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ARグラスとスマートフォンでAIが捨て牌をアシスト!? リアル麻雀に演出を重ねる「スーパーAI麻雀」を体験してみた[TGS2025]
AIグラスで危険牌がわかっちゃうチート麻雀「ハイパーAI麻雀」を出展します! #デモまつり
— ゆーじ (@yuujii) September 4, 2025
イオンコンパス幕張会議室
9月25日(木)19:00〜21:00 https://t.co/pnRlBOIuD7 pic.twitter.com/RMoLPXhOyV
これは面白そうということで,イベントを主催するパノラプロ代表の広田 稔氏に,「取材していいっすか?」とDMを飛ばしたところ,「もちろん!」と返信が来たので,体験してみることにした。
「スーパーAI麻雀」(※上記ポストではハイパーAI麻雀)では,いったい何ができるのだろうか?
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2台のスマートフォンで盤面と手牌を認識
イベント会場に入ったところ,スーパーAI麻雀を制作したVR/MRソフトウェア開発者のゆーじ氏(https://x.com/yuujii)により,まさに展示の準備が行われている真っ最中だった。
折りたたみ式麻雀卓が置かれており,天板マットには,牌の山や,捨て牌位置を示す養生テープが貼られている。テープはマーカーではなく,人間に「ここに牌を置いて」と示すためのものだ。
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完成したプレイ中の様子が,こちらだ。
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麻雀卓の一角には,アームが固定されており,その先にはスマートフォンがぶら下げられている。これは,カメラで卓上を監視して,捨て牌や鳴いた牌,山の牌,ドラを示す牌などを認識するためのものだ。リアルタイムの盤面解析には,かなりの処理能力が必要なようで,スマートフォンの背面に外付け冷却ファンを取り付けているほどである。
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スーパーAI麻雀のプレイヤーは,サングラス型ディスプレイの「XREAL One」を着用して,卓の一角に着席する。XREAL Oneは,プレイヤーの前にあるスマートフォンにつながっており,スマートフォンがプレイヤーの手牌の監視と,すべての制御を担当するという。
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プレイヤーはサングラス型ディスプレイをかけて麻雀を打つ。サングラス型ディスプレイの画面には,プレイヤーの手牌と卓上の捨て牌などを認識したうえで,手牌から何を切るべきかや,その手牌を切った場合にほかの参加者にふり込んでしまう確率「放銃率」などが表示される。
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牌の認識はかなり高精度だ。たとえば,ツモってきた牌を認識するまでは,若干のタイムラグがあるものの,逆さまにしていても正確に認識できている。「赤五筒」や「赤五萬」,「中」といった赤色が多い牌は,認識に失敗することもあったが,スマートフォン上で認識のしきい値を調整することで,対応できていた。
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開発者のゆーじ氏が公開したポストの動画で,リーチとツモの様子を確認してほしい。
スーパーAI麻雀
— ゆーじ (@yuujii) September 24, 2025
リーチやツモのデフォルト演出
役満はド派手な演出にするのも良いな pic.twitter.com/lcpNIh3rks
もうひとつ面白かったのは,捨て牌候補の指示で,早上がりを重視した場合「Speed」と,高得点の上がりを重視する「Value」という2種類を提示することだ。狙う役によって,捨て牌を変えるのは自然なことだが,プレイヤーが何を狙うかまではAIに判断できないので,2方向での捨て牌を指示するというのはアリだろう。
ただ,捨て牌の指示については,まだ精度が十分ではないようで,「それ切ったら上がれないでしょう?」という牌を,捨て牌候補として提示してくることもあった。
ゆーじ氏は,常にAIの指示どおりに牌を切るのではなく,捨て牌に困ったときの参考にするのがいいのではないか,という考えを示していた。たしかにそういう場合なら,放銃率の高い牌は避けるという賢い打ち方ができるかもしれない。
今回のデモでは,スーパーAI麻雀をプレイできるのは1人だけだった。しかし,ゆーじ氏のポストによると,参加者4人分の6DoF(6軸自由度)対応サングラス型ディスプレイがあれば,全員がグラスをかけてスーパーAI麻雀をプレイできるようだ。
どこかの麻雀卓メーカーや雀荘が,何かの間違いで導入してくれたら面白いのだが‥‥。
点数計算をAIで行う仕組みも開発中とのことなので,今後の発展に期待したい。
スーパーAI麻雀開発者 ゆーじ氏のXアカウント
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