KURO GAMESがサービス中のアクションRPG
「鳴潮」 (
PC /
MAC /
PS5 /
iOS /
Android )と
「パニシング:グレイレイヴン」 (
PC /
iOS /
Android 。以下,パニグレ)の合同イベント
「KUROFEST」 が,中国・広州にて2025年8月9日,10日に開催された。
夏の広州はめちゃくちゃ暑く,湿気も高い。それでも来場者は,行列を作っていた
KURO GAMESにとって,中国で初の大型オフラインイベントであり,日本からもメディアやインフルエンサー,コスプレイヤーなどが招待された。なかなか見る機会のない,中国のメーカー単独のゲームイベントの模様をお届けしつつ,日本のゲームイベントとの違いも紹介していこう。
会場となった中国進出口商品交易会展館は,広州市にある大規模なコンベンションセンターで,KUROFESTはこのうち2ホールを使用して行われた。 日本でメーカー単独の大きなゲームイベントと言えば,「
Fate/Grand Order 」の
「Fate/Grand Order Fes.」 や,「
グランブルーファンタジー 」の
「グラブルフェス」 が思い浮かぶが,会場の広さとしては,今回のKUROFESTもだいたい同じぐらいだ。
ただ,来場者数は1.6万人(各日8000人)程度とのことで,日本のイベントと比べるとチケット数をだいぶ制限している(昨年のFGOフェスは約3万人)。
チケットの価格は,一般が198元(約4000円)。1時間早く入場できるなどの特典があるVIPチケットが328元(約6800円)となっている。購入方法はなんと先着であり,一瞬で売り切れたとか。
ちなみに,7月に上海で行われた
「BiliBili World 2025」 (
関連記事 )も先着で,30万枚のチケットが35秒で完売したそうで,中国では抽選販売が一般的ではないようだ。
もちろん,発売と同時に販売ページにアクセスできなくなり,争奪戦が始まる。抽選販売で当選をお祈りする日本の感覚だと,ちょっとびっくりする。
場内は,鳴潮とパニグレのエリアが左右に分かれる形で配置されており,ルートを選んで楽しめた(もちろん,戻れるので両方見られる)。入口には,自分がどちらのタイトルのプレイヤーかを示すボタンが置いてあり,人によっては両方押す場合もあると思うが,カウントとしては鳴潮のほうが多いようだ。
2日目の朝時点でのカウント。パニグレはサービスからある程度経っているタイトルだからか,新作の鳴潮プレイヤーのほうが多く来場している
こうしたメーカー単独のゲームイベントとなると,日本でイメージするのは「行列ができるアトラクション」「声優が登壇するさまざまなステージ」「アップデート情報の発表」あたりではないだろうか。ただ,KUROFESTに関してはどれも様子が違っていた。
まず,会場の大部分を占めるアトラクション関連について。もちろん,KUROFESTにもいくつかあって,ハムスターの回し車のようなものを回転させたり,壁にボールを投げ入れたり,落下する剣を掴んだりと,けっこう大がかりな装置を使ったものが多い印象だ。各アトラクションをまわってスタンプを集めると,ノベルティがもらえる。
ただ,これらはメインコンテンツではなく,入場者数を制限しているため,日本のように数時間待ちの行列ができたりもしない。
メインとなるのは,フォトスポットである。鳴潮であれば,ログイン画面から始まり,今州やブラックショアなどを再現したさまざまなスポットが用意されているといった具合だ。そして,各スポットにはほぼ必ず,公式のコスプレイヤーが配置されている。
公式コスプレイヤーの人数はものすごく多く,ファンサービスもたっぷりで,来場者との距離が近い。一緒に写真を撮るために,各スポットで行列ができていたぐらいだ。
めちゃくちゃファンサしてくれるので,ずっと人だかりができている
日本から参加のコスプレイヤー
一例を紹介すると,10日朝の一般入場開始前(VIPチケットのみ入場できる時間),来場者に囲まれる前にコスプレイヤーの写真を撮影しようと会場を回ったところ,すでに30分待ちの行列ができていたフォトスポットがあった。え,開場間もないし,VIPしかいないのに?
そこには鳴潮のバージョン2.4で実装された人気キャラ,カルテジアのコスプレイヤーがいたのだが,手をつないで簡単に踊ってから撮影する,という流れになっており,行列ができるのも納得である。これは極端な例だが,それぐらいコスプレイヤーとの距離が近い,撮影を重視したイベントというわけだ。
ちなみに,会場には一般来場者のコスプレイヤーも大勢いるが,一番見かけたのはカルテジアだった気がする。
中国のイベントらしさを感じるのが,公式イベントにも関わらず,同人グッズの販売コーナーが設けられていることだ。出展サークルは26とそれほど多くはないが,なかには整理券を配布して行列を作っているところもあり,かなり盛況だった。
もちろん,公式の限定グッズも販売されている
ピザハットやローソンなど,コラボ系のブースも出展されていた
ステージについては,日本と違って声優をあまり押している印象はなかった。アフレコの裏話などを聞くインタビューステージが,各タイトルで行われたぐらいだ。
また,各タイトルのライブステージも1時間ずつ設けられていて,次々と披露されるボーカル曲に会場は大盛り上がりだった。入場時,来場者にはさまざまなグッズが配られているのだが,そのなかにペンライトが含まれており,これはライブが楽しくなる良い配布物だと思う。
というか,グッズには折り畳み椅子もあって,こんなに実用的な配布物は初めて見た。日本のイベントでも配ってほしい。
配布物はこんな感じ。かなり豪華だが,何よりペンライトと折り畳み椅子が偉すぎる
ステージには,ディレクターのSolon Lee氏も登壇し,以下のようにコメントしている。
「まずは本日ご来場いただいたすべての指揮官・漂泊者の皆様,そして本フェスを支えてくださったステージ上と舞台裏,すべての関係者,出演者の方々に心から感謝します。皆様のご来場,ご支援,そしてスタッフの尽力があってこそ,第1回KUROFESTを無事に開催することができました。
このフェスは昨年から準備を始め,KUROのプレイヤー同士が直接会い,交流できる場を全力で作りたいと願ってきました。当初は本当に来場していただけるか不安もありましたが,この2日間を通して多くの皆様にお越しいただき,チームに大きな自信と勇気を与えていただきました。
KUROには創業以来11年間,私たちを支えてきた“開発精神”があります。この精神が,作品を通して皆様にも力を届けられることを願っています。今回ご来場いただいた方も,オンラインで応援してくださった方も,これからも共に高みを目指して歩んでいきましょう。」
ステージで一番驚いたのが,アップデート情報の発表がなかったことだ。日本のイベントの場合,これが一番の目玉になっていると思うのだが,このあたりはオフラインイベントで求められているものが異なるのだろうか。
ライブの際,鳴潮のバージョン2.6PVが初公開されて盛り上がってはいたが,イベントは体験がメインであり,アップデート情報は別途配信で,ということなのかもしれない。バージョン2.6の予告特別通信は,8月16日20:00に配信される。
なお,パニグレはグローバル同時展開ではないのでKUROFESTとは関係がなさそうだが,新章「海のあなた」の予告PVが8月10日に公開されている。
『鳴潮』ストーリートレーラー | フィナーレへ
VIDEO
「パニシング:グレイレイヴン」新章【海のあなた】予告PV
VIDEO
といった感じで,日本とのさまざまな違いに驚きつつ,KUROFESTは盛況のうちに終了となった。日本でも,鳴潮の1周年を記念した
「鳴潮 1st Anniversary Fes.」 (
関連記事 )が5月に行われたが,KUROFESTのようなオフラインイベントの開催にも期待したいところだ。
最後に,会場の近くにあるKURO GAMESの本社にもお邪魔してきたので,写真を掲載しておこう。
受賞したトロフィーやグッズが置かれている棚
KURO GAMES社内では,3匹の猫が飼われている。とても人懐っこくて可愛い。鳴潮に登場している猫のモデルにもなっているとか
寝ていて姿を見せてくれなかった猫ちゃん