
プレイレポート
宇宙開発シミュレーション「Keplerian Space Discovery」を紹介。そこには“好きじゃないと作れない”と思わせる熱量があった[TGS2025]
むむむ,どうやら宇宙開発ものらしい。人がプレイしている様子を見ると,ロケットを組み立てて,それを発射しているようだ。「Kerbal Space Program」(以下,KSP)っぽいなと思い,気になったので,試遊させてもらった。
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インディーデベロッパのKugelblitzが開発している本作は,自分のロケットを組み立てて発射し,宇宙を探索するゲームだ。エンジンや燃料タンク,フェアリングなどを組み合わせ,宇宙に飛び出すためのロケットを自由に組み立てていく。
出展されていたバージョンでは簡単なロケットを組み立て,実際に発射するところまでを体験できた。
面白いのはいろんな数字を適切に設定して,自動で打ち上げを行えるところだ。同ジャンルのKSPにはなかった機能で,手動操縦が苦手な自分には嬉しかった。
ぶっちゃけると,KSPによく似ている本作だが,開発者は1000時間以上プレイするほどハマっていたという。続編の「Kerbal Space Program 2」を楽しみにしていたが,自分が思ったものではなく,ならば自分で作ってみようと開発を始めたそうだ。
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あえて比べていくが,KSPと違うところは現実の宇宙――つまり太陽系の天体を表現していることだ。天体の運動はケプラー方程式に基づいて精密に再現されているという。各天体の動きを見ているだけでも楽しい。
契約を達成して資金を稼いだり,衛星を打ち上げたりといった要素はひと通り用意される予定で,宇宙ステーションも建設できるようになるという。試遊版では実際にISSが衛星軌道を回っていた。ちなみにこちらも実際のISSの軌道を再現しているとのこと。
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筆者は本作から“好きじゃないと作れない”と思わせる熱量を感じた。すでに先駆者がいるとはいえ,ニッチなジャンルのタイトルを開発するということは,そういうことなのだと思う。
もちろん,ほとんどの開発者が自分が作っているゲームが好きで,面白いと思っているはずだが,「Keplerian Space Discovery」には,それとは少し違う“何か”を感じたのだ。
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早期アクセスは2026年3月16日を予定しているという。ロバート・ゴダードが世界で初めて液体燃料ロケットを打ち上げてから100年目となる日だ。宇宙開発にとって重要な一歩を踏み出した日だが,本作にとっても重要な一歩を踏み出す日になることを期待したい。
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「Keplerian Space Discovery」公式サイト
- 関連タイトル:
Keplerian Space Discovery
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