［プレイレポ］アクションRPG「デュエットナイトアビス」がさらに進化。一皮むけた美麗ビジュアルと爽快アクションに注目だ

　Hong Kong Spiral Risingは，新作アドベンチャーRPG「デュエットナイトアビス」（PC / iOS / Android。以下，デナアビ）の第2回クローズドβテスト「ともに明日へ」（以下，CBT2）を2025年6月12日に開始した（参加者募集は終了）。


　デナアビは，2人の主人公が紡ぐマルチアングルストーリーや，爽快なアクション，すべてのキャラが近接と遠隔の武器をそれぞれ装備できる「二刀流」の武器システム，厳選不要のカスタム要素「魔の楔」などが特徴のタイトルだ。
　とくに自由度には並々ならぬこだわりがあり，360度全方位に対応したアクションや，キャラごとの武器の装備制限がないなど，ほかのアクションRPGには見られないゲームシステムを備えている。


　今回は，CBT2が始まる前に，一足早くゲームをプレイする機会を得た。前回の第1回CBT「夜明けへの旅」（以下，CBT1）からどのような変化があったのか，ゲームを最初からプレイしながら確認してきたので，その内容をお届けしよう。

　なお，本稿ではCBT2の注目ポイントに絞って情報をお伝えする。デナアビについての詳細は，CBT1のプレイレポートをお読みいただきたい。


※PC開発版でのプレイレポートとなるため，正式リリース時は一部仕様が異なる可能性がある

「たとえひとりになっても強く生きる」

　始まりの舞台は，小さな孤島「パーガトリー島」だ。その地で育った1人の少女（あるいは少年）は，ベレニカという名の少女と，長いときを共に過ごしてきた。

　しかし，静かな日々は唐突に終わりを告げる。突如現れた「穢獣（えじゅう）」によって，故郷の村は崩壊の渦へと呑まれていく。故郷からの脱出を目指す2人の敵は，穢獣だけではない。「No.0」と呼ばれる人物を探す「ヒュペリア帝国」の兵士たちが，行く先に立ちはだかる。圧倒的な武力にも抵抗をやめない2人に待ち受けるものとは――


　場面は変わり，主人公はヒュペリア帝国の領地で目を覚ます。ここは，種族による理不尽な差別が，日常的に行われている国だ。
　物語の中心にいるのは，「カロン族」と呼ばれる異形の者たちで，彼らは角や露出した脊髄など，悪魔的な特徴を持ち，魔法に秀でた力を宿して生まれる。さらに特殊能力に目覚めた者は「骸（むくろ）」と呼ばれ，帝国にとって破滅と厄災の象徴とされ忌むべき存在として扱われている。
　帝国では，角を持たない「ソラ族」が上位とされており，カロン族をはじめとする亜人たちは，彼らにしばしば命すらオモチャのように弄ばれる。そんな抗えない苦しみの中で，必死に生きていく彼らの生き様が描かれる。

　物語は，全体的に物悲しさが漂うシリアスな雰囲気で，残酷な世界の中でも必死に生きていく意思の強さをテーマとしている。
　多彩な固有名詞が用意されており，練り込まれた設定が，重厚な世界観に説得力を持たせている。
　CBT2からは，固有名詞の確認ができる「用語解説」の機能が追加されており，物語の読みやすさが格段にアップした。

用語辞典は，ストーリーの会話中にいつでも確認可能だ

　本作の物語の特徴として，2人の主人公が活躍する「マルチアングルストーリー」がある。プレイヤーは，最初のゲーム開始時に男性/女性主人公を選択するのだが，選ばなかった性別の主人公が次の章の主人公になる。つまるところ，章ごとに男性/女性主人公が入れ替わりながら，二面性のあるストーリーを体験していく，というわけだ。

　なお，CBT1では最初に選択できる主人公が「女性主人公」のみだったが，CBT2からは「男性主人公」が選択可能になっている。どちらの主人公もビジュアルが大変良いので，選択が非常に悩ましいところだ。

前回から大幅進化！　CBT2の注目ポイントを紹介

　CBT2では，前回のCBT1から全体的なクオリティアップが行われており，多様な進化を遂げている。なかでも注目のポイントがいくつかあるので，それらを紹介していこう。

●グラフィックが大幅進化，”魅せ方”にも変化が！

　もともと非常に優れたアニメ調グラフィックスが魅力だったが，そのビジュアル面の長所が劇的に進化していた。それこそ，「別ゲーか？」と思うほどにだ。
　前回のCBT1のフィードバックをもとにライティングなどの改善が行われたそうで，キャラの衣装やモーションもより繊細でリアルに調整されている。
　会話シーンのカメラ位置などにも変化があり，キャラがより魅力的に映るようになった。細部にまでこだわりを感じる作りで，没入感のある体験ができるはずだ。

同一シーンで比較してみると，グラフィックスが劇的に進化しているのが分かる。左がCBT1，右がCBT2だ

　ビジュアル面の進化は，「百聞は一見にしかず」だろう。スクリーンショットを大量に撮影してきたので，ぜひ美麗な世界とキャラを確認してほしい。


●バトルの爽快感がさらにアップ！

　デナアビは爽快アクションがウリなのだが，その理由の1つは攻撃範囲の広さである。通常攻撃や落下攻撃といった，基本的なアクションでも攻撃範囲が広く，多数の敵をバタバタと倒す気持ちよさが味わえるのだ。
　そして，CBT2では出てくる敵の数が増えており，襲来する頻度も上がっている。画面内に大量に集まった敵を薙ぎ倒す快感が，ワンランクアップしているというわけだ。
　アクションのモーション調整も行われているようで，戦闘がさらに爽快に，さらに自由に進化している。この気持ちよさは，実際にプレイして確かめてみてほしいところだ。


●魔の楔システムが，多彩な機能で快適に！

　本作の魅力でありながら，複雑さゆえに理解するのが難しかった「魔の楔」に，多くのアシスト機能が入った。大きなものの1つが，「魔の箱」だ。
　魔の箱は，魔の楔に関連する機能を1つにまとめたもので，そのなかには，「魔の楔クエスト」「魔の楔図鑑」「おすすめ設定」の3つが含まれている。

　魔の楔クエストは，魔の楔に関連するクエストを達成することで報酬が得られるようになっており，魔の楔について段階的に知れる機能だ。魔の楔について悩むことがあれば，このクエストを進めていくのがいいだろう。


　魔の楔図鑑は，魔の楔をコレクションして報酬がもらえる機能だ。冒険レベルの制限はあるものの，未所持の魔の楔も確認が可能で，入手方法を調べられるようになっている。コンプリートを狙うのにも，キャラに合った魔の楔を探すのにも役立つはずだ。


　おすすめ設定は，キャラクター，近接武器，遠隔武器の3項目で，おすすめの魔の楔のビルドを紹介してくれる機能だ。「自分でビルドを編み出して独自の戦い方を模索する」というのが魔の楔システムの魅力ではあるが，軽く新しいキャラを試したいときや，深く考えずに遊びたいときもあるはず。そういった状況に合わせて，簡単に使えるセットを用意してくれるのは非常にありがたい。


　魔の楔の装着画面では，「右クリックでクイック装備」ができるようになっていたり，「魔の楔のセットをチャットでシェアできる機能」が付いていたりと，ありがたい機能追加が行われている。友人と一緒にプレイして，ビルドをシェアしながらアレコレ議論するのも楽しそうだ。


●新規プレイアブルキャラが多数登場！

　前回のCBT1から追加されたプレイアブルキャラは，なんと7人。これまでにない戦い方をするキャラばかりだが，その中から一部を紹介しよう。

・ニフル夫人

　光属性でありながら，光と闇の両方のダメージを出力する広範囲ダメージスキルが特徴のキャラ。ダメージスキルは，使用ごとに「日食」と「月食」というスキルに切り替わり，日食の場合は光属性ダメージと攻撃力ダウン効果を，月食の場合は闇属性ダメージと移動速度ダウン効果を与える。強化スキルで「葬送」状態になり，一定回数の日食と月食を強化する効果がある。


・ファンタジオ

　闇属性の変身アタッカー。強化スキル「幕開け」を使用すると，「獣化」状態になり，近接攻撃が「怒りの爪」に，遠隔攻撃が「悲嘆の咆哮」に切り替わる。獣化中は機動力が乏しくなるが，ダメージスキルが前方へのダッシュに切り替わるので，うまく使いこなせば常に高いダメージを出し続けられる。


●キャラコスチュームが追加！

　キャラに関係したものとしては，CBT2では，「サイキ」「レベッカ」「トリュフ」の3人に，見た目を変化させる「コスチューム」が追加された。
　コスチュームは，容姿だけでなくスキルのエフェクトも変化し，より派手で豪華な戦闘が楽しめる。キャラを入手せずともイベントページのトライアルから試せるので，CBT2に当選した読者はぜひ確認してみてほしい。

デナアビの進化が止まらない！

　CBT1の時点でも十分に面白く，リリースへの期待が膨らんでいたのだが，今回のCBT2は，高く積み上がった期待を飛び越えるほどの出来に仕上がっていた。
　とくにビジュアル面の進化が顕著で，どこで撮っても美しい景色と魅力的なキャラが映せる。CBT1ではプレイ時間の2割ほどをスクリーンショット撮影で楽しんでいた“グラから楽しむ派”の筆者としては，「お前，まだ上があったのか……!?」と驚くばかりだった。

　プレイヤーからのフィードバックをもとに，UIや機能の改善が積極的に行われており，プレイのしやすさも格段に上がっている。今回のテストで寄せられるであろうフィードバックをもとに，さらにクオリティアップが行われるなら，正式サービスが開始されるころには，とんでもなく面白いゲームが仕上がっているかもしれない。

　CBT2に当選した読者は，この面白さを早く経験して，フィードバックでワガママをぶつけよう（筆者は，カメラ機能の拡充を要求する！）。CBT2に当選していない読者も，今後のデナアビにぜひ注目してほしい。

「デュエットナイトアビス」公式サイト