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機械化された猟犬が戦場を走り回る。「Warhammer 40,000: Darktide」に実装されるArbitesとは
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印刷2025/06/13 01:00

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機械化された猟犬が戦場を走り回る。「Warhammer 40,000: Darktide」に実装されるArbitesとは

 「Warhammer 40,000: Darktide」(以下,Darktide)に2025年6月23日に追加される同作初の有料DLCクラス「Arbites」は,帝国の法執行官として,サイバーマスティフを従えて戦場に君臨する。この新クラスについて,アメリカのロサンゼルスで開催されたSummer Game Fest: Play Daysで,開発元であるFatsharkのVictor Magnuson氏に話を聞いた。

Fatshark ゲームデザイナーのVictor Magnuson氏
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 本作は,Warhammer 40,000の世界を舞台にしたCo-opアクションシューターだ。近接戦闘と遠距離戦闘を巧みに使い分けながら,異端審問官の指揮のもと,都市「ハイヴ」の深部で繰り広げられる戦いに身を投じることになる。2022年のリリースから約3年が経過し,10以上の大型無料アップデートで進化を続けてきた本作に,ついに初の有料クラスが登場する。

 Arbitesは,Warhammer 40,000世界における帝国の法執行機関だ。彼らの任務は人々から「十分の一税」を徴収することだが,単なる税務官ではない。エリート警察部隊として,帝国法「レックス・インペリアリス」(Lex Imperialis)の執行者として活動している。

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 開発チームがArbitesを選んだ理由は明確で,「ペットクラスを作りたかった」のだそうだ。その結果,シリーズ初となるコンパニオン「サイバーマスティフ」を従える,まったく新しいプレイスタイルが誕生した。

 物語的にも,Arbitesの実装には必然性がある。ゲームが2年半続く中,プレイヤーが仕える異端審問官たちは戦況の進展に不満を抱いている。戦争に勝利できていない現状を打破するため,より精鋭な部隊を投入することになったということだ。

 Arbites最大の特徴は,サイバーマスティフ(R-VR)という機械化された猟犬を従えていることだろう。このコンパニオンは単なる見た目だけの存在ではない。プレイヤーキャラクターを自動的に追従し,近くの敵を勝手に攻撃するが,プレイヤーがターゲットを指定することも可能だ。

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 「Arbitesは,これまでで最も戦術的なクラスです」とMagnuson氏は語る。遠くの物陰に狙撃手がいるとしよう。通常なら接近するのに時間がかかる厄介な敵だが,Arbitesならサイバーマスティフを送り込むだけでいい。視界に入っている敵なら,どんなに遠くても確実に仕留めてくれる。その間,プレイヤーは目の前の敵に集中できるのだ。

 Arbitesは4つのユニーク武器を携える。まず遠距離武器として,強力な「Arbitesショットガン」と,ショットガンシェルを発射するリボルバー型の「ショックピストル」を装備可能だ。近接武器では,防御に優れた「サプレッションシールド」と電撃を帯びた「ショックモール」の組み合わせ,または両手持ちの「ショックモール」を選択できる。

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 タレントツリーも3つの明確な方向性を持つ。中央のルートは遠距離戦闘に特化し,ショットガンの威力を最大限に引き出す。右側は防御特化で,シールドを活用して敵の真っただ中で戦うタンクビルドだ。そして左側はペット特化で,サイバーマスティフの能力を強化し,遠距離敵か近接敵のどちらを優先的に攻撃させるかも選択できる。

 各クラスが持つ「ブリッツ」と呼ばれる素早い戦闘アビリティも,Arbitesならではの特徴を持つ。「Arbitesグレネード」は着弾と同時に爆発する即応性の高い投擲武器だ。従来のグレネードがタイマー式だったのに対し,大型の敵への即座の対処を可能にする。

 「ヴォルテージショックマイン」は設置型の地雷で,敵が接近すると電撃で範囲攻撃を行う。そして「リモートデトネーション」は,サイバーマスティフの位置でEMP攻撃を発動させる能力で,ペットをより積極的に活用したいプレイヤー向けの武器となっている。

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 戦闘アビリティも個性的だ。「ブレイク・ザ・ライン」は短距離の突進攻撃で,前方広範囲の敵をよろめかせる。多数の敵に囲まれた際の脱出に最適だ。「ヌンシオ・アクィラ」は,メガホン付きの小型ドローンを展開し,皇帝の法を宣言する。これにより敵は恐怖で弱体化し,味方は強化される。まさに「レックス・インペリアリス」をゲームプレイに直接反映させた能力といえるだろう。

 そして「カスティゲーター・スタンス」は,移動速度と射撃速度が上昇し,被ダメージが大幅に減少する特殊モードだ。Magnuson氏いわく「ターミネーターモード」とのことで,圧倒的な制圧力を発揮する。

 2024年12月3日にはDarktideは「Grim Protocols」と題された大規模な無料アップデートを実施した。このアップデートでは,新たなエンドゲームモード「Havoc」,新ミッション「Dark Communion」,そして新武器ファミリーが追加されている。

 特に注目すべきは,新規プレイヤー向けのキャンペーンモードの追加だ。これまでDarktideは,プレイヤーを放り出すような形でゲームが始まっていた。しかし新キャンペーンモードでは,ミッションを順番にクリアしていく構造となり,各ミッション終了後にはストーリーを説明するカットシーンが挿入される。「新規プレイヤーがゲームの世界観やストーリーを理解しづらいという問題があった」とMagnuson氏は認めており,この改善により,より多くのプレイヤーがDarktideの魅力的な世界に没入できるようになった。

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 ミッションターミナルも大幅に改修された。従来は全難度が1つの画面に表示され,自分がプレイしたい難度では3〜4つのミッションしか選べなかった。だが,新システムでは各難度に専用のミッションボードが用意され,常時10〜15のミッションから選択可能になっている。選択肢の大幅な増加により,プレイの自由度が格段に向上したわけだ。

 Darktideの開発チームは,2年半にわたってプレイヤーコミュニティと密接な関係を築いてきた。フォーラム,Reddit,YouTubeのコメントなど,あらゆるプラットフォームでフィードバックを収集し,それを開発に反映させているという。

 特筆すべきは「コミュニティテスター」と呼ばれる選抜グループの存在だ。ハードコアなプレイヤーで構成されるこのグループは,新要素の実装1〜2か月前からプレイし,バランス調整に協力している。「このショットガンは強すぎる」「この能力は弱すぎる」といった具体的なフィードバックが,製品版の完成度を高めているそうだ。

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 開発ロードマップの決定も,プレイヤーの要望と開発チームの創造性が50対50の割合で影響しているという。クラスの追加はプレイヤーから長く要望されていた要素だが,新しいゲームモードなどは開発チームからのサプライズとして提供された。

 興味深いのは,Magnuson氏が語るプレイヤー文化の変化だ。「メタ(最適解)が非常に重要になっている」という指摘は示唆に富む。20年前なら各プレイヤーが試行錯誤して自分なりのプレイスタイルを見つけていたが,現在はYouTubeやストリーマーの影響で,コミュニティ全体で「最良の遊び方」が共有される時代になった。

 この変化に対応するため,開発チームはインフルエンサーとの連携も積極的に行っているそうだ。新コンテンツのローンチ前には,ストリーミングイベントを通じて早期アクセスを実施し,プレイヤーへの情報発信を促進している。

 新クラスの追加で常に問題となるのがゲームバランスだ。Magnuson氏は「Arbitesは精鋭部隊なので強力にしたかった」と語る一方で,既存クラスとのバランスにも配慮した。Arbitesのショットガンを調整する際には,既存の全ショットガンも見直しを行ったという。

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 「協力ゲームなので,仮にArbitesが少し強くても大きな問題ではない」というMagnuson氏の言葉は,本作の本質を突いている。競争的なゲームではないため,新クラスが強力であることはむしろプレイヤー全体の利益になる。とはいえ,長期的には適切なバランス調整を行っていく方針だという。

 Magnuson氏は日本のプレイヤーに向けて,特にサイバーマスティフの魅力を強調した。「日本では犬が人気だと聞いています。本当にクールなサイバーマスティフは,きっと気に入ってもらえるはず」とのことだ。

 筆者も実際にArbitesクラスを少しだけプレイする機会を得た。印象的だったのは,サイバーマスティフの存在感だ。常に傍らに控え,プレイヤーの指示を待つその姿は,単なるAIコンパニオン以上の頼もしさを感じさせる。ちなみに,サイバーマスティフには名前を付けることができ,毛並みやパターンもカスタマイズ可能だ。Fキーを押せば撫でることもできる。

 戦闘では,サイバーマスティフを遠距離の敵に送り込みながら,自分は近接戦闘に集中するという戦術が特に有効だった。サイバーマスティフは通常の敵を自動的に攻撃するが,マウスのスクロールホイールをダブルクリックすることで,スペシャルやエリートの敵を優先的に攻撃させられる。
 シールドとショックピストルの組み合わせは,攻防一体の新しいプレイスタイルを提供しており,これまでのクラスとは明確に異なる体験だ。

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 Arbitesは,単なるクラス追加にとどまらない意欲的なDLCといえるだろう。サイバーマスティフという革新的なシステムは,これまでのDarktideにはなかった戦術的な深みをもたらす。また,2024年12月の「Grim Protocols」アップデートにより,新規プレイヤーも参入しやすくなり,既存プレイヤーもより多様なコンテンツを楽しめるようになった。

 2年半の運営を経て,Darktideは確実に進化を続けている。コミュニティとの対話を重視し,プレイヤーの要望に応えつつも開発者独自のビジョンを実現する姿勢は,ライブサービスゲームの理想的な形といえるかもしれない。

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 Arbitesという新たな選択肢を得て,Warhammer 40,000での戦いは,さらなる激しさと戦術性を増す。サイバーマスティフと共に戦場を駆け抜ける体験は,シリーズファンならずとも一度は味わってみる価値がある。

 Arbitesクラスは6月23日に実装されるので,この機会に法の執行者としてWarhammer 40,000: Darktideの戦場に降り立ってみるというのも,悪くない選択肢だろう。

 なお,同日にはArbitesクラスのDLCと同時に,新規プレイヤー向けの改善と難度システムの見直しを含む無料アップデートも実施される。新規プレイヤーはキュレーションされたミッションパスに従ってTertiumを冒険することになり,主要キャラクターや場所,脅威を段階的に学んでいける。既存プレイヤーも希望すれば,改善されたストーリーを最初から体験し直すことが可能だ。

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