
インタビュー
[インタビュー]「Paragon」の精神を受け継いだMOBA「Predecessor」。日本展開への意気込みをCEOに聞いた
開発を手がけているのは,かつてParagonを熱心にプレイしていたコンテンツクリエイターのロビー・シン氏が設立したOmeda Studiosだ。
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「Predecessor」は,リリースから1年の間にプレイヤー数が250万以上になるなど,急成長を遂げている。欧米を中心に注目を集めていた本作だが,満を持して日本語版をリリースしたというわけだ。
今回,Omeda StudiosのCEOであるロビー・シン氏の来日に合わせてインタビューを実施し,日本展開の理由や意気込みを聞いた。
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4Gamer:
よろしくお願いします。
まずは簡単な自己紹介をお願いします。
ロビー・シン氏:
OmedaのCEOのロビー・シンです。もともとはコンテンツクリエイターでして,YouTubeとTwitchで配信をしていました。いろいろなMOBAゲームのコンテンツを作って,チャンネルを伸ばしていきました。
MOBAゲームの中で,私のコンテンツとして一番人気だったのが,「Paragon」のコンテンツでした。Epic GamesでサービスしていたMOBAだったんですが,「フォートナイト」の大成功に伴い,Paragonがサービス終了してしまったんです。
そのParagonのIPを使って,ゲームを開発し,今に至っているわけです。
4Gamer:
オンラインゲームはサービス終了することも多いのですが,それを終わらせたくないという気持ちで復活させたのは,とてもすごいことだと思います。
シン氏:
ゲーマーの皆さんが体験していることだと思いますが,とても愛しているゲームのサービスが終了することは多々あることです。Paragonに関しても,私は非常に残念な経験をしましたが,Paragonはいいゲームではありましたが,改善点が多々あったからこそ,終了してしまったと思っています。
Paragonの再来にならないように,コミュニティの意見に耳を傾けて,改善をし続けています。
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4Gamer:
「Predecessor」の日本語版がリリースされたのですが,日本市場に進出した理由は何でしょうか。
シン氏:
「Predecessor」は北米,欧州が最も大きな市場なのですが,コンソール版で非常に成功を収めています。いろいろなMOBAゲームを見ていると,PCでマーケットを構築しており,コンソール版への参入が難しいゲームが多いです。Predecessorはコンソール版で成功しており,日本もコンソールゲームが主流です。それが日本に参入する理由のひとつですね。
もうひとつが,我々をサポートしてくれている投資グループのひとつがGREEのGFRファンドでして,このファンドのサポートを受けて,日本のマーケットを知ることができたということです。
4Gamer:
PredecessorはParagonの精神を受け継ぎつつ,独自の進化も遂げていますが,日本のプレイヤーにアピールしたいポイントはなんでしょうか。
シン氏:
開発において非常に注力した点がいくつかあります。
まずはマッチにすごく時間がかかってしまうこと,そしてゲーム自体が難解で,プレイ方法を理解してもらうのが難しいことです。
我々はプレイ方法だったり,ルールだったりを,よりシンプルにするように注力してきました。MOBAというゲームを,さまざまな人がプレイしやすくすることで,非常に大きな市場を獲得するチャンスがあると思っています。
ゲームプレイの根幹となる楽しみを犠牲にせず,ゲームをよりシンプルなものにすることに成功しています。
また,多くのMOBAゲームではマッチングに30〜40分かかってしまうこともありますが,Predecessorはそれを15分に短縮できました。
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4Gamer:
日本市場に適応させるために具体的に行ったローカライズというか,施策はありますか。
シン氏:
Predecessorには3つのストーリーアークがあるんですが,9月2日に追加された「アケロン」というクモのキャラクターは,日本の文化に寄り添ったストーリーラインのキャラクターになっています。また,その少し前に実装された「ユーレイ」や「レナ」といったキャラクターも,日本の人たちに魅力的と感じていただけるように,意識して開発を進めました。
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4Gamer:
日本のプレイヤーに対してどのような印象を持っていますか。
シン氏:
実は私の幼馴染が日本人なんです。イギリスに住んでいたのですが,10年ほど前に日本に戻って今も日本に住んでいます。彼と話していると,日本のプレイヤーは没入感があるアクションゲームが好きだと分かりました。
Predecessorはアクション要素の高いゲームで,イマーシブルな体験を提供できると考えています。
4Gamer:
アクション性が高いゲームということなんですが,サーバーは日本に置かれているのでしょうか。
シン氏:
アクションゲームをプレイするにあたって,反応速度などは非常に重要だと思っています。日本でのリリースにあたって,日本のサーバーを設置しています。東京に設置されており,非常に低いレイテンシーでプレイしていただけると思います。
また,ゲーム内のアナウンスも日本語化しています。いいプレイができたときに,日本語でほめてくれます。そういった要素はゲームを楽しむ重要な要素だと思うので,注力しました。
4Gamer:
日本でコミュニティを構築するために具体的にどういったことを行っていますか。
シン氏:
自身のコンテンツクリエイターとしての経験,すでにサービスを提供している地域でのコミュニティとの関係性を活用しながら,日本のプレイヤーにどういったサポートを提供していけるかが重要だと思っています。
Predecessorがリリースされたときに,一番重要視していたのは「透明性」でした。これまでのゲーム開発・ゲーム展開における道のりで培ってきたコミュニティとの関係性を,日本のプレイヤーとも築いてきたいと思っています。
日本でのサービスにあたって,日本語ができるチームメンバーも採用しました。日本のコミュニティにとって,何が必要なのか,フィードバックを受けながら,適切なサービスを提供していきたいと思っています。
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4Gamer:
日本語でフィードバックを送れるのはいいですね。日本語のサポートがあるかどうかは,日本人にとって重要だと思います。
シン氏:
私が関わってきた日本人は英語がとても堪能だったので,言葉の壁はそこまでないと思っていたんですが,日本のリサーチを深めていけばいくほど,言葉の壁がとても大きいものだと分かっていきました。
日本語でゲームができる環境は必要でした。英語が堪能な人でも,日本語でローカライズされたものでプレイしたいという志向がとても強かったんです。フィードバック自体も日本語で受けられる体制を整えました。
4Gamer:
eスポーツ展開を行っていくとのことですが,日本のeスポーツについてどのような印象を持っていますか。
シン氏:
日本のeスポーツプレイヤーはとても強い選手が多いですね。とくに「Apex Legends」でそのようなプレイヤーをたくさん見ました。
Predecessorを日本でeスポーツ展開していくのは,状況を見極める必要があると思っています。需要がない中でトーナメントを開いても仕方がないので。しかし,長期的に見てグローバルでeスポーツ展開をしていきたいとは思っていますし,日本が重要な地域であると認識しています。
4Gamer:
今後,日本での展開を足掛かりにした次のステップについて,どんなビジョンを持っていますか。
シン氏:
アジアのその他の地域への展開を考えていますが,そのためには日本での成功がカギになると考えているので,プレイヤーの声に耳を傾けていくというのが,もっとも重要になってくると思っています。
Predecessorはライブサービスのゲームなので,プレイヤーを獲得する,プレイヤーの声に耳を傾ける,そして改善していく。そこからさらにコミュニティを形成していくというサイクルが必要になってきます。
30日後,90日後とサイクルを続けて,どのような改善をしていくか,現状はどうなのかを把握することが非常に重要になっていくと思います。
4Gamer:
最後に日本のプレイヤーにメッセージをお願いします。
シン氏:
Predecessorをプレイしてくれているすべてのプレイヤーに深く感謝をしたいです。ポジティブ,ネガティブを問わずに率直な意見をぜひいただければと思います。日本での成功のため,またコミュニティを醸成していくための参考にさせていただきます。こうした意見を反映して,改善のパッチをリリースしていきます。
Predecessorの開発当初から重要視しているのが,「透明性を高くすること」です。自身もParagonのプレイヤーでしたので,開発において透明性が必要なこと,またスタジオとコミュニティの関係性が重要だと理解しています。
私もXなどのSNSアカウントを持っているので,直接フォローしてもらって,コメントをもらえば必ず読みますので,よろしくお願いします。
4Gamer:
ありがとうございました。
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- 編集部:S.K.Y

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