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世界大会への切符をかけて。ブラジルで開催される「ブロスタ」LCQで実況解説を務めるBruno Clash氏に話を聞いた
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この盛り上がりの背景には,世界大会「Brawl Stars Championship 2025」のLast Chance Qualifier(LCQ)が,今年はBGSの会期中に合わせて開催されるという事情がある。
世界7地域から16チームが集まり,世界大会への残り4枠を懸けて戦う大きな大会で,シリーズとしては初の南米開催であり,SupercellがLATAM市場を本格的に視野に入れていることが読み取れる。
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実際のところ,ブロスタのブラジル市場での存在感は年々高まっている。
アプリ調査会社AppMagicのデータによると,「Brawl Stars」ダウンロード数の国別割合は,1位のアメリカ(13%)に続いて,ブラジルはわずかの差で2位(12%)。しかしその差はほんの1%しかない。売り上げベースでみると日本やフランスよりは少なくなるが,それでもここまで6000万ドル(約90億円)近くを稼ぎ出している。
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さらに追い打ち(?)として,今年9月のアップデートで追加された「Mina(ミーナ)」は,サンパウロ出身のミシック・ブロウラーという設定を持っており,明らかにブラジルのカルチャーを感じさせる新キャラクターが登場したことにある。
明るく自由奔放な性格で,スキル構成やボイス,アニメーションにはブラジルらしいポップな要素が随所に散りばめられている。Supercellの公式ブログでもその出自が言及されており,ブラジルのプレイヤーコミュニティからは「ついに自分達を代表するブロウラーが登場した!」という声が多く上がっている。
そんな熱いブラジルで開催されるLCQだが,世界大会という点では日本の活躍も見逃せない。ZETA DIVISIONが2021年,2022年と2年連続で世界王者に輝き,2024年の大会ではCrazy Raccoonが準優勝。今回のBGSにもそのCrazy Raccoonが出場しており,ブラジル代表チームと同じステージで戦う予定だ。
この現地の盛り上がりについて,長年Supercellタイトルの実況・解説を務め,ブラジルのブロスタコミュニティを牽引してきたBruno Clash(ブルーノ・クラッシュ)氏の時間をもらうことができたので,話を聞いてみた。
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いよいよLCQが始まりますが,会場の雰囲気はどうですか。
Bruno氏:
みんな本当にハイになっていて,すごくワクワクしながらLCQの開催を待っています。ブラジルのチームが本戦に進出できるのか――それを確かめられる機会でもありますしね。
まず第一に,ブラジル人全員が,今回ブラジル代表として出場する2チームが予選を突破してくれることを願っています。でも,ほかの地域のチームがここブラジルにやって来るということ自体にもとても大きな意味があるんです。
4Gamer:
ホーム会場で2チーム出場ということですが,大会全体で,絶対目を外せない選手はいますか?
Bruno氏:
私たちは一部の選手に対して強い憧れを抱いています。たとえばTensai選手がその一人です。
彼らのプレイを見るのが大好きで,これまではいつも遠くから見守るだけでした。でも今回は,彼らが実際に目の前でプレイする姿を見られるんです。みんな写真を撮りたい,彼らをフォローしたい,会ってハグしたい―――そう思っています。実際にそんな時間が取れるかは分かりませんが,とにかく直接会いたいという気持ちがすごく強いんです。
4Gamer:
日本人選手に対してそう思ってくれてとても嬉しいです。
Bruno氏:
要するに,ここにいるみんながとても興奮していて,このイベントがブラジルで行われることを心から嬉しく思っているんです。そして,ブラジルのチームが他の地域のチームとどう戦うのか,それをこの目で見られることを楽しみにしています。
また,2つのブラジルチームがこのLCQに出場していて,その両方が世界大会に進めるかどうか,その可能性に期待しています。さらに,世界中で活躍する有名なチームや選手たち,そしてそのプレイを,これまで憧れの目で見てきたブラジルのファン達が直接見られる機会でもあります。ブラジルでこうした国際イベントが開かれるのは初めてで,私たちにとって本当に大きなチャンスなんです。
4Gamer:
今回会場真近のホテルに泊まったら,周りがeスポーツ選手ばかりで,本当に各国からBrawl StarsのLCQに参加してるんだなと実感しました。
Bruno氏:
選手全員を同じホテルに泊まらせてますからね(笑)。
4Gamer:
どんな国や地域のチームが来てるんですか?
Bruno氏:
イタリア,日本,アメリカ,ブラジル……それから混成チームが2つ。中国もいますね。2つか3つの異なる国籍の選手で構成された多国籍チームもいくつかあります。
4Gamer:
そんな風に世界中の強者が集まった大会で,ブラジル勢の勝算をどう見ていますか。
Bruno氏:
チャンスはあります。もちろん簡単ではないでしょうけど。
BC(Berlin City Club Gaming SA)は比較的進みやすい組み合わせで,少し有利ですが,もう一方のCasa Brawlはかなり苦しい戦いになるでしょう。ゴールデンチケット(最後の1枠)をかけた試合でCrazy RaccoonかInner Circleと当たります。
日本のチームなのでご存知かもしれませんが,我々から見てもCrazy Raccoonはここにいるチームの中で最強です。
4Gamer:
そんな大会に向けて,ブラジルチームはどんな練習を繰り返してきましたか。
Bruno氏:
世界大会の経験は2019年韓国での大会※からありました。長い道のりでした。
練習時間ですが,通常は1日8時間です。月曜から金曜まで。でも試合が近づくと,ほぼ一日中練習してます。年の初めから予選があって,LCQ出場が決まってからは,ほとんど休みなく練習を続けています。
※「Brawl Stars World Finals 2019」(ブロスタ世界大会2019),当時,Bruno Clash氏はこのチームおよび南米地域の配信・実況を担当し,ブラジルチームが初めて世界の舞台に立った大会として強い思い入れを持っているのだという。
4Gamer:
観客数も結構いきそうですね。
Bruno氏:
去年の世界大会は,ポルトガル語の配信で同接3万人くらいでした。今年は4万人超えを狙ってます。オフライン会場においても満員になるはず。BGS全体で見ても,今年いちばんのeスポーツイベントはこれでしょう。ブラジルの応援はとにかく全力ですよ。声援というより“叫び”です(笑)。ぜひブラジルの熱狂というか発狂を体感してみてほしいです。
4Gamer:
体験してみます(笑)。最後に,日本のプレイヤーに何かメッセージがありますか。
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日本のプレイヤーさん,そして日本の選手たちには,いつも敬意を抱いています。特にブロスタにおける日本のプロチームのプレイスタイルや戦術は,ずっと僕らの憧れでした。僕らがいつも注目して観てきた選手たちで,感謝と祝福を伝えたいです。
もちろんブラジルチームにも勝利が訪れることを願っていますが,僕らは日本チームを追いかけるのが大好きなんです。実際,アジア地域は僕の配信で2番目に視聴者が多い地域なんです。アジアの大会も配信していて,ライブで3000〜4000人が観てくれます。北米よりも多いくらいです(笑)。
時差の関係で,ブラジル時間の深夜2時,3時の配信になるんですが,それでも4000人がリアルタイムで観てくれています。これはすごいことです。日本のブロスタからは本当に多くを学んできました。皆さんありがとうございます!
4Gamer:
ありがとうございました。本番は明日ですが,楽しみにしています!
―――2025年10月9日
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「BGS 2025」公式サイト(ポルトガル語)
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