1勝をもぎ取るまでのプレイガイド
ここからは実際に筆者が1勝をもぎ取るまでにたどった苦難をプレイガイドとしてお届けしよう。はじめに伝えておきたいのが,「Dota Auto Chess」は,初心者がある程度遊べるようになるまでのハードルが恐ろしく高いということ。覚えるべき情報量は膨大で,それらを咀嚼し勝てるまでには,多くの努力と時間が必要となる。それでも続けて,少しずつ知識を蓄え,初勝利をつかんだときの喜びは格別である。多くの初心者にとってこのガイドが道しるべになれば幸いだ。
STEP1:基本操作に慣れる
「Dota Auto Chess」をインストールし,まずクリアしたい一つ目の壁は,CPU戦で操作に慣れることだろう。操作に慣れ,1ターンの流れを覚えたところがスタートラインだ。
「駒を購入する」→「駒を盤面に配置する」→「戦闘を見守る」→「CPUを倒したらアイテムを拾う」といった一連の流れを覚えたら,駒を盤面から倉庫にもどしたり,駒を売却したり,アイテムを駒に装備させたりと,少しずつ確かめ,できることを広げてみよう。
カスタムロビーを作成から1人用で練習しよう。「PLAY DOTA AUTO CHESS」のボタンを押すと対人戦が始まってしまうので,選ばないように注意してほしい
 |
空いた時間には駒の性能をクリックして確認しておこう。厳密にすべてを覚える必要はないが,なんとなくの性能は把握しておきたい
 |
STEP2:シナジーを成立させてみる
1人用で操作を練習していると分かるが,本作はCPU戦でもふつうに難しい。何も考えず適当に駒を購入し,盤面に配置しているだけでは,一方的にやられる展開が続いてしまうだろう。
そこで次に覚えるべき項目は,「種族シナジー」と「クラスシナジー」の成立だ。駒によって,種族とクラスは決まっているので,深く考えずに,まず同じ種族かクラスの駒を集めて配置してみよう。
最終的に駒の性能と種族,クラスは覚えるべきだが,現状では覚えなくて大丈夫だ。絵合わせのように種族かクラスが一致する駒を揃えることから始めてみよう
 |
種族の「ゴブリン」やクラスの「メカ」「ウォリアー」あたりは序盤に集めやすく,すぐにシナジーを発揮してくれる
 |
STEP3:アップグレードを狙ってみる
序盤は出現する駒の種類がある程度限定されているため,シナジーの成立が簡単かつ強力だが,中盤に向けて,同一の駒を3体集めることで発生するアップグレードも狙いたい。アップグレードをした駒は性能が大幅に向上するので,お互いにシナジーを発揮している状況では,「★★」の駒の有無が戦闘の勝率に大きく影響を与えるわけだ。無理にラインナップを更新する必要はないが,所持している駒と同一のものを見かけたら積極的に購入していこう。
場合によってはシナジーよりも優先して目指したいアップグレード。コスト2のティンバーソーのように単体でも強く,シナジーも成立しやすい駒はとくに有能だ
 |
クラス「ドルイド」のトレントの護り手やローンドルイドは,同一の2体と別のドルイドがいればアップグレードできる。戦闘に関連するシナジーはないが,単体性能で戦闘に貢献してくれる
 |
STEP4:「PLAY DOTA AUTO CHESS」
前ページでも軽く触れたが,本作の1人用CPU戦とオンラインの対人戦はまったく違うゲーム性となっている。ある程度操作に慣れて,シナジーやアップグレードを理解出来たら,思い切って対人戦に飛び込んでみよう。経験者といきなり戦って勝利するのは難しいが,実戦で経験値を積むことが上達への一番の近道となるはずだ。
STEP5以降では,対人戦で勝利を上げるための重要な項目をお届けする。本稿が正解と言うわけではない。ただ,勝つための指針にはなるはずなので,参考にしてほしい。
本作はCPU戦と対人戦では攻略の方向性がまったく異なる。経験者に負け続けるのは苦しいが,負けながらゲームを覚えて成長していこう
 |
繰り返し対戦に取り組むのも悪くないが,ある程度プレイをした段階でゲームを止めて,情報を整理する時間も作りたい。とくに駒のコストと種族,クラスは,デッキの理想系を目指すうえで必要不可欠な情報だ。勝ちを目指すのであれば,しっかりと把握しておきたい
 |
STEP5:序盤はラインナップの更新をできるだけ控える
先述したシナジーとアップグレードを狙うために,「序盤から駒のラインナップを更新しよう!」と考える人もいるだろうがそれは厳禁だ。というのも本作では駒のラインナップがプレイヤーレベルに依存しているため,序盤ではいくら更新をかけても低コストの駒しか出現しないからだ。
仮に序盤にラインナップを更新し,うまく連勝できたとしても,ある程度ゲームが進行すると,レベルの高い状態でラインナップを更新したプレイヤーにデッキの質で敵わなくなってくる。
どこで更新するのがベストかは,狙っているシナジーや状況によって変化するため判断が必要となるが,ひとまず,序盤に更新する必要はないということを覚えておこう。
シナジーが成立せず,アップグレードも狙えないと苦しい展開が続いてしまう。更新した結果が望んだものでなければ,さらに苦しい状況に追い込まれるため,ぐっとこらえてチャンスを待とう
 |
試合の中盤以降でも打開策が見えなければ,思い切って貯金を切り崩して戦力を強化するのも1つの手だ。1位は狙えなくなるかもしれないが,1つでも順位を上げるために最大限の努力をしたい
 |
STEP6:レベルアップのタイミングは4の倍数+1のラウンド時
前ページでも触れたが,本作は盤面に置ける駒の数がプレイヤーレベルに依存している。盤面の駒数で不利を強いられると戦闘が苦しくなるので,できる限り,以下のタイミングでレベルアップを行っていこう。連勝報酬でほかのプレイヤーとGOLD格差をつけられれば,それだけ試合を有利に運べるはずだ。
・レベル4→レベル5
5ラウンド目に経験値を1度購入(5GOLD消費)
※5ラウンド目に欲しい駒がある場合は6ラウンド目に経験値を1度購入(5GOLD消費)
・レベル5→レベル6
9ラウンド目に経験値を1度購入(5GOLD消費)
・レベル6→レベル7
13ラウンド目に経験値を3度購入(15GOLD消費)or17ラウンド目に経験値を2度購入(10GOLD消費)
慣れている人ほど上記のタイミングでレベルアップを行ってくる。タイミングはほぼ一定なので,すぐに覚えられるはずだ
 |
STEP7:GOLDの消費は最低限に。利子報酬を稼ぐ
駒のラインナップをできるだけ更新しなかったり,効率のいいタイミングのレベルアップを行ったりするのは,この「利子報酬」をより多く得るためだ。本作では各ラウンドの開始時に,前ラウンドで所持しているGOLDの10%の利子報酬を獲得できる。連勝or連敗報酬と異なり,利子報酬で得られるGOLDは一定であるため,状況に左右されにくい。どこかで勝負に出ないといけないシーンは必ず訪れるが,自分の残体力と相談しつつ,貯蓄をしていこう。
利子の仕組み的に,GOLD管理は10GOLD刻みが基本となる
 |
利子報酬の上限は50GOLD以上でもらえる5GOLDとなる。戦闘に余裕があれば,50GOLDをキープしつつ,デッキの強化に取り組みたい
 |
10ラウンド以降の5ラウンドごとに発生するCPU戦は戦力が整っていれば勝利しやすい。無理にGOLDを使わず,利子報酬を獲得しよう
 |
STEP8:駒の性能を把握し,理想的なデッキ構築を理解する
ここまでに紹介した内容で,「Dota Auto Chess」の攻略の基本方針はほとんど理解しているはずだ。いよいよ勝利を目指すための最後の関門である,駒の性能の把握と理想的なデッキ構築への理解に取り組もう。
ここで注意したいのは,すべての駒を一度に覚える必要はないということ。本作に登場する駒の数は膨大でいきなりすべてを覚えるのは難しい。ひとまずは今までプレイしたなかで覚えた駒を活かせるデッキの理想系を調べ,それに必要なパーツを覚えていくのがいいだろう。
販売される駒のラインナップはランダムかつ,ほかのプレイヤーと競合することもあるため,デッキを決め打ちで構築するのは難しい。ただ,効果的なデッキ構成をいくつか覚えておけば,ある程度臨機応変に対応できるはずだ
 |
筆者が1勝をもぎとるために選んだデッキは,種族の「ゴブリン」とクラスの「メカ」を中心にした,いわゆる「ゴブリン・メカ」だ。選択した理由は,見た目と名前で判別しやすいため
 |
また,初心者にオススメのデッキをいくつか紹介する。作成難度も低めとなっているので,ぜひ参考にしてほしい。
6ウォリアー(+4ビースト)
ウォリアーのシナジーで守りを,ビーストのシナジーで攻撃を上昇させるデッキ構成。ウォリアーの駒は本作で最も多い11種類存在し,序盤に事故を起こしにくいことが大きな特徴だ。ビーストのベノマンサーやローンドルイドは単体でも強力なユニットで,シナジーが発動しなくとも大きな活躍を見せてくれる。
また,ウォリアーのトロルの戦将はアクティブスキルを持たないため,「呪われた吸血攻撃のマスク
※」を装備させるのに最適な駒の1つ。作成できた場合は真っ先に装備させよう。
※呪われた吸血攻撃のマスク:便利な棒と吸血鬼のマスクの組み合わせで作成されるアイテム。駒のアクティブスキルが封印されるが,攻撃速度の向上とライフスティール10%が付与される
種族シナジー「野性の力」
2種類のビーストを配置:味方全員(召喚生物も含む)の攻撃力が10%上昇
4種類のビーストを配置:味方全員(召喚生物も含む)の攻撃力がさらに20%上昇(合計30%)
クラスシナジー「戦士の守り」
3種類のウォリアーを配置:味方のウォリアーのアーマーが5上昇
6種類のウォリアーを配置:味方のウォリアーのアーマーがさらに7上昇(合計:12)
9種類のウォリアーを配置:味方のウォリアーのアーマーがさらに9上昇(合計:21)
駒名称 |
コスト |
種族 |
クラス |
タスカー |
1GOLD |
ビースト |
ウォリアー |
スラーダー |
2GOLD |
ナーガ |
ウォリアー |
人狼ライカン |
3GOLD |
ビースト/ヒューマン |
ウォリアー |
海賊王クンカ |
4GOLD |
ヒューマン |
ウォリアー |
トロルの戦将 |
4GOLD |
トロル |
ウォリアー |
ドゥームデーモン |
4GOLD |
デーモン |
ウォリアー |
ベノマンサー |
3GOLD |
ビースト |
ウォーロック |
ローンドルイド |
4GOLD |
ビースト |
ドルイド |
4オーク(+3メイジ)
序盤は低コストで強力な前衛となる「オーク」の駒を集め,中盤以降に高コスト・高火力な「メイジ」の駒を集めていく。前衛と後衛のバランスがよく,どんなタイプのデッキとも戦える点が強みだ。デッキの中心となるのは,強力な範囲スキルを持つオークの占い師と雷のエレメンタル。これらの駒は,味方にマナを供給する魔女リーライのパッシブスキルによって素早くスキルを撃てるようになる。もし,スキルを撃つ前に倒されてしまっている場合は,HPの高い駒の後ろに配置するなどの工夫をするといいだろう。
また,8体目以降のプランは「海賊王クンカを加えて3ウォリアーを発動させる」「メイジを追加していき,6メイジを目指す」「タイドハンターとメデューサを加えて,2ナーガ,3ハンターを発動させる」などのパターンがある。他プレイヤーのデッキ構成に応じて,前衛・後衛どちらかを強化していこう。
種族シナジー「百戦錬磨」
2種類のオークを配置:味方のオークの最大HPが250上昇
4種類のオークを配置:味方のオークの最大HPがさらに350上昇(合計:600)
クラスシナジー「魔法耐性ダウン」
3種類のメイジを配置:敵全員の魔法耐性を35%低下
6種類のメイジを配置:敵全員の魔法耐性をさらに45%低下(合計:80%)
駒名称 |
コスト |
種族 |
クラス |
アックス |
1GOLD |
オーク |
ウォリアー |
剣聖ジャガノ |
2GOLD |
オーク |
ウォリアー |
ビーストマスター |
2GOLD |
オーク |
ハンター |
オークの占い師 |
4GOLD |
オーク |
シャーマン |
魔女リーライ |
2GOLD |
ヒューマン |
メイジ |
雷のエレメンタル |
3GOLD |
エレメンタル |
メイジ |
光の老魔道士 |
4GOLD |
ヒューマン |
メイジ |
6ゴブリン(+3ウォーロック)
味方全体にアーマーとHP回復を付与する「ナノマシン」のシナジーを目指すデッキ構成。ゴブリン錬金術師のクラスがウォーロックのため,影のデーモンや不死のネクロといった優秀なウォーロックと組み合わせて,自然に追加シナジーを発生させられるのが強みだ。
ただし,「ナノマシン」のシナジーは,6体のゴブリンが揃わないと本領を発揮しない。コスト5の地雷工作員を引けずに負けることも多く,リスキーなデッキともいえる。
種族シナジー「ナノマシン」
3種類のゴブリンを配置:ランダムで選ばれた味方1人にアーマー+15と毎秒10のHP回復を付与
6種類のゴブリンを配置:味方全員にアーマー+15と毎秒10のHP回復を付与
クラスシナジー「ソウルスティール」
3種類のウォーロックを配置:味方全員に攻撃とスキルで与えたダメージの10%分のHPを回復するスキルを付与
6種類のウォーロックを配置:上記のダメージを与えた際の回復量がさらに20%増加
駒名称 |
コスト |
種族 |
クラス |
クロックワーク |
1GOLD |
ゴブリン |
メカ |
ゴブリン賞金稼ぎ |
1GOLD |
ゴブリン |
アサシン |
ティンカー |
1GOLD |
ゴブリン |
メカ |
ティンバーソー |
2GOLD |
ゴブリン |
メカ |
ゴブリン錬金術師 |
4GOLD |
ゴブリン |
ウォーロック |
地雷工作員 |
5GOLD |
ゴブリン |
メカ |
・上記6ゴブリンに加えて,以下から2体
駒名称 |
コスト |
種族 |
クラス |
影のデーモン |
3GOLD |
デーモン |
ウォーロック |
不死のネクロ |
4GOLD |
アンデッド |
ウォーロック |
謎のエレメンタル |
5GOLD |
エレメンタル |
ウォーロック |
不死の悪霊使い |
5GOLD |
アンデッド |
ウォーロック |
繰り返しプレイを続け,上達する過程を楽しもう
以上がプレイガイドとなる。筆者はゲームをインストールしてから,上記のような道筋を辿り,丸々2日間かけて1勝をもぎ取った。負け続け,苦しい時間も長かったが,少しずつ上達し,知識も充実する行程は対戦ゲームならではの楽しみが詰まっていたように感じられた。
本記事には「Dota Auto Chess」をプレイするために必要な基礎知識はすべて盛り込まれている。これから本作をやり込もうという人は記事を参考に,負け試合からもいろいろなことを学びながら,ぜひ遊び続けてほしい。