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[プレイレポ]「Outrider Mako 〜露払いマコの見習帖〜」を紹介。人を選ぶ難度ではあるが,和風ファンタジーな世界設定と緻密なドットワークが魅力の2Dアクション
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印刷2025/07/11 11:57

プレイレポート

[プレイレポ]「Outrider Mako 〜露払いマコの見習帖〜」を紹介。人を選ぶ難度ではあるが,和風ファンタジーな世界設定と緻密なドットワークが魅力の2Dアクション

 PLAYISMは2025年6月23日,Asamado Gamesが開発する「Outrider Mako 〜露払いマコの見習帖〜」をリリースした。

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 ストアページを眺めるだけでは,ドット絵の2Dアクションという以外,具体的にどのような作品なのかは分からない本作。実際に遊んで内容を確かめてみたので,そのプレイレポートをお届けする。
 なお,原稿執筆直後にアップデートが入ったため,記事後半にはアップデート前のプレイフィールと,アップデート後に改良された点を合わせて紹介している。


“赤蜜”を駆使する異色のアクション。異世界に飛ばされた少女は運び屋として活躍する


 ゲームを開始すると,どこかから落下する少女・マコと,落ちた先は異世界だったという,スピード感のあるオープニングシーンで始まる。ここは“マヨイ天界”という世界で,マコのような異世界人は「稀人」(まれびと)と呼ばれており,たまに紛れ込んでくるようだ。

赤蜜井戸と呼ばれるものに落下したことで一命を取り留めた(?)マコ。一見して人間ではない者たちがウロウロしているが,友好的に接してくれる
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 ここは「ブモン便配送センター」という場所らしい。この世界にはさまざまな神様がおり,その神様たちからの配送依頼をこなすことで「御朱印」をもらえる。
 渡された帖面に御朱印をもらっていくことで霊力が溜まっていき,「帖面にたくさんの御朱印をもらえば,帰り道が開くはずさ」と言われたマコは,半ば無理やりに配送の仕事をさせられることになる。

ここを仕切っている「モズ」という人物。マコに配送の仕事を振ってくれることになったが,どこかで見たような荷票だ……
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 ブモン便配送センターを拠点として,モノノケたちが徘徊するマヨイ天界のフィールドに出撃し,依頼の品をフィールド上で収集,集まったら梱包作業を行い,依頼人に届ける。基本的には,このサイクルを繰り返していく。

ブモン便配送センターもそうだが,フィールドも,和風ファンタジーとでもいうべき不思議な世界となっている
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フィールド上ではところどころに鉱石があり,ボタンを押しっぱなしにすることで採掘・確保ができる。鉱石は採ったあとも,時間経過で再出現する
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依頼を達成すると,その神様の「御朱印」をゲットできる。「天恵札」というものも得られ,こちらは三択。計3つまで効果を発揮できるので,状況に応じて付け替えていくことになるだろう
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 徘徊しているモノノケたちはマコに向かって攻撃してくるため,安全に採掘するためにも,積極的に倒していく必要がある。だが,本作がほかのアクションゲームと大きく違うのが,この戦闘部分だ。

 マコはモノノケに対して攻撃できるのだが,モノノケたちはマコが近づくと離れていく習性を持っており,離れながら弾を撃ってくるため,安易な攻撃では蹴散らしづらくなっている。

 そこで必要となってくるのが,「赤蜜」を使った拘束だ。赤蜜はこの世界におけるエネルギーの塊のようなもので,さまざまな用途があるのだが,これを敵に当てることで,一定時間,モノノケを足止めできる。

マコはジャンプしたあと,フィールド上にある柱状のオブジェクトまたはモノノケの頭上に乗れる。頭上に乗ると,そのモノノケに赤蜜をバシャッとかけることができる。かけられたモノノケはしばらく動けなくなるので,そのあいだに攻撃するもよし。別のモノノケを攻撃するもよしだ
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 赤蜜を利用したアクションはほかにもあり,1体に対して「頭上乗り」「赤蜜かけ」「攻撃」の順に行うと,最後の「攻撃」の段階で,周囲にいるほかの敵にも赤蜜がかかる。これを利用して,複数の敵に赤蜜をかけるというテクニックもある。

柱に乗り,近くにいたモノノケたちがこちらを察知した。あらかじめ,柱に赤蜜をかけておき,モノノケたちが近づいてきたところで柱に攻撃すると,赤蜜が広範囲に飛び散って一網打尽にできる
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オブジェクトの中には特殊な柱「チャージピン」があり,ここに赤蜜をチャージしてから攻撃することで,周囲のモノノケを一掃することもできる
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 こうした一連のアクションの把握は非常に重要なので,ブモン便配送センターで体験できるチュートリアルは,しっかり確認したほうがいい。
 ジャンプしたあとにすぐジャンプボタンをもう一度押すことでオブジェクトやモノノケの頭上に飛びつくのだが,ジャンプ単体で空中に留まっているあいだは無敵状態となる。モノノケが撃ってくる弾は移動で避けることも可能だが,このジャンプ中=無敵を把握しておくと,回避できる機会は増えるはずだ。

チュートリアルでの,無敵時間に関する解説。ジャンプボタンの長押しで,滞空時間が少し長くなることも覚えておこう
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壁際に追い詰めて攻撃を連打すれば,序盤の弱いモノノケであればなんとか倒せないこともないが,スマートなやり方とは言い難い
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「ワイドスイーパー」や「ニードルスピアー」といったサブウェポンがあり,これらはフィールドのタルを壊したり,ショップで購入したりすることで入手できる。個数制限があるので,連打しているとすぐなくなってしまうが,赤蜜を使いたくないときやサブウェポンのほうが有効だと思ったときに使っていくといいだろう
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 また,「飛び乗り」は回避にも使える。戦わずに先へ進みたい場合は,モノノケの頭上への飛び乗りを利用してスピーディーに移動することも可能というわけだ。

 ただし,フィールドを進んで行くと,範囲内の敵をすべて倒さないと出られなくなる「魔境」という場所がある。モノノケをスルーしてきたプレイヤーも,こういった場所ではモノノケをすべて倒す必要に迫られる。

魔境に入ると床の色が特徴的になり,範囲内のモノノケをすべて倒すまでは外へ出られなくなる。腹を決めて,1体ずつ確実に倒していこう。初期状態で見えている以外に,第二波,第三波が発生するので被弾しないように
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 また,基本的な依頼は神様の求める品を収集して届けることではあるが,中には襲いかかってきて話を聞いてくれないタイプの神様もおり,それが本作におけるボス戦という形になる。

最初のボス戦となる,歴史の神「トイコ」。大迫力のドット絵による会話シーンのあと,バトルとなる
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 こうして一定数の依頼を達成すると新たな「神域」に移動できるようになり,以前のステージには行けなくなる。お金を稼いでアイテムを購入するという買い物要素やセーブポイントは存在するが,基本的にはステージクリア型の2Dアクションゲームだ。

不要な鉱石類は換金してしまっていい。変動する換金レートを見て,高いときに売るといいだろう
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アクションの難度は人を選ぶが,和風ファンタジーな世界と緻密なドットワークは魅力


 本作の難度は高い部類に入る。モノノケたちは「とりあえず攻撃ボタンを連打していれば,なんとかなるだろう」という考えではサクサクと倒せない。
 頭上に飛び乗り,赤蜜をかけて足止めし,攻撃を当てて倒す。この一連の流れが戦闘の基本となるわけだが,これが誰しもスムーズに行えるとは言い難い。

 フィールド上でのモノノケとは複数体との戦いになるのが常なので,いずれかのモノノケの頭上に乗って赤蜜をかけて……としているあいだに,ほかのモノノケの攻撃を被弾することも多い。

 とくに体当たり攻撃は発動が早く,動きを見てから「危ない,来る!」と判断して避けるのは難しい。マコの飛びつきはかなりスピードがあるので,モノノケたちの頭上を素早く移動し続けながら赤蜜をかけ,安全を確保してから攻撃すれば,単体のモノノケはなんとかなる。
 しかし,モノノケが複数いる場合,どのモノノケの頭上に移動するかの選択をしている最中に攻撃をくらうこともあり,プレイヤーの反射神経・動体視力がそれに追いつけないと厳しい。「現状の把握」と「行動の選択」をプレイヤーがしているあいだに攻撃をされてしまう感じだ。

モノノケの頭上に乗ったものの,複数体に囲まれている。さて,どれから……と考える間もなく,体当たり攻撃をくらう
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 1〜2体程度のモノノケであれば誰でも対処できると思うが,問題は,4〜5体同時に出てきて,なおかつ,「魔境」のように閉じ込められた場合だ。
 移動範囲が限られていることによる難しさに加え,まずはモノノケの数を減らさないとキツいわけだが,頭上に乗って,赤蜜をかけて……としている間にほかのモノノケの攻撃をくらうことが多くなる。マコの体力は決して多くないため,モノノケの数を減らす前にこちらの体力を削り切られてゲームオーバーになることが多い。

 ゲームオーバーになることで何かを失うといったペナルティはなく,最後にセーブした場所から再開できるものの,魔境内で減らしたモノノケの数も再開後は元に戻るので,また数を減らすところからやり直しになる。正直,ボス戦よりもこちらのほうが難しく感じる人が多いのではと思う。

静止画だと伝わりづらいが,1枚目の画像の画面上には9体のモノノケがおり,画面外から弾も飛んで来ている
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 赤蜜も有限なので,乱用はできない。赤蜜をかけないと攻撃が効かないモノノケも出てくるので,赤蜜が切れるとどうしようもなくなってしまう場面も多い。
 こうしたときに備え,拠点のショップで「赤蜜壺」(使用すると赤蜜が少し増える)を購入しておく必要がある。いざというときにないと困るので,普段からなるべく赤蜜を使わずに温存するように意識が働いてしまうのだが,この部分が「アクションゲームとして,思いっきりできない」というストレスを発生させてしまっているようにも感じる。

 赤蜜は先述のアイテムで補給するほか,敵の撃破時や,フィールドに時々生えてくる赤蜜がかかった柱を壊したときに入手できるのだが,いずれも量としては微々たるもの。出会うモノノケすべてに使っていたら,すぐに枯渇する。

 セーブポイントで一定量まで回復してもいい気がするのだが,体力ですらセーブポイントでは一切回復できない仕様なので,敵を倒してお金を稼ぎ,拠点のショップで体力回復薬や赤蜜壺を常備しておきなさいという,RPG的な部分も重要視しているのだろう。
 しかし,アイテムはそれまでに購入した個数に応じて徐々に価格が上がっていくようで,苦戦してアイテムを多用すればするほど,アイテムの調達も厳しくなっていく。このあたりは少々,厳しすぎではないかという印象を受けた。

最初は50だった完全回復薬が,いつの間にか53になっていた。どこまで上がるのだろうか……
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拾った素材を調合して薬を作ることもできる。これならお金を使わずに済む……が,そんなにどんどん作れるほど素材が採りまくれるわけでもないので,こちらはこちらで大変。素材に加えて赤蜜も大量に消費するため,ここでも赤蜜に悩まされる
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 ……と,ここまでの原稿執筆後,6月30日に不具合修正・仕様変更のアップデートが入った。内容は以下の通りだ。

・道祖神でセーブしたタイミングでHPを全回復するように変更
・全ての箱を赤蜜無しで叩いて壊せるように変更
・赤蜜が雨で「はやく消える」ように変更
・赤蜜井戸に入ることで赤蜜が入手できるように変更
・調合での赤蜜の消費量を半分に変更
・購入数に伴いショップ価格が上がるのを廃止
・赤蜜ドロップ率および全体ドロップ数を引き上げ
・マコの防御力を変更
・敵キャラの動作およびボス戦の難度を調整
・飛びつき中に被ダメした時,赤蜜を失わないように変更
・安地ピンに関するバグの修正

 まず,セーブポイントでHPが全回復するようになったのは大きい。道中のシビアさが,かなり緩和されたといえる。

 ただし,セーブ→回復の順で処理しているようで,ロードすると,セーブポイントを訪れたときの体力に戻ってしまう。このため,体力が減った状態でセーブポイントを訪れた場合は,再開時にセーブし直して体力を全快する必要がある。
 そのセーブポイントに初めて訪れた際に2回続けてセーブすれば,体力全快の状態を保存できるが,ただ手間を増やしているだけだと思うので,少々詰めが甘い印象だ。

 赤蜜関連にも大きく手が入った。拠点の赤蜜井戸に入ることで赤蜜が入手できるようになったほか,調合での赤蜜消費量も半減し,ドロップ率および全体ドロップ数も引き上げられている。また,飛びつき中にダメージを受けた際,赤蜜を失わないようにも変更された。
 これらの変更により,どうしても節約の意識が働いていた赤蜜をガンガン使っていけるようになった。購入数に伴いショップ価格が上昇していく仕様も廃止されたことで,アクションが苦手なプレイヤーにも優しい仕様になったといえる。

 また,「マコの防御力を変更」という項目があるが,軽く検証してみたところ,マコの耐久力が上方修正されていた。アップデート前は1発くらうだけで4ダメージ(ハート1個を1とすると0.4のダメージ)を受けていた攻撃が,アップデート後は3ダメージに減っていた。敵弾も,アプデ前は7ダメージ受けていたのが,5ダメージに減少しているのが確認できた。

同じモノノケでダメージを受けたときの比較。左がアプデ前,右がアプデ後だ。画面上のダメージ表記と,画面左上のハートの減少量が少なくなっているのが分かるはず
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 発売後1週間というスピードで,不具合修正ではない仕様変更がこれだけ入るのも珍しいが,プレイヤーからのフィードバックを迅速に反映した点は高く評価したい。変更点はどれも納得できるもので,とくに「赤蜜」は本作のすべてのアクションの中心にある要素なのに,それを思いっきり使えない,枯渇しがちというのは本末転倒な印象だった。なのでアプデ後の仕様には大賛成だ。

 リリース直後に購入してその難度に打ちのめされた人や,世界設定やキャラクターが気になっていたものの,Steam上のユーザーレビューを見て不安になっていた人などは,このアプデを機に,ぜひ自分の目で確かめてほしい。とにかくヌルヌル動くドットワークは一見の価値ありで,和風ファンタジーな世界と,それに合致したBGMのクオリティも高い。とくに2Dドットのゲームが好きな人は,フィールドをウロウロと歩いているだけで,幸福感を得られることだろう。

「Outrider Mako 〜露払いマコの見習帖〜」公式サイト

  • 関連タイトル:

    Outrider Mako 〜露払いマコの見習帖〜

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