
プレイレポート
[プレイレポ]ふたりの龍が悪を討つ「ダブルドラゴン リヴァイヴ」。シリーズ初見でも楽しめるアーケードスタイルのベルトスクロールACTが復活
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「ダブルドラゴン リヴァイヴ」公式サイト
本シリーズの源流となる「ダブルドラゴン」は,テクノスジャパンが開発し,1987年にアーケードで稼働開始したベルトスクロールアクションゲームだ。同社の開発で1986年に稼働した「熱血硬派くにおくん」と同じ,奥行きのあるフィールドにおける1対多の戦いがフィーチャーされており,ジャンルの基礎を築くうえで,大きな役割を果たした作品といえる。
ダブルドラゴン リヴァイヴは,そのダブルドラゴンを現代向けに再解釈した作品で,基本となるゲーム性はそのままに,グラフィックスのリファイン,アクション面の拡充,現代のプレイヤーに向けた操作感と難度の最適化が施されている。
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舞台となるのは,核戦争から15年が経った世界。復興しつつある街で人々が姿を消す怪事件が発生している。「双截拳」を継承するジミーとビリーの兄弟は,師匠の娘であるマリアンや「龍脈」を守る忍者の乱蔵とともに,ギャング「シャドウ・ウォリアーズ」に立ち向かっていく。
マリアンは初代ダブルドラゴンでさらわれ,「ダブルドラゴンII」では殺されてしまう不遇のヒロイン枠だが,本作の世界線ではリー兄弟同様に双截拳を使って戦う。余談となるが,マリアンは「熱血硬派くにおくん外伝 リバーシティガールズ2」でもプレイアブルキャラクターとして登場している。
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初代ダブルドラゴンとは別の世界線であり,これまでのシリーズの知識がなくても問題なく楽しめる。しかし,ベルトスクロールアクションというジャンルの継承と進化という面でも意義深い作品のため,本稿ではプレイレポートをお届けしたい。
基本アクションは,オーソドックスなベルトスクロールアクションのものと変わらない。発生の早い「通常攻撃」と連打コンビネーションの「コンボ攻撃」,敵を吹き飛ばす「強攻撃」「特殊攻撃」,範囲攻撃の大技を繰り出す「必殺技」「空中必殺技」,敵の胸倉を掴んで動きを止める「掴み」といった技を使いこなし,ギャングどもを蹴散らしていこう。
敵の中にはバットやムチ,ナイフといった凶器を使ってくるものもいるが,奪い取ってこちらの戦力として活用することもできる。
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本作の特徴のひとつといえるが,敵の数がとにかく多い。増援は大量に湧いてくるし,こちらを挟み撃ちしてくることも珍しくなく,猪突猛進するだけでは,袋叩きにされてしまう。
攻略に役に立つのが,投げ技や吹っ飛ばし効果を持つ攻撃で敵をまとめる,そして地形を利用するという,ベルトスクロールアクションらしいテクニックだ。四方八方から襲い掛かる敵も1か所にまとめてしまえば脅威ではない。
そのために重要になるのが,敵の配置の確認だ。前方だけに集中するのではなく,周囲の敵を確認し,敵が迫っているならコンボ攻撃を強攻撃や掴みからの投げ技に切り替え,有利な状況を作り,数に勝る敵を制圧しよう。
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本作でとくに面白いのが,ステージに数多く存在するギミック地形を使ったアクションだ。トイレの便器やスロットマシーンに頭を叩き込んだり,冷蔵庫に収納したり,バスケットゴールにシュートしたりと,まさにやりたい放題。アクション映画を思わせるアクションがカットシーンではなくプレイの中で展開されるのだ。
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アクションに慣れてくると,集団の中からとくに手強い敵を選び,ギミック地形で手早く始末するなんてこともできる。ギミックアクションは,3Dグラフィックスならではの豊富なやられパターンが目を楽しませてくれるだけでなく,ゲーム性を高めてくれるフィーチャーでもあるわけだ。
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そして,ビリーとジミーたちにかかれば,どこにでもある壁や柱も立派な武器となる。壁際で打撃や投げをかけると,地形に押し付けて一撃する「ウォールストライク」「ウォールクラッシュ」となり,大ダメージを与えられる。
また,街灯に掴まれば身体を回転させて周囲の敵をなぎ倒せるし,頭上の道路標識で鉄棒運動のようにスウィングジャンプすれば,空中必殺技がより広範囲にパワーアップする。橋の欄干や地面の穴に落とせばもちろん一撃KOだ。
このようにさまざまな地形を武器として戦うのが本作流のアクションといえる。地形利用自体は,さまざまなベルトスクロールアクションゲームに存在していたが,本作では対象となる地形が驚くほど多い。ステージを見回してうまく活用すれば,それだけバトルの効率がアップしていくのだ。
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敵がギミック地形から離れた場所にいても,掴んで運んだり,打撃技で叩きつけたりすればいい。とくに打撃は咄嗟に出せるため,覚えれば手早くギミック地形を利用できる。吹っ飛ばしに適した技はキャラクターごとに異なっているので,これを覚えるのが重要だ。
例えばビリーとジミーの特殊攻撃は,キックやフックで敵を画面奥に吹っ飛ばす。地下鉄のホームのように,画面奥に敵を落とせる場所で使えば,並み居る敵も次々に処理でき,実に爽快だ。
強攻撃や投げは方向を調整できる。フィールドの左右や手前に吹っ飛ばすことで,地形利用と敵をまとめる自由度が高まる。このあたりのアクションは「破兆」(1989年/ジャレコ)の手前投げや「64番街」(1991年/ジャレコ)の奥への投げを進化させた感があって興味深い。
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そして本作は,ゲームスピードが速いうえ,雑魚といえども高い体力と多彩な攻撃パターンを持っている。のけぞり無効のアーマーが付いた攻撃も多く,ガード不能技や投げ技までも当たり前のように使ってくる。それだけに,敵をまとめ,ギミックを使うテクニックが重要になる。
現状の位置関係なら敵をどちらにまとめるべきか? 周囲に利用できるギミックはあるか? ギミックがあるなら,どいつを巻き込めば最も効率的か? といった情報を総合し,一瞬で判断しなければならないのがスリリングだ。
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さらに,キャラクター単体のコンボも追求していきたい。壁にバウンドさせた相手にはさらなる空中コンボを叩き込めるため,掴みやギミックを使っている暇がない場合はこちらも有効である。
マリアンはコンボ攻撃の最終段が敵を浮かせるので空中コンボに最適だし,乱蔵の特殊攻撃は地面に爆発するクナイを撃ち込むのでトラップ的に使えるなど,キャラクターごとの個性も濃いため,工夫のしがいがある。
敵の必殺技は危険だが,逆襲のチャンスでもある。タイミングよく攻撃を当てると「クリティカルアサルト」となり,超必殺技に使う「龍玉ゲージ」が一気に溜まるからだ。超必殺技は広範囲に大ダメージを与えられるうえ,相手の残り体力1ゲージ未満ならボスも含めてトドメを刺せるため,まさに切り札だ。
複数のボスが襲ってくることもある終盤では龍玉ゲージの残量が生死を分けるといっても過言ではない。そのためにはクリティカルアサルトや地形利用といった技で龍玉ゲージを効率よく溜めることも意識しなければならず,プレイがより奥深くなるのだ。
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多くの敵をいかにまとめるか,地形をいかに利用するかは,さまざまなベルトスクロールアクションが追求し続けてきたテーマだ。
「ファイナルファイト」(1989年/カプコン)では,打撃コンビネーションからの掴み投げで敵をまとめる面白さが追求され,「64番街」では,画面奥に敵を投げると背景が壊れるという地形利用がフィーチャーされた。本作は,こうしたベルトスクロールアクションの流れを正当に継承している。
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ダブルドラゴンらしさがしっかりと追求されているのもうれしいポイントだ。今やベルトスクロールアクションのスタンダードとなった感のある「打撃コンビネーションからの投げ」だが,本作には存在しない。その理由は恐らくダブルドラゴンに存在しないフィーチャーであるからだろう。
アボボやリンダ,ローパーといったお馴染みの敵をリデザインし,バックストーリーも用意する現代的な再解釈も面白い。例えばバット男のローパーは,ひたすら喧嘩に明け暮れる荒くれだったが,ウィリーの大きな目的に共感して仲間に加わった設定となっており,思い入れもより深まる。
こうしたリスペクトはステージ構成にも及んでおり,最終面ではプレイヤーの誰もが覚えている罠が待ち構え,決戦の広間でくり広げられる演出も再現されている。オープニングをはじめとした名曲が登場するのもうれしいところで,ファンであればテンションが上がること間違いなしだ。
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全ステージをクリアしたあとには,やり込み要素「エクストラ」が待っている。これは「規定数以上のコンボを決める」「防衛対象を守る」「箱を破壊しつつボスも倒す」など,特殊なクリア条件を満たすために戦うモードで,クリアすると敵キャラクターたちのサイドストーリーを楽しめる。難度はかなり高めで,試行錯誤しながら最適解を探す楽しさを味わえる。
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あらためて強調しておきたいのは,本作はシリーズを知らずとも単体で楽しめる,アーケードスタイルのゲームであるということだ。シリーズへのリスペクトや過去作を踏襲したフィーチャーは多いが,物語は本作から新しくスタートするものであり,ゲームシステムも再構築されているため,過去作をプレイしている必要は一切ない。
「ゲームセンターで初代作をプレイした」「ファミコン版をみんなで遊んだ」というファンはもちろんのこと,シリーズを知らない人もぜひ遊んでみてほしい一作だ。
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