
インタビュー
[インタビュー]「プロセカ」のリアルライブ「セカライ」5thのテーマはフロンティアへの挑戦。CG表現でキャラクターの“実在感”の高みを目指す
2024年12月(大阪),2025年1月(東京)に行われた4thライブでは,進化したキャラクター表現や深みを感じさせるステージがファンを魅了した。
2025年12月(大阪)と2026年1月(東京)に開催予定の5thライブ「プロジェクトセカイ COLORFUL LIVE 5th - Frontier -」は,CG表現の技術を刷新し,これまで以上に進化したライブ表現が可能になるという。
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— プロジェクトセカイ COLORFUL LIVE 5th - Frontier -【セカライ】 (@pjsekai_live) July 28, 2025
リアルライブ #セカライ5th
開催決定?
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『プロジェクトセカイ COLORFUL LIVE 5th - Frontier -』
大阪:2025年12月12日(金)〜14日(日)
東京:2026年 1月23日(金)〜25日(日)
新しい景色へ、FRONTIER#プロセカ pic.twitter.com/dE8bbDRa3N
今回,4Gamerではプロデューサーの塚田 陸氏,開発ディレクターの江口大喜氏,アシスタントプロデューサーの渡辺沙織氏にインタビューを実施し,4thライブの振り返り,そして5thライブに向けて技術的な側面や演出,セカライにかける想いをじっくりとうかがってきた。
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「プロジェクトセカイ COLORFUL LIVE 5th - Frontier-」特設サイト
「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」公式サイト
「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」ダウンロードページ
「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」ダウンロードページ
4thライブは観客との一体感がさらに高まった
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。
まずは,セカライの担当業務について自己紹介をお願いします。
江口大喜氏(以下,江口氏):
セカライでは開発ディレクターとして,社内のCG周りの統括やテクニカルディレクション,またリードグラフィックスエンジニアとして,キャラクターのルックや見た目のブラッシュアップ,色味などを担当しています。4thライブでもCGを作っていました。
塚田 陸氏(以下,塚田氏):
セカライのプロデューサーを務めています。コンセプト策定や方針決めから始まり,キャラクターやクリエイティブに関わる部分を中心に全体のディレクションも行っています。
渡辺沙織氏(以下,渡辺氏):
アシスタントプロデューサーとして,塚田と一緒にコンセプトを決めた後,ライブの構成や演出の設計,キャラクターの動きや表情のディレクションなどを担当しています。
4Gamer:
4thライブは会場でご覧になったと思いますが,どんな心境でしたか。
塚田氏:
「Unison」をテーマにした理由の1つには,セカライがもともとコロナ禍で始まって,声出しをする文化がなかなか根付きづらかったことがあります。プロセカを楽しんでくださるユーザーの中には,まだライブに行ったことがない方,ライブに慣れていない若い方も多かったので,会場でみんなと声を出して一体感を感じ,より楽しい体験ができるライブの魅力を味わってほしいと考えていました。
会場全体で声を出すことでライブを完成させることをイメージして,「Unison」というコンセプトを打ち出したんです。
渡辺氏:
来場されたユーザーの皆さんと一緒にライブを作り上げることで完成するという「Unison」のコンセプトを実現するために,「プロセカコーレス入門講座」という動画を用意して,コール&レスポンスの楽しみ方やライブの盛り上がり方を伝えるプロモーションを試みるなど,さまざまな事前の準備を重ねました。
当日,会場でも「コーレス入門講座」の動画が流れたのですが,練習してきてくれた皆さんの声が「わっ」と響いたときにすごく感動して,ライブが始まる前から感極まっていました。
江口氏:
「Unison」というテーマだったこともあり,みんなで声を出すコール&レスポンスによって、会場の一体感や熱狂が一段と強くなったと感じました。ライブ中はその一体感にずっと感動して,「この1年,頑張ってきて良かったな」としみじみ思いました。
塚田氏:
ユーザーの皆さんが声出ししやすいような仕掛け,コール&レスポンスをしやすいセットリストの選曲など,さまざまな演出を意識しましたが,実際に手拍子やコールなどですごく盛り上がってくださってました。ライブ本来の形を楽しんでくれたことが伝わってきたので,すごく嬉しかったですね。
4Gamer:
4thはもちろん,プロセカ自体にも「一緒に行こうよ」と誘ってくれるような雰囲気がありますよね。
演出面ではファンサービス用カメラを導入したりと,トリッキーなことをされていました。
塚田氏:
ファンサービス用カメラはセカライのベース体験をレベルアップし,アップデートするために導入しました。キャラクターの実在性やライブらしさを追求しているんです。アーティストが舞台袖のカメラに向かって手を振ったりするような演出をセカライでも実施したいと考えていました。
私は「やりたい」と伝えただけなのですが(笑),江口,渡辺をはじめとしたチームメンバーがアングルや入れ方を検討してくれて,さらにモーションキャプチャー周りでのプロジェクトメンバーの協力もあって実現しました。
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モニターを使った演出も,ユーザーの皆さんとの掛け合いを意識したものです。キャラクターの呼びかけに対して,ペンライトを振ったり,声を出したりすることを想定していました。
実はセカライでは,ライブとグリーティングを合わせるようなバランスで毎回内容を考えています。そのため,MCコーナーはサクサク進行してしまうと「物足りない」感覚があります。なので,MCの合間にもちょっとした楽しさや驚きを加えたいと考え,ユニットごとに「彼らだったらこういうことをするだろう」ということを想像しながら,イベントを作っています。
江口氏:
4thは最初の企画段階から「絶対に良いものになる」と感じていました。3rdでは「こんなにカメラがキャラクターに寄れる」と確認でき,それによって「寄りのカメラ」の感覚が分かり,次回はキャラクターの感情表現を追求しようという話になりました。
例えば,キャラクターの汗。汗をかいていることが見やすくなるように,頬を少し赤らめるなどですね。カメラがキャラに寄るところで,しっかりと感情を伝えるために,涙にもこだわりました。
こうした特殊表現の実際の見え方は,イチから探っていきました。ゲームとは作り方が異なり,ライブ会場,配信,映画館では同じものでも見え方は違います。バランスを探りながら要素を盛り込んでいきましたが,面白かったところですね。
4Gamer:
映画館での見え方も確認されたのですか。
江口氏:
実際の映画館に行ったわけではないですが,最も大きな画面に映して確認しました。
ほかに感情表現を追求する取り組みとして,表情や口の動きのシステムを4thではすべて変更しました。
4Gamer:
すべて……?
江口氏:
キャラクターの表情や口の動きを音声と一致させる「リップシンク」という技術がありますが,「歌っているときにしっかりと歌い,歌っていないときに歌わない」を表現するのが意外と難しくて。まず母音の形から表現方法を吟味し,「あいうえお」の形や,大と小を分けてブレンドする方法,リップシンク(口の動き)を作るシステムもさらなるブラッシュアップを行うために一から作り直しました。
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4Gamer:
それは,ツール自体を開発したということですか。
江口氏:
そうです。iPhoneのカメラを使ったシステムを開発しました。最初は音からリップシンクを作るという基本的な方法でしたが,それだと良いものにしていくのに時間がかかってしまいます。別のところにも時間を割く必要もありますので。
具体的には,iPhoneのカメラに向かって「あいうえお」と発すると,その口の形を読み取って,キャラクターが同じ口の形をしてくれるというものです。2か月くらいiPhoneの前で,ずっと「あいうえお」と言い続けていたら,顎が外れそうになりました(笑)。
塚田氏:
やってたね,席で……。
4Gamer:
母音だけを拾って反映しているとばかり思っていました。収録方法から見直していたとは。
江口氏:
音声解析では母音を読み取る形ですが,4thではキャラクターの口の形をリアルタイムで推定するシステムを作りました。
まずはiPhoneの前でリップシンクを収録している人の映像を読み取り,「この人は『あ』の口をしている」と推測します。さらに,キャラクターによって「あいうえお」を発音したときの口の形は違うので,それに合わせて変換するようにもしています。発声の強弱の表現も作りましたし,口を閉じた時の子音である“M”や“N”の表現もリップシンクに加えて,表現が向上しました。
4Gamer:
キャラクターによって違う話し方,歌い方が表現できると。
江口氏:
キャラクターの感情として強く歌うような感情も表現できるようになりましたね。
4Gamer:
歌唱と表情が連動するようになったということですか。
江口氏:
4thから表情は手付けで行っているのですが,表現の幅が広がったことで,より深い部分まで踏み込めるようになりました。これまでは既存のもので対応していましたが,表情のバリエーションを2倍から3倍に増やしています。
4Gamer:
当然,カット割りやズームの時間にも影響してくるでしょうね。
江口氏:
そうですね。ファンサービス用カメラもしっかり見せようと思ったら,長い時間が必要になりますし,そういった部分もまったく変わってきます。
渡辺氏:
表情や口の形の表現が向上したことで,アップのカメラで見るとキャラクターがより魅力的に見えるようになったと思います。
4Gamer:
今後,ライブを観るときに注目したい点ですね!
江口氏:
3rdと4thでは,まったく表現の違うものになっていますよ。
渡辺氏:
5thでは,さらにブラッシュアップしていきます!
塚田氏:
4thでは,ステージ上にCGでの舞台セットや特殊効果演出がありましたが,あのような表現もよりリアルに,さらにいろいろとできるようになりました。今回のMCも工夫していますので,そこも注目してほしいです。
4Gamer:
これは,歌唱していない時間もめちゃくちゃ楽しめますね!
渡辺氏:
最後の曲「熱風(作詞・作曲:kemu)」では,キャラクター6人が旗を持ってパフォーマンスをする演出を入れました。このきっかけになったのが,メインビジュアルを書いてくださったイラストレーターのしゅがおさんです。
曲からインスピレーションを受けて,「この6人が旗を持った姿を描きたい」と提案していただいたことで,「こんなにも素敵な絵があるのなら,“この絵”になるようにしたい」と思いました。
そこで,江口をはじめ,社内のエンジニア,協力会社さん,実際に旗を持ってパフォーマンスしていただくアクターさんなどに相談して,無事に完成させることができました。
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セカライ5thは開発エンジンを変更し,さらに実在性のある表現を追求
4Gamer:
5thのメインビジュアルは「フロンティアスピリッツ」のような,未来に向かっていく雰囲気です。今回もイラストや楽曲から得たインスピレーションを演出に反映することはあるのでしょうか。
渡辺氏:
できる限り,取り入れていきたいですね。
4Gamer:
楽しみにしています。
5thのアップグレードしたCG表現を見せていただきましたが,非常に驚きました。表情が豊かになっていて,空間やキャラクターの感覚がリアルに伝わりますね。
塚田氏:
ファンサービス用カメラが好評だったので,ライブを突き詰めていくうえでは,キャラクターの感情表現を進化させるのは必須だと考えました。そのため,もう1段階も2段階もクオリティを引き上げなければという気持ちがあったんです。
そんなときに,開発エンジンをUnityからUnreal Engineに切り替えることで,「飛躍的に表現力の向上が見込めそうだ」という話を社内でしていました。そして実際に試してみると,キャラクターのルックが向上してライブ体験の向上を確信できました。
ライブとしてキャラクターのCG表現が向上していることに加えて,各ユニットのキャラクターたちもみんな自分たちなりに壁を越えて前に進んでいっているので,開拓して前に進む感覚を表現しようと思い,テーマを「Frontier」に決定しました。
あとは節目となる5周年なので,1年目から4年目のセカライを回顧しつつ,5年目の進化も表現したくて,メインビジュアルもみんなで少しずつ前に進んでいるようなものにしました。
4Gamer:
すごくかっこいいです。新デザインの衣装もポイントですね。
塚田氏:
セカライオリジナルの新衣装は以前からやりたかったことですが,なかなかスケジュールや調整の都合で実現しませんでした。ようやく実現しましたが,ルックも良くなっているので,結果的にちょうどいいタイミングになったと思っています。
江口氏:
Unreal Engineを使用して制作していくことになった5thは,本当に“すべてを変えた”感覚があります。4thライブと同時進行で5thライブの準備も進めていたのですが,そのときはまだ基礎研究のような形でした。
試した感じ,ライブとしてのルックは,Unreal Engineのほうが表現しやすいですね。暗転したときに「次の曲は何だろう?」「次のユニットはどれだろう?」というワクワク感があり,パッとキャラクターが現れて明るくなったときに感情が爆発する。この明暗のコントラストが大事だと考えていて,それが表現しやすいのではないかと思います。
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Unreal Engineはゲームエンジンとして使われることが多いですが,キャラクターやライブ独自の表現を出すためにそのまま使用するのではなく,エンジン自体を改造し,独自の表現を詰め込み,できるだけ良い表現になるように突き詰めていきました。
とくにキャラクターと光の表現,光とキャラクターとの干渉や合わさり方などを意識して,ブラッシュアップを続けてきました。
4Gamer:
5thライブのCG表現からは,会場の“匂い”まで感じられるようです。フレアや光の当たり方によるテカリや汗といった表現の進化によるものでしょうか。
江口氏:
そうですね。すべてにおいて,「光にどう作用させるか」をイチから作っていきました。光を与える箇所や与え方を研究し,ライブとして良い見た目がつかめてきたところです。
4Gamer:
キャラクターモデル自体はどうでしょう。大きく見直した部分はありますか。
江口氏:
今回新規で制作したキャラクター表現に対応するため,テクスチャや制御などをいくつか追加する必要がありました。輪郭や髪の毛のきめ細やかさ,揺れる形などを見直して,少しずつ改良を重ねています。ぐっと寄ったときに細部がよく見えるようになるので,カーブを滑らかにもしていますね。
4Gamer:
影やハイライトなども,だいぶ複雑な表現になっていますね。
江口氏:
光の反射などが加わっています。表現自体,すべてイチから研究していますが,プロセカ自体の元々の見え方や雰囲気を維持しつつ,ライブとしてどう見えるかというバランスを重視しました。
4Gamer:
なるほど。新しい表現を加えることで,キャラクターが別人みたいになってしまってはいけませんよね。
江口氏:
理論的にはUnityでも同じような形に作れる可能性はありますが,最初からUnreal Engineを使ってブラッシュアップしていくほうが,自分たちの求めるものに到達できるという考えがありました。2つのエンジンは,そもそものルックを表現する際の基本思想が異なるのではないかと思っています。
4Gamer:
やりたいことに近い基本設計のエンジンを採用したということですね。
塚田氏:
エンジンが変わったので,またイチから……とまでは言いませんが,なかなか苦難の道を選んでいます(笑)。
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4Gamer:
まさに「Frontier」……。
今,最も苦労していることは何でしょうか。
江口氏:
ゲーム内とライブの見た目の違いを踏まえて,照明のバランスを取ることが非常に難しいですね。セカライはカメラワークもCG上の照明も当日リアルタイムに制御されるため,本番でどのような照明になるかは事前に決めきれません。そのなかで最適な塩梅と,進化を実感できるライブとしての見た目を探していかなければならないんです。
1つの決められたカットを作ることは問題なくできますが,ライブ中にどのような角度から照明が来ても対応できるようにするのは段違いに難しいですね。
4Gamer:
個別に手で直していく箇所もあるのですか。
江口氏:
手で直すこともありますし,3rdライブのときに作った照明の予測システムを作り直して使ってもいます。どの照明,どのカメラが来ても対応できるように,どんどんシステムを作り変えていく形ですね。
4Gamer:
ステージを作り上げることは楽ではないんですね。
塚田氏:
めちゃくちゃ大変です(笑)。3rdから4thは基本的なシステムが同じだったので,ブラッシュアップにリソースを割くことができましたが,今回はシステム変更にかなりのコストを払っています。それでもベースの演出や体験もアップデートさせるべく,取り組んでいるところです。
4Gamer:
今まさに,新しいものを取り入れて大変だとうかがったばかりですが,数年後を見据えて注目している技術はありますか。
塚田氏:
個人的には技術ファーストではなく,目的ファーストで作っています。「キャラクターがそこにいる」という感覚をいかに引き出すかを考えているので,その目的に対して効果的な技術であれば,積極的に取り入れたいですね。
例えば,見る角度によって少し浮き出るような表現や,ホログラムとまではいかなくてもガラス越しにそこにいるかのように見える技術などは現状もあります。うまく融合できればいいなとは思っています。
4Gamer:
キャラクターをフィーチャーしたライブとして,実在感を持たせるために技術が付随しているということですね。
5thライブに込めている想いも「キャラクターに現実感を持たせたライブを突き詰めること」でしょうか。
渡辺氏:
それがセカライの根底にある想いですね。
今,キャラクターたちはそれぞれ最初の壁を越えて,また新しい挑戦,まだ見ぬ世界に足を踏み入れていくフェーズであり,彼ら彼女らにとっても一歩踏み出すタイミングだと考えています。
5thを「Frontier」というテーマにした背景には,CG表現や技術的な挑戦という側面もありますが,今のキャラクターたちがステージに立つライブとしてふさわしいものにしたかったという思いもあります。
4Gamer:
5thの新しい体験は何でしょう。
渡辺氏:
やはり,見た目の新しさは重要だと思います。
塚田氏:
そうですね。社内でCGのデモを見ているとき,本当にライブをしているかのような実在性をすごく感じたんですね。これを会場でやったら,目の前でキャラクターが踊って歌ってくれている感覚がさらに強まるだろうと。現地での「そこにいる感覚」は,今までよりも向上すると思います。
また,CG表現が豊かになるので,ファンサービス用カメラのような演出に加えて,配信やライブビューイングで見てくださる方にもキャラクターの感情表現が伝わりやすくなります。
渡辺氏:
ステージのライティングなども,今までよりライトを受けやすいステージだという前提で設定しています。
塚田氏:
セカライの特性上,どうしてもキャラクターにフォーカスしがちですが,Unreal Engineを使うとステージの情報量や質感も向上します。それも相まって,よりライブやパフォーマンスの温度感が伝わるので,ステージのクオリティも注目してほしいですね。
江口氏:
ステージは画面占有率が非常に高いものなので,ライブ当日,中央のモニターに映し出されたときの現実感が強まります。その質感によって「そこに存在する」という感覚がより強くなると思っています。
今回はCGが変わることで,ライブの「そこにいる」感覚もまた変わるのではないでしょうか。
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4Gamer:
話は変わりますが,過去には技術的に可能だけれども採用しなかったアイデアはあったりするのでしょうか。
渡辺氏:
私が思い出すのは,3rdライブのMORE MORE JUMP!の演出ですね。
当初,AR表現で会場の天井や壁が本当に青空になるように,一種の野外ステージ的なコンセプトで設計していました。しかし,実際に会場で空を映してみたときに,すごく違和感があったんです。「こういう見え方になるなら,今回ではなく,もっと良い表現を探してから取り入れましょう」と。
4Gamer:
やってみないと分からないことって,たくさんあるんでしょうね。
塚田氏:
当日,現場に入ってみないと分からないことがたくさんあります。
江口氏:
会場の雰囲気,壁や材質,そして自分たちがそこにいるときの感覚など,空気感が影響しますね。
4Gamer:
では,ゲネプロ(最終リハーサル)なんて,もう心臓がバクバクなのでは……。
江口氏:
ゲネプロ中はメモを取りながら逐一チェックしますし,キャラクターが画面に入ってから色味の調整もします。当日のLEDの発色によって,「ライトが当たると赤く見える」「白飛びする」といった現象も起こりますね。演出によってそう見えてしまう部分もあるので,リハーサルのたびに調整を繰り返します。
渡辺氏:
リハーサル後に調整が入らなかったことはないですね。
4Gamer:
大きなプレッシャーを感じる現場だということは,想像に難くないです。しかも,また5thでは新しい挑戦をしている。
塚田氏:
1年以上,本番に向けて大変な期間が続くのですが,会場で皆さんの喜んでいる姿を見ると「次も頑張ろう!」という気持ちになるので,プレッシャーもありますが,それ以上に楽しんで作ってますね。
4Gamer:
セカライ5th,お客さんに届けたいものを教えてください。
塚田氏:
やはり,一番の進化は見た目の部分です。「そこにいる」感覚を高めるために,技術も見直し,アップデートしています。目の前にキャラクターがいるかような体験が深まっているので,ぜひ足を運んでほしいです。
告知PVでは過去のライブ映像が流れる演出がありましたが,これまで来場いただいた方は1stから4thまでを振り返って進化の過程を噛みしめていただけると,また一段とエモーショナルになるのではないでしょうか。
もちろん,今回初めて来場される方も楽しめますので,ぜひ多くの方に遊びに来てほしいとほしいと思っています。
江口氏:
私は「ライブ感」を届けたいですね。私自身,ルックを作っていることもありますが,今までのキャラクターCGライブにはなかったものになると思うんです。作っているときも「どんな風に受け入れられるのかな」と緊張しながらもワクワクしています。
キャラクターのライブでの感情がもっと伝わるものになればいいなと思っています。
渡辺氏:
私も,「そこにいる」と思ってもらえる体験を届けたいです。見た目のブラッシュアップ以外にも,細かな調整や新しい演出なども取り入れています。
みんなの熱を感じてもらえる,そんなライブにできるといいなと思っています。
4Gamer:
最後に,セカライを楽しみにしているファンの皆さんに向けてメッセージをいただけますか。
渡辺氏:
これまでプロセカを愛し,支えてくださってありがとうございます。セカライも5回目の開催となりますが,続けられているのは足を運んでくださる皆さんのおかげです。改めてお礼を伝えさせてください。
今回のセカライ5thも技術と演出をアップデートし,さまざまな挑戦をしています。もちろん,初めての方にも楽しんでいただける内容になると思いますので,ぜひ足を運んでいただけたら嬉しいです。
江口氏:
いつもプロセカを遊んでくださる方,セカライに足を運んでくださる方,いつも応援してくださる方,見てくださる方,本当にありがとうございます。私としてもセカライは大好きなイベントなので,すごくワクワクしています。
セカライ5thライブを最高のものにするため,本番まで全力を注いで頑張っていきます。ぜひ会場にお越しいただいたり,配信を観たりなど,楽しんでいただけると嬉しいです。
塚田氏:
プロセカ,セカライをいつも楽しんでいただき,ありがとうございます。私は1stの立ち上げから関わっていますが,「もう5回目,5年目か」という気持ちもありつつ,1stライブの初めてステージに現れたキャラクターたちを見て,「本当にこの子たちがライブをするんだ」と思わず涙ぐんだことを思い出します。
あの頃から来てくださっている方も,初めての方も,プロセカやライブが好きであれば楽しめるイベントになっています。ここまで技術や演出の話をいろいろとさせていただきましたが,シンプルに楽しんでもらえれば,それだけで嬉しいです!
4Gamer:
どうもありがとうございました。
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