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「劇場版総集編 ガールズバンドクライ 【前編】 青春狂走曲」が10月3日より公開中! 初日舞台挨拶レポート
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劇場版総集編「ガールズバンドクライ」公式サイト
「ガールズバンドクライ」(以下,ガルクラ)は,2024年4月〜6月にTVアニメが放送された東映アニメーションによるオリジナルアニメ作品だ。
「イラストルック3DCG×フルアニメーション制作」という,東映アニメーションが培ってきた技術を存分に盛り込んだ“最高峰のガールズバンドアニメ”として放送されるやいなや,その強烈なインパクトとドラマ性からじわじわと人気を獲得。物語が中盤に差し掛かるころには,SNSを中心に大きな話題を呼んでいた。
物語は,高校を中退して単身上京した井芹仁菜が,憧れのバンドボーカル 河原木桃香と出会い,音楽の魅力に目覚めるところから始まる。
その後,本心を隠して生きる安和すばる,両親に捨てられた過去を持つ海老塚 智,天涯孤独のルパとともにロックバンド「トゲナシトゲアリ」(以下,トゲトゲ)を結成。悩みを抱えながらも,世の中の不条理に立ち向かい,自分たちの居場所を探し求める5人の少女たちの姿を描く。
今回の「劇場版総集編 ガールズバンドクライ【前編】青春狂騒曲」は,TVアニメ第1話〜第7話までを凝縮した構成となっており,本編中には新規カットや新曲も収録されている。
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多くのファンが待ち望んだ公開初日を迎えた本作。その舞台挨拶には,つい先日,日本武道館でのライブ(関連記事)を成功させた理名さん,夕莉さん,朱李さんの姿があった。シアターを埋め尽くしたファンの大きな拍手に包まれながら,3人はそれぞれ感謝と喜びを語った。
理名さんは「初めての舞台挨拶で少し緊張していますが,皆さんにお会いできて嬉しいです」とコメント。夕莉さんは本編終了後の舞台挨拶ということもあり,「楽しんでいただけましたか?」と客席に問いかけると,大きな歓声が返ってきた。朱李さんも初の舞台挨拶に緊張していると語りながら,笑顔でイベントを盛り上げた。
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それぞれが一言ずつ挨拶をすると,早速「総集編【前編】の公開を迎えた率直な感想は?」という質問が3人に投げかけられた。
理名さんは,自分たちにとっても初の総集編映画という経験であり,「観に来てくれる人がいるのか不安だった」と当時の心境を語った。しかし,実際に多くのファンを前にして「こんなにたくさんの人が来てくれるとは思っていなかった」と喜びを口にした。
夕莉さんは,放送終了から1年が経過した今でも「ガルクラ」を応援してくれているファンが多くいることを実感しており,「今回の総集編【前編】が公開できたのは,皆さんのおかげです」と感謝を述べた。
朱李さんは,「劇場で上映されることが本当に嬉しい」と笑顔で語り,映画館ならではの音響や大きなスクリーンで「ガルクラ」を楽しんでほしいと続けた。
続いての話題は,物語の中心となる仁菜と桃香の関係性について。総集編【前編】が第7話までをまとめた構成であることから,このテーマが取り上げられた。
理名さんは「お互いがお互いに惚れているような関係」と語り,「2人の人生にとって必要不可欠な運命的な出会いだった」とコメント。これに対し夕莉さんも「お互いが互いの人生を変え,成長していけるかけがえのない存在」と応じた。2人の想いが一致したことで,会場からは大きな拍手が湧き起こった。
次の質問は,広島出身で上京した理名さんが,熊本から上京した仁菜をどのように見ていたかというもの。理名さんは,アフレコ当時ちょうど広島から東京に出てきたばかりで,仁菜に自分を重ねる部分が多かったと語る。特に“都会への不安”や“知らない世界に飛び込む怖さ”に強く共感したといい,「境遇も似ていて,仁菜とは運命的な出会いだった」と振り返った。
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夕莉さんには,「桃香が一度は諦めかけた音楽を,仁菜との出会いをきっかけに再び始めることになった姿を見てどう思ったか」という質問が投げかけられた。
夕莉さんは,初めて桃香を演じたときから,20歳という年齢で挫折を経験している彼女に「自分よりも濃い人生を歩んでいるのでは」と感じていたという。一度夢を諦め,現実を知ってしまった桃香が,仁菜と出会ったことで「やっぱり音楽が大好きだ」と気づき,再び夢を追う姿に強いかっこよさを感じていると語っていた。
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朱李さんには,6話で仁菜,桃香,すばるに合流し,5人でのバンドとなって初めて演奏シーンが描かれたことについて,どう感じていたかという質問が投げかけられた。
朱李さんはまず一言,「やっと合流した」という感想を述べた。放送当時は毎週緊張しながら見ていたそうだが,序盤はルパの出番がなく,少し寂しい思いをしていたという。
その反動もあり,6話の放送時は「心臓バクバクでした」と振り返る。5人での演奏を見たときは,「これから5人の物語が始まるんだ」と思い,「とても幸せな気持ちになりました」と笑顔で語った。
続いて,「ガルクラ」をきっかけに現実でもトゲトゲとして活動してきた3人に,劇中の5人をどう見ていたかという質問が投げかけられた。
理名さんはすぐに「行動力とパフォーマンスのセンスがすごい」と,驚きと憧れが入り混じった感想を述べた。朱李さんは「劇中の仁菜たちと比べると,私たちはちょっと運動不足かも」と苦笑し,理名さんと夕莉さんも思わず同意。
理名さんが「すごく,すごい」と語彙を失ってしまったところで,夕莉さんが「すごくかっこよく描かれている,ということで」とフォローしていたのが微笑ましかった。
とはいえ,謙遜を含んでいるとはいえ,武道館公演をはじめこれまでのトゲトゲのライブを見たファンなら,劇中の仁菜たちに負けないほどパワフルで,理名さんの言葉を借りるなら「すごく,すごい」パフォーマンスであることは間違いないだろう。
夕莉さんは,「年齢も出身地も違う5人が出会ったのに,魂をぶつけ合うような人間らしさがあって,すぐに打ち解けていく姿がかっこいい」と語った。
実際のトゲトゲメンバーは全員が人見知りだったようで,結成当初は少し距離があり,心を開くまでに時間がかかったという。
一方で朱李さんは,「現実のトゲトゲと違い,劇中の5人は喧嘩っ早いけれど正面からぶつかり合える」と話し,そんな信頼関係の強さを魅力として挙げていた。
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その流れで,「バンドの楽しさと難しさ,そして音楽の魅力を教えてください」という少し難しい質問が出された。
理名さんは「やっぱり難しいですね」と口にしていたが,朱李さんが「みんなで音楽を作ることが楽しさのひとつ」と語ると,理名さんも「なかなかできることじゃない」と頷く。夕莉さんは「個人で趣味としてやっていたときは,バンド活動は夢の存在だった」と振り返りながら,「やっぱり一番はライブでお客さんと会えること。頑張ってきた成果を見てもらえるのが楽しくて嬉しい」と続けていた。
一方でバンドの難しさについては,「複数人で音楽を作るからこそ,人としての相性が大切」という意見で3人が一致。朱李さんが「方向性の違いってやつですよ」とつぶやくと,夕莉さんが「大丈夫だよね? 私たちは」と笑いながら問いかけ,すぐに理名さんが「それはもう大丈夫ですよ!」と力強く宣言していた。
最後の質問では,今後舞台挨拶ツアーで全国を巡る3人に意気込みが問われた。
理名さんは「これまで関東から出たことがなかったので,関東以外のファンの皆さんに会えるのが楽しみ」と語り,「現地の美味しいものを食べたいし,ガルクラとトゲトゲの良さを広めたい」と笑顔を見せた。
夕莉さんは「応援してくれているファンに直接声を届けられるのが楽しみ」と話し,「舞台挨拶を見に来てくれる皆さんにも楽しんでもらいたい」とコメント。
朱李さんは「トゲトゲは関東以外で出現するのをあまり見ないバンドなので」と笑いを誘いつつ,「その場所でしかできない楽しみ方をしたいですし,何より美味しいものを食べたいです」と明るく締めくくった。
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トークのあとは,3人のサイン入り色紙が当たるプレゼント抽選会が実施された。当選者にはその場で,3人が直接名前を書き入れてくれるというスペシャルな内容だ。
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抽選会が終わると,初日舞台挨拶もいよいよ締めくくりの時間となった。理名さんと朱李さんは,総集編【前編】には新規カットや新オープニング,エンディングなど,新しい見どころが数多く盛り込まれているため,ぜひ何度も楽しんでほしいと呼びかけた。
夕莉さんは,「作品について皆さんとお話しできて嬉しかったです」と笑顔で感想を述べ,舞台挨拶は温かい拍手のなかで幕を閉じた。
普段は聞けない貴重なトークも多く,終始和やかな雰囲気で進行した今回の舞台挨拶。「劇場版総集編 ガールズバンドクライ 【前編】 青春狂走曲」は現在公開中だ。続く「劇場版総集編 ガールズバンドクライ 【後編】 なぁ、未来。」は11月14日より公開予定。ぜひ【前編】を劇場で味わい,【後編】の公開を楽しみに待ってほしい。
トゲナシトゲアリについて
オリジナルアニメ「ガールズバンドクライ」に登場する主人公たちによるバンドと連動した,リアルバンド。2023年2月に結成され,メンバーは声優初挑戦ながら精力的にライブ活動を展開している。
2024年4月にTVアニメ「ガールズバンドクライ」の放送がスタートすると,トゲナシトゲアリが担当するオープニング・エンディング主題歌や挿入歌の全曲がSpotifyのバイラルチャートにランクイン。新人バンドとしては異例の5曲同時チャートインを果たし,大きな話題を呼んだ。
劇場版総集編「ガールズバンドクライ」公式サイト
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