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[インタビュー]新作トップビューバトロワ「Arkheron」は,DRIMAGEのチョン・ウヨン代表が「恋に落ちた」期待作
下記の記事は,GAMEVU(→リンク)に掲載された記事を,許可を得て翻訳したものです。可能な限りオリジナルのまま翻訳することに注力していますが,一部日本の読者の理解を深めるために,注釈の追記や,本文や画面写真の追加・変更をしている箇所もあります。(→元記事)
DRIMAGEは2025年9月15日,Bonfire Studiosと数年間にわたり準備を続けてきた期待作「Arkheron(アーケロン)」(PC / PS5 / Xbox Series X|S)のハンズオンイベントを韓国・ソウルのGGX(Gen.G Gaming Xperience)で開催した。
本作は,死後の世界を舞台にしたチームベースのオンラインPvPゲームだ。Blizzard Entertainment出身のベテラン開発者であるロブ・パルド氏が率いるBonfire Studiosのデビュー作として,プロジェクトの発表時から,世界中で注目を集めている。
パブリッシングは,DRIMAGEが韓国を,DRIMAGE JAPANが日本を担当する。
本作最大の魅力は,スピーディーな戦闘と,無限に広がるアイテムビルドの融合よる絶妙なバランスにある。従来の「乱闘系ゲーム」(バトルロイヤルやMOBAといった対戦型ゲーム)が抱えていた限界を打ち破り,同ジャンルでこれまで見たことのない話題作の誕生を予感させる仕上がりだ。
パルド氏は,「200時間プレイしても,まだ新しいビルドを発見できる」と語った。これは単に,ゲームのボリュームを意味するのではなく,プレイヤーが味わえる無限の創造性と戦略の広がりを意味している。
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とくに注目すべき点は,Bonfire Studiosがグローバル展開の重要な拠点として,韓国を選んだという点だ。パルド氏は,「海外でパブリッシングパートナーを置いているのは,韓国だけだ」と語り,韓国市場への特別な信頼を示した。
また,「韓国ゲーマーの鋭い視点と,率直なフィードバックを踏まえれば,グローバルでの大成功を確信している」と続ける。韓国市場の存在感と,ゲーマーの水準の高さが認められた証ともいえる。
インタビューには,DRIMAGEの代表取締役のチョン・ウヨン氏,事業室長のソ・チョンドン氏に加え,Bonfire Studiosの中核メンバーが参加した。パルド氏,CSOのキム・ミン氏,ディレクターのジェレミー・クレイグ氏といった業界トップクラスの開発陣が一堂に会したことで,このゲームの期待感は最高潮に達していた。
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本作のPC向けアルファプレイテストは,9月20日から22日までと,9月26日から28日までの2回に分けて開催予定だ。興味のある人は,Steamストアページ(外部リンク)から参加リクエストを送ってみよう。
関連記事3人1組で戦う新作PvP「Arkheron」,ゲームプレイシーンを確認できるトレイラーが公開に。今週末よりPC向けのアルファプレイテストも開催
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DRIMAGEとDRIMAGE JAPANは本日(2025年9月18日),同社がパブリッシングを担当する新作「Arkheron」の最新映像を公開した。本作は3人1組で謎めいたタワーの頂上を目指すチームベースのPvPゲームだ。対応機種はPC,PS5,Xbox Series X|Sで,PCを対象としたアルファプレイテストの開催も決定した。
――Arkheronの開発で,一番面白い,やりがいを感じた,という瞬間はいつでしょうか。
パルド氏:
実際にゲームをプレイしながら,さまざまなアイテムの組み合わせを試すのが面白いですね。予想もできなかった組み合わせが生まれることもあり,200時間プレイしても新しい発見があります。
勝敗に関係なく,1日中記憶に残る瞬間が多いので,ビルド構築がもっとも楽しい要素といえます。
――世界観や設定でもっとも重視した点は,どこですか。
パルド氏:
IPの基盤となるフレームワークの開発に重点を置きました。死後の世界が舞台で,登場するすべてのキャラクターは前世から来た人々です。
彼らの記憶や感情を,シンプルかつエレガントなフレームワークに落とし込んで,キャラクターごとの個性ある視点や成長の旅を描けるようにしました。
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――韓国市場を「PvPゲームの実験場」と表現した理由と,今後,フィードバックを反映していく方法を教えてください。
パルド氏:
海外でパブリッシングパートナーを置いているのは韓国だけです。DRIMAGEとのパートナーシップで,韓国市場により近い関係にありますし,プレイヤーのフィードバックを積極的に取り入れ,コミュニティの動向を注視しています。
――トップダウン型のバトルロイヤルゲームは,市場定着が難しいとされていますが,Arkheronはどう克服しますか。アーケロンならではの要素も教えてください。
パルド氏:
Arkheronは,戦略的な深さと,競争心を刺激するバトルを持つゲームです。テンポの早い戦闘と,トップダウンビューが,本作のユニークな部分だと考えています。
チョン氏:
トップダウンビューという共通点だけでゲームをくくるのは,難しいです。それぞれのゲームには独自の意図があり,プレイヤーの受け止め方で結果も変わります。
Arkheronは,戦略的なバトルが特徴で,それをどう受け止められるかを確かめるために,プレイテストを重ねています。
現時点では,リリーススケジュールよりも,市場の反応を重視しています。
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――隠れてやりすごす戦略への対応策はありますか。
クレイグ氏:
時間が経過するにつれて,エリアが縮小し,隠れる余地を減らす仕組みにしました。
チョン氏:
待つことが必ずしも有利というわけではないです。アイテムの獲得やビルド構築が重要で,相手を倒せばより良いアイテムを手に入れられます。戦闘後に体力の一部が回復するので,単純な有利/不利ではない戦略的な選択が求められます。
――ゲームのやりこみ要素を1つあげるとしたら何でしょうか。
チョン氏:
各シーズンに約10個のエターナル(アイテム)があり,毎シーズン一部が追加/削除されます。新しいエターナルを使いながら,新しい戦略を模索していくのがゲームの主なやりこみ要素です。
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――マルチプラットフォームで展開予定ですが,操作方法間のバランスはどうとりますか。
キム氏:
韓国はPCゲーマーが多く,北米や日本はコンソールプレイヤーが多いと思います。Arkheronをリリースしたら,それぞれ皆さんがプレイしたいプラットフォームで楽しんでほしいです。
また,操作システムのバランスについては,社内テストで,コントローラのプレイヤーが,キーボード&マウスのプレイヤーに十分対抗できることを確認しました。
コントローラでのエイムや移動もスムーズなので,リリース後もバランスに問題はないと思います。マッチングについては,プラットフォームで分けず,スキルベースで行う予定です。
――パーティ機能はありますか。また,ソロが不利になることはありませんか。
クレイグ氏:
パーティを組んで参加できます。スキルレベルに応じたマッチングシステムを開発中で,同じビルドや所属コミュニティを基準にしたシステムも検討しており,フレンドがいなくても,似たタイプのプレイヤーとチームを組めます。
――武器ごとの処刑モーションを多様化する予定はありますか。
クレイグ氏:
現在は武器ごとに完全に異なる処刑モーションはありませんが,多様な演出をテストしており,シーズンを重ねながらバリエーションを増やす予定です。
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――PCバン(韓国のネットカフェ)での展開も考えていますか。
チョン氏:
韓国国内の大手PCバン事業者と協議しており,かなり有意義な進展がありました。
――Arkheronのパブリッシングを決定した決め手は,何だったのでしょうか。
チョン氏:
契約前に何度もスタジオを訪れてプレイしましたが,毎回「もう1回だけ!」と,お願いしている自分がいました。
ゲーマーとして,Arkheronに恋しちゃったというのが素直な気持ちです。DRIMAGEのポートフォリオの中でも,本作は重要な役割を担い,プレイヤーとともに成長していくゲームになると思っています。
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――パブリッシャにDRIMAGEを選んだ理由を教えてください。
クレイグ氏:
私たちのゲームを,私たちと同じレベルで好きで,理解してくれるパートナーが必要でした。数多くのパブリッシャを検討していく中,DRIMAGEからは,その情熱を感じられました。
――セーフゾーンが従来のバトルロイヤルと異なる仕組みですが,差別化した理由は何でしょうか。
※本作のセーフゾーンは,エリア内にいくつかビーコンが出現し,そのビーコンを中心にセーフゾーンが狭まっていく仕組み
クレイグ氏:
90秒ごとにダイナミックに生成されるシステムで,チーム間にセーフゾーンを作成し,小規模戦闘を誘発するためです。
このゲームの楽しさは戦闘から生まれるので,このシステムが最適だと判断しました。
キム氏:
既存のバトロワのシステムは,Arkheronには合いませんでした。独自のシステムにより,Arkheronが追求する新たなバトルの楽しさを体験してもらえると思います。
――MOBAなどのジャンルと似ているところもありますが,参考にした部分や,差別化した部分はどこでしょうか。
パルド氏:
チームベースという共通点はありますが,MOBAを参考にしたわけではありません。アクションRPGやシューティング,バトルロイヤルなどを参考にしているので,見た目はMOBA風だとしても,ゲームのDNAは異なります。
キム氏:
トップダウンビューとフリーエイムがもっとも差別化された要素です。そのため,戦闘のスピード感が異なりますし,エイム要素もMOBAとはまったく違います。また,ビーコンもArkheronならではの要素です。
だからといって,MOBAファンが楽しめないゲームではありません。「リーグ・オブ・レジェンド」に慣れているプレイヤーなら,Arkheronにハマるケースも多いです。
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――ストーリーで没入感をさらに高められると思いますが,こちらの予定はいかがでしょうか。
クレイグ氏:
競技性を重要視しているので,その妨げにはならないようにしつつ,社内では物語要素にも力を入れています。キャラクターたちの設定やストーリーはすでにゲームに反映されており,タワーが破壊された理由のような細かい設定も用意しています。
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――モバイル版の展開予定はありますか。
パルド氏:
実装が難しい部分が多く,現時点ではありません。もしゲームが成功すれば,検討する余地が生まれるかもしません。
――eスポーツに関する計画はありますか。
パルド氏:
eスポーツのために,ゲームを作るとは考えていません。競技性があり,戦略に深みのあるゲームを作ることが重要で,それにはコミュニティの反応も大切です。
もし,Arkheronでeスポーツが定着すれば,積極的にサポートします。
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