［GDC 2010］PlayStation Move対応タイトルは，本格TPSからミニゲーム集までバラエティが豊富。SCEプレスカンファレンス詳報

発表会の最初に登場したソニー ワールドワイドスタジオ社長の吉田周平氏は「PlayStation 3にモーションコントローラが登場することにより，ハードゲーマーからカジュアルゲーマーまで取り込めるようになる」と述べた

　Sony Computer Entertainment of Americaは，現地時間の3月10日，アメリカのサンフランシスコでプレスカンファレンスを開催し，PlayStation 3用モーションコントローラ「PlayStation Move」を発表した。北米地域では「PlayStation Move」「Eye Toy」と対応ゲームをセットにしたスターターキットを，100ドル以下で売り出す予定。なお，そのほかの製品ラインナップについては未定だ。

　PlayStation Moveは，2009年の東京ゲームショウで「モーションコントローラ（仮称）」として発表されていたもの（関連記事）。今回は，その正式名称と詳細があらためて公開されたわけだ。
　すでにソニー・コンピュータエンタテインメントの発表に基づいた記事を掲載しているので，本稿では会場でプレゼンテーションされたPlayStation Move対応タイトルについてお伝えしよう。


　会場でプレゼンテーションされたタイトルは

・SPORTS CHAMPIONS GLADIATOR DUEL（仮題）
・SPORTS CHAMPIONS TABLE TENNIS（仮題）
・MOVE Party!（仮題）
・Little BIG Planet
・EyePet
・MOTION FIGHTERS（仮題）
・SOCOM 4: U.S.NAVY SEALS

　の7作品。

　SPORTS CHAMPIONS GLADIATOR DUELは，複数のゲームが収録された「SPORTS CHAMPIONS」の中の一コンテンツで，プレイヤーはグラディエーターとして戦うという内容。両手にPlayStation Moveを持ち，右手が剣，左が盾にそれぞれ対応している。だいたい想像がつくだろうが，右手を振るように動かせば，ゲーム内のキャラクターも同じように行動して攻撃する。ハイ，ミドル，ローの3か所に向けて攻撃でき，攻撃場所はプレイヤーが振るPlayStation Moveの動きで決まるという仕組みだ。また，左手で盾をハイ，ミドル，ローの位置に動かして，相手の攻撃を防ぐこともできる。




　同じくSPORTS CHAMPIONSの収録タイトルであるTABLE TENNISは，PlayStation Moveをラケットに見立ててプレイする卓球ゲームだ。単にラケットを振るだけでなく，微妙な手首の返しによって，ボールにトップスピンをかけるといったこともできる。また，フォアハンドだけでなく，バックハンドにも対応しており，現実の卓球にかなり近いものが，テレビの前で楽しめる。ちなみに，体の角度を変えてサーブの方向を調整することもできるが，しゃがみなどには対応していないようなので，“王子サーブ”は難しいかもしれない。


　MOVE Party!は，Eye Toyで取り込んだ自分をPlayStation Moveで動かして遊ぶミニゲーム集で，四方八方から飛んでくる虫を叩き落したり，画面に現れたマークをはみ出さないように塗ったりするゲームが実演された。ゲームを遊ぶ人だけでなく，周りで見ている人も一緒になって楽しめる，パーティ向けのゲームといえるだろう。




　Little BIG Planetは，すでに発売されている同名タイトルをPlayStation Moveに対応させたもので，二人のプレイヤーによる協力プレイが実演された。一人はPlayStation Moveを持って，画面内のオブジェクトを操作して道を作ったりする。もう一人は通常のコントローラで，従来どおりにプレイするのだが，PlayStation Moveを持ったプレイヤーと息が合っていないと，思わぬところでミスをしてしまうこともあった。



　EyePetは，画面内に表示されるバーチャルペットを，テレビの前にいるみんなで可愛がるというソフトだ。PlayStation Moveを持った人がメインの指示を出せる。例えばPlayStation Moveで絵を描くと，ペットが同じ絵を描いたり，シャボン玉を作り出すとそれをペットが追いかけたりといったことが楽しめる。また，Eye Toyが認識する範囲にいる人であれば，ペットをなでてあげるなどの簡単なアクションができるという。




　MOTION FIGHTERSは，両手に持ったPlayStation Moveを拳に見立て，敵とひたすら殴り合うという，若干バイオレンスな味付けのゲームだ。もちろん，腕の振り方に応じて，ストレートやフックの打ち分けが可能。かなりの勢いで腕を何度も振ることになるので，あまり長時間プレイすると肩で息をするくらいに疲れるかもしれない。




　最後に紹介されたSOCOM 4: U.S.NAVY SEALSは，TPS「SOCOM」シリーズのPlayStation Move対応版。PlayStation Moveサブコントローラで基本的な操作を行い，PlayStation Moveで照準を合わせられる。従来のコントローラでは，移動しながら狙いをつけるのがかなり難しかったが，PlayStation Moveに対応したことにより，マウス＋キーボードの操作に近いプレイフィールで遊べそうだ。


　以上が，発表会で紹介されたPlayStation Move対応タイトルだが，開発中のものが多く，詳細が公開されるのはもう少し先になりそうだ。また，あくまでも北米での展開が予定されているタイトルのため，日本での発売に関しては未定となる。


　2009年から存在だけがちらついていたモーションコントローラだったが，2010年になって正式に名前が付けられたことによって，今後プロモーションが活発化するだろう。発売当初はWiiユーザーとかぶりが少なかったPlayStaion 3だが，PlayStation Moveの投入により，ある部分で真っ向からぶつかることなる。さらにXbox 360には「Natal」と呼ばれる，モーションコントローラを一歩押し進めたプロジェクトが進行しているので，3機種によるプラットフォーム戦争が再び熱くなるかもしれない。