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ARグラスとスマートフォンでAIが捨て牌をアシスト!? リアル麻雀に演出を重ねる「スーパーAI麻雀」を体験してみた[TGS2025]
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印刷2025/09/27 22:03

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ARグラスとスマートフォンでAIが捨て牌をアシスト!? リアル麻雀に演出を重ねる「スーパーAI麻雀」を体験してみた[TGS2025]

 ある日,筆者のXのタイムラインに,目を惹くポストが飛び込んできた。
 雀卓の上に「ざわ‥」「ざわ‥」の文字が浮かび,「AIグラスで危険牌がわかっちゃう」という何かが,東京ゲームショウ2025会場の近くのイベント「幕張デモまつり2025」で出展されるというのだ。
 これは面白そうということで,イベントを主催するパノラプロ代表の広田 稔氏に,「取材していいっすか?」とDMを飛ばしたところ,「もちろん!」と返信が来たので,体験してみることにした。
 「スーパーAI麻雀」(※上記ポストではハイパーAI麻雀)では,いったい何ができるのだろうか?

スーパーAI麻雀プレイ中の様子。サングラス型ディスプレイは「XREAL One」だ。外付けカメラの「XREAL Eye」がついているが,今回はこれを使っていないとのこと
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2台のスマートフォンで盤面と手牌を認識


 イベント会場に入ったところ,スーパーAI麻雀を制作したVR/MRソフトウェア開発者のゆーじ氏(https://x.com/yuujii)により,まさに展示の準備が行われている真っ最中だった。
 折りたたみ式麻雀卓が置かれており,天板マットには,牌の山や,捨て牌位置を示す養生テープが貼られている。テープはマーカーではなく,人間に「ここに牌を置いて」と示すためのものだ。

準備中の麻雀卓
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 完成したプレイ中の様子が,こちらだ。

スーパーAI麻雀プレイ中の様子。麻雀卓左のサングラス型ディスプレイをかけている人がプレイヤーで,ほかの3人は普通に麻雀を打っている。プレイヤーの方の撮影許可を取り忘れていたので,モザイクをかけている。黒いTシャツの男性が,開発者のゆーじ氏だ
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 麻雀卓の一角には,アームが固定されており,その先にはスマートフォンがぶら下げられている。これは,カメラで卓上を監視して,捨て牌や鳴いた牌,山の牌,ドラを示す牌などを認識するためのものだ。リアルタイムの盤面解析には,かなりの処理能力が必要なようで,スマートフォンの背面に外付け冷却ファンを取り付けているほどである。

アームでぶら下げられている卓上監視用スマートフォン。冷却ファンを外付けして冷やしている
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卓上監視用スマートフォンの画面を,下から覗いたところ。インカメラで盤面を監視している。左のパネルは,牌を認識するためのパラメータ調整を行うもののようだ
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 スーパーAI麻雀のプレイヤーは,サングラス型ディスプレイの「XREAL One」を着用して,卓の一角に着席する。XREAL Oneは,プレイヤーの前にあるスマートフォンにつながっており,スマートフォンがプレイヤーの手牌の監視と,すべての制御を担当するという。

プレイヤーの手前にあるスマートフォンが,コントローラとなっている
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手前にあるスマートフォンの画面。左は認識用の設定パネルで,中央下にカメラの生映像が,右に出ているのは,参加者の捨て牌の認識結果のようだ
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 プレイヤーはサングラス型ディスプレイをかけて麻雀を打つ。サングラス型ディスプレイの画面には,プレイヤーの手牌と卓上の捨て牌などを認識したうえで,手牌から何を切るべきかや,その手牌を切った場合にほかの参加者にふり込んでしまう確率「放銃率」などが表示される。

プレイヤーが見る映像。捨て牌候補が2パターン,テキストで示されている。下側には認識した自分の手牌が表示されており,右にはぼやけているが,手牌の進行状況も出ていた
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 牌の認識はかなり高精度だ。たとえば,ツモってきた牌を認識するまでは,若干のタイムラグがあるものの,逆さまにしていても正確に認識できている。「赤五筒」や「赤五萬」,「中」といった赤色が多い牌は,認識に失敗することもあったが,スマートフォン上で認識のしきい値を調整することで,対応できていた。

リーチ時にはデカデカと「立直」と出るのが楽しい
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 面白いのは,リーチをすれば画面上に「立直」と,ロンで上がれば「ロン」と,麻雀ゲームのようなエフェクトがデカデカと表示されるところだ。ただ,ロンの画面を見たければ,自分で上がらなくてはならないのだが,筆者は何局か打ったものの,自分で上がることはできなかった‥‥
 開発者のゆーじ氏が公開したポストの動画で,リーチとツモの様子を確認してほしい。


 もうひとつ面白かったのは,捨て牌候補の指示で,早上がりを重視した場合「Speed」と,高得点の上がりを重視する「Value」という2種類を提示することだ。狙う役によって,捨て牌を変えるのは自然なことだが,プレイヤーが何を狙うかまではAIに判断できないので,2方向での捨て牌を指示するというのはアリだろう。
 ただ,捨て牌の指示については,まだ精度が十分ではないようで,「それ切ったら上がれないでしょう?」という牌を,捨て牌候補として提示してくることもあった。

 ゆーじ氏は,常にAIの指示どおりに牌を切るのではなく,捨て牌に困ったときの参考にするのがいいのではないか,という考えを示していた。たしかにそういう場合なら,放銃率の高い牌は避けるという賢い打ち方ができるかもしれない。

 今回のデモでは,スーパーAI麻雀をプレイできるのは1人だけだった。しかし,ゆーじ氏のポストによると,参加者4人分の6DoF(6軸自由度)対応サングラス型ディスプレイがあれば,全員がグラスをかけてスーパーAI麻雀をプレイできるようだ。
 どこかの麻雀卓メーカーや雀荘が,何かの間違いで導入してくれたら面白いのだが‥‥。

 点数計算をAIで行う仕組みも開発中とのことなので,今後の発展に期待したい。

スーパーAI麻雀開発者 ゆーじ氏のXアカウント

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