
インタビュー
TGS初出展の「Wizardry Variants Daphne」,統括ディレクター・金山氏に会場で聞いたこれまでの1年とその先[TGS2025]
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Wizardry Variants Daphneは,2025年10月15日でサービス1周年を迎える。TGSの会場で,本作の統括ディレクターである金山圭輔氏に,これまでの振り返りと,これからについて話を聞いた。
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プレイヤーの期待にコスパが悪い開発で立ち向かう――PC版も登場した「Wizardry Variants Daphne」の開発者に聞く,これまでの道のりと目指す先

「Wizardry Variants Daphne」のPC版が,2025年3月6日にリリースされた。スマホ版リリース直後の不具合やサーバートラブルも,現在は落ち着いて非常に遊びやすくなっている。今回は,ディレクターの金山圭輔氏にインタビューを行い,ここまでの振り返りと,目指す先について聞いてきた。
4Gamer:
TGS初出展ですね。出展してみての感想はいかがですか。
金山圭輔氏(以下,金山氏):
出展できるとは思ってもいなかったので,感慨深いです。ずっと開発や運営を続けてきて,実際に形として目で見えるものは少なかったので,積み重ねがこうしてブースという形になったのは嬉しいですね。
とくに寄せ書きみたいにメッセージを貼るところがあって,付箋に書かれたたくさんのメッセージを見ると,実感が湧いてきます。
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4Gamer:
出展してみようと思ったきっかけは,何だったのでしょうか。
金山氏:
ある程度軌道に乗ってきたので,より認知を広げて,多くの人に遊んでほしいのが狙いです。
注目を浴びるようなブースを考えたときに,いろいろな案が出ましたが,今回はコンパクトにまとめて酒場を再現してみました。
あと,今までのティザー動画やプロモーションビデオを再編集したビデオを流しているのですが,そこに未公開のものもちょこっと入っています。ぜひ会場で見てほしいです。
4Gamer:
いよいよ2025年10月15日に1周年を迎えるところですが,この1年を振り返ってみてどうでしたか。
金山氏:
大変でした。リリース直後から奈落の地を歩き続けるような日々で,今も試行錯誤が続いています。
4Gamer:
サービス半年くらいの時期には,50点くらいという話もありましたが,今はどのくらいでしょうか。
金山氏:
ゲームの状態は少しずつ良くなってきて,改善はもちろんコンテンツの追加も進んでいますし,不具合も抑えられるように体制を構築していて。
そういう意味だと,60点とか70点に近づいたと思っていたのですが,最近,古城跡で不調に……。
4Gamer:
古城跡はβシーズン3を迎えましたが,正式リリースに向けた見通しはいかがでしょうか。
金山氏:
不具合の発生で正確に測定できていないのですが,プレイヤーのみなさんがある程度楽しんでくれる形が見えたら,そこからは正式版として定期的にやっていきたいですね。
まだ一部試行錯誤している部分があり,今回のフィードバックを見てから検討を進めます。
4Gamer:
ダフネでランキングイベントというのは,実際どう受け入れられているのでしょうか。
金山氏:
PvPというよりは,1人で挑戦するタイムアタックやスコアアタックという形式なので,思ったより受け入れてくれていますね。
ただ,「ランキングはいらないからマイペースで潜り続けたい」という声もあるので,そういったプレイヤーに向けた何かも用意したいなと思っています。
4Gamer:
メインストーリー以外の拡張もどんどん進めていく形で。
金山氏:
そうですね。プレイヤーの皆さんがやりたいと思うものは,実は開発でもこういうのがあったほうがいいよね,とアイデアはあるのですが,開発の都合で泣く泣くカットしたり,リリースを遅らせたりしています。
4Gamer:
この1年で反響が大きかったアップデートは何でしょうか。
金山氏:
ダフネならではの変なものを追加したときは,面白い反応がありますね。直近でいうと,ネタバレになってしまうので詳細は避けますが,グアルダ城塞を一定以上進めると受けられる依頼「不審者の正体を暴け」で派生するコンテンツや,ほかの酒場のシステムの追加などは,プレイヤーの反応もいいです。
4Gamer:
グッズも冒険者の灰をテーマにした入浴剤とか,一風変わったものを出していますよね。
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金山氏:
普通のグッズももちろんありますが,ダフネにしかできないものを出したくて。
それをプレイヤー同士でシェアして楽しんでもらえたら,より嬉しいですね。
4Gamer:
どちらかというとファンダム形成に力をいれていくような。
金山氏:
そういった施策を増やしていきたいです。ただ,新規プレイヤーに向けたコンテンツがやや少ないので,そこはこれから頑張りたいです。
4Gamer:
新規プレイヤー向けには,どういった施策を用意したいですか。
金山氏:
難度を下げるのではなく,その難度に立ち向かうための情報やモチベーションを得られるようにしたいと考えています。
たとえば上級者の人がフォローしてあげられるような仕組みですね。
4Gamer:
アプローチとしては,情報共有程度のものですか。それとも,救援で直接助けるといったものでしょうか。
金山氏:
なるべくゲームシステムの中に落とし込みたいと思っています。ただ,直接助ける方法だと,難度を下げることになるので,あくまで戦う力を身につけられるような何かにしたい。
立ち上がらせてあげるのではなく,立てるように応援してあげるような,1歩引いたものを考えています。
4Gamer:
PC版のリリースと同時に中国語の対応も実施しましたが,グローバルでの反応はいかがでしたか。
金山氏:
PCでしか遊ばないプレイヤーもいますから,一定の効果はありました。ただ,思ったほど爆発的に増えるわけではなく,やはり中心はスマホプレイヤーです。
グローバル的な話だと,現状,プロモーションは国内向けが中心ですので,今後は海外向けの施策も強化していきたいと思っています。
4Gamer:
1周年を目前に,「総克己心」の追加や,両手武器の改善など,大きめの調整がありますよね。既存プレイヤーへの影響も大きいですが,プレッシャーはありますか。
◆同一化、スタイル変更の調整
— Wizardry Variants Daphne(ウィザードリィ ヴァリアンツ ダフネ)【公式】 (@Wizardry_Daphne) September 18, 2025
スタイル変更について、前回お伝えしたとおり同一化を用いてスタイル変更をおこないスタイルを切り替えてプレイするにあたって、いくつかの障壁があり遊びづらさに繋がっていると認識しています。
この点について以下の対応を実施いたしました。
??総克己心の追加… pic.twitter.com/nrZEv6dkrE
金山氏:
もちろんあります。お叱りを受けるのではないか,と不安ですが,不満を放置せず,より楽しめる形を目指さなければいけません。
総克己心については,もともと別々に育成できる楽しさを想定していたのですが,実際のところハードルが高く,まとめて育成できるほうが楽しくなると考え導入しました。
いろんな冒険者に活躍してほしい,というのもありますし,プレイヤーもそっちの方が楽しいと思います。
もちろんプレイヤーの気持ちも考えて,バランスを見ながらより良い正解に近づけようとしています。
両手武器については,ロマンを感じてもらえるようにしたいですね。理想は,武器を趣味で選べるようにする,つまり,好きな武器種で自分の道を突き進めることです。
4Gamer:
キャラクターの数が増えて,それぞれを深掘りする専用クエストも増えていきましたが,一番反響の大きかったのは誰でしたか。
金山氏:
もともとの人気のおかげか,ラナヴィーユのクエストが一番だったかなと思います。
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ほかのクエストと違って面倒くさく作ってあって,善のパーティ,悪のパーティ,最後は普通のパーティで行くみたいな。でもみんなラナヴィーユが好きだから大丈夫かなと思ったのと,話のテーマも善悪とか,いろいろな考え方の話だったので,シナリオとゲームの内容を合致させられたと思います。
4Gamer:
実は前回のインタビュー記事で,金山氏の写真を見た読者の反応で,「ジャン」に似ているという声が多くありました。実際モデルだったりするのでしょうか。
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金山氏:
いや,実はあのデザインやモデリングは,自分と面識のない人が担当していて,本当に偶然です。完成したあとから似ている似ていると言われて。ただ,これってゲーム開発あるあるなんです。
ゲーム業界の方は頷いてくれるかなと思うのですが,関わっているタイトルに似ているキャラがいつの間にか出てくるんです。オカルトみたいに。
4Gamer:
なるほど。せっかくなので,金山氏のお気に入りのキャラクターを教えてください。
金山氏:
自分は,ガンドルフォが好きですね。全然遠慮ないし,こっちのことをおもんばかることもしないけど,だんだん仲良くなってくれるのはゲームならではの体験ですね。
4Gamer:
実際,一癖二癖ある冒険者が多い印象です。
金山氏:
キャラクターにはけっこう気を遣っていて,どの冒険者も主人公のみなさんをいい気分にさせようと思っていないんですよね。
あくまで,ダフネの世界で必死に生きている人たちの,生命の煌めきを感じてほしいです。
4Gamer:
2周年に向けて,これからのダフネが目指しているものを教えてください。
金山氏:
至らない部分はまだ多いので,それを良くしていきたいです。具体的には,本編である奈落の開発スピードが,期待しているほど出ていないので,もっとコンスタントに作っていけるようにします。
もちろん不具合は少なく,機能拡張や改善もどんどん進めて,みなさんが安心できる状態にしたいです。
そのために,大きくしたチームを大きくしたまま,かつスタッフの練度を挙げ,精鋭になっていこうとしています。チームが仕上がれば仕上がるほど,やりたいこと,みなさんがやってほしいと思っていることをどんどん実現できると思います。
4Gamer:
最後にTGSに遊びに来るプレイヤーにメッセージをお願いします。
金山氏:
人混みの中でブースに来ていただけるだけでも感謝です。厳しい市場ですが,開発を続けてきて,リリースして約1年経って,こうしておめでとうの言葉を貼っていただけるのは感動です。
ぜひ,酒場に座って写真を撮ったり,くじ引きや物販を楽しんだりしていただければ幸いです。メッセージも貼っていただけると最高ですね。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
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