |
なお袋には容量が定められており,それを超えると移動できる距離が短くなる。たとえば容量15の袋に25の素材を入れるとほぼ動かせなくなってしまう。そうなったら不要な素材を捨てて,帰還することになる。
![]() 村と世界樹の内部を行き来するには,画面左側の「トーレンゲート」を使う |
![]() 探索を進めると,利用可能なトーレンゲートが増えていく。探索可能な場所が広がるので収集できる素材も増える |
持ち帰った素材で作れる料理は,上記のおやつと宴に加え,「ごちそう」がある。おやつは素材の必要数が少なく,比較的集めやすい上に,10秒で完成するため多めにストックしておくとミームのメンタル回復に活用できる。
ごちそうは,ミームのまんぷくやヘルスを回復する料理で1日1回しか作れない。そして宴は繰り返しとなるが世界樹の成長に必要となる重要な料理で,素材はもちろんミームの数など条件を満たさないと作れない。
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素材で作れる施設は,ミームが住む「ミームのおうち」や,ミームのメンタル回復に役立つ「トランポリン」,ミームが働く「果樹園」などがある。
とくにミームは住む場所がないと,5日ごとに訪れる「まっくろ月の夜」でメンタルが大きく低下するので,最初に作っておきたい。
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![]() まっくろ月の夜はミームたちにとって恐怖の存在である |
なお,ミームたちには寿命がある。そのため,施設「愛の巣」を作り「ブリーディング」して,適宜ミームを増やしていく必要がある。ブリーディングでは,生まれてくるミームが親の外見やスキルを継承できるほか,進化スキルを習得する。
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![]() ミームが産んだ卵は,孵化装置を使う。孵化装置の復旧に必要なパーツは,探索などで手に入れる |
![]() 卵を孵化させるときは,習得するスキルを選択できる。進化スキル「ユサユサ揺らし」は,木を揺らして素材を地面に落とせるスキルだ |
探索中のミームたちは思うように動かないうえ,すぐにステータスが低下する。それをケアするべく料理や施設を作らなければならないが,そのためには探索で素材を集める必要があり……と,リアルタイムの10分間で何をどうやるか頭の中で組み立てつつ1日1日を過ごしていくのが本作の醍醐味と言える。
![]() 1日の終わりには,その日の成果を確認できる |
しかし,それはゲームの内容をある程度理解したからこそ言えることで,遊び始めたばかりのプレイヤーは何をどうすればいいのか途方に暮れるかもしれない。
そんなプレイヤーにとってうってつけの存在が「トーレン様」である。トーレン様は,「お願い」という形でプレイヤーにクエストを依頼してくるので,それをクリアしていくだけでゲームの進行に必要な施設が揃っていったりもする。
何をすればいいか迷ったら,とりあえずトーレン様のクエストをクリアすることを考えればいい。
![]() 困ったときのトーレン様頼み |
「はらぺこミーム」は,絵本の世界やゆるキャラのような外見のミーム,そしてSwitchでも遊べることなどから,一見すると誰でも気軽に遊べるホンワカしたゲームのように見える。しかし,その実態は上記のとおりかなり頭を使うことを強いられる作品でもある。
なお今回プレイしたバージョンは,難しいとの声も多かったPC(Steam)向け体験版より難度が低いらしい。筆者としては,これでも難しいかなと思ったので,同バージョンのプレイがどれだけ大変なのかが少し気になるところ。
ただこの難しさは,やりごたえに繋がっていることは確かだ。歯応えのあるコロニーシミュレーションを求めている人は,ぜひ本作をチェックしてほしい。
なお,最初にプレイするときの難度は「やさしい」がオススメだ。また一度プレイを始めたあとでも,難度を変更できることも覚えておくといい。
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「はらぺこミーム」公式サイト
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- CERO A:全年齢対象
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- ドリコム
- プレイ人数:1人
- PC:はらぺこミーム
- PC
- ドリコム
- プレイレポート
- ライター:大陸新秩序

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