Switch＆Switch2の「バーチャルゲームカード」をおさらい。何ができて何ができないのか？　オンラインライセンスとの違いは？

　2025年4月30日に配信が開始されたNintendo Switchのシステムバージョン20.0.0で，新たな機能「バーチャルゲームカード」が実装された。この機能は，Switch / Switch2本体のダウンロードソフトや追加コンテンツを，物理メディアであるゲームカードのように管理できると謳われているものだ。


　しかし新しい機能であるためか，SNSなどでは「使い方がよく分からない」「そもそも何ができるのか」と戸惑っているユーザーも散見される。そこでこの記事では，あらためてバーチャルゲームカードの機能を紹介しよう。

バーチャルゲームカードとは？

　Switch / Switch2のHOMEメニューにある「バーチャルゲームカード」の項目を選ぶと，ユーザー各自が購入したダウンロードタイトルや追加コンテンツを，バーチャルゲームカードとして一覧できる。

　ここだけ見れば，同じくHOMEメニュー（ゲームタイトルが並ぶ列の一番右側）にある「すべてのソフト」の画面と似ているが，違うのは「すべてのソフト」が，かつてゲームカード（パッケージ版）でプレイしたことがあるタイトルも含むのに対し，バーチャルゲームカードの画面で表示されるのは，前述の通り，ダウンロードタイトルと追加コンテンツのみである点だ。


　この画面に表示されている各タイトルのバーチャルゲームカードの右下には，小さなゲームカードのアイコンが表示されるのだが，これが青くなっていれば，そのバーチャルゲームが「本体にセットされている」ことになる。

　バーチャルゲームカードがSwitch / Switch2の本体にセットされていると，そのダウンロードソフトや追加コンテンツをプレイできる。1台の本体に複数のバーチャルゲームカードをセットすることも可能だ。なお，バーチャルゲームカードをセットするときはインターネット接続が必要になる。

　こう書くと何やら面倒くさそうだが，ダウンロードしたソフトは自動的に本体にセットされるので，少なくとも1台の本体で使う分には，これまでのダウンロードソフトとの違いを意識する必要はほとんどないだろう。

　セットしてあるバーチャルゲームカードは，購入者だけでなく，その本体に登録されている全ユーザーが利用できる。1台の本体を家族それぞれのアカウントで共用するような場合，タイトル購入は1つでいいわけだ。

　当たり前の話だが，バーチャルゲームカードになってもダウンロードソフトであることに変わりはないので，ストレージにはそれを保存するための容量が必要だ。空き容量を作るために本体から削除したタイトルのバーチャルゲームカードは本体から外れ，右下のアイコンが白く表示される。
　

複数の本体でのやりとり

　1つのニンテンドーアカウントでSwitch / Switch2本体を複数所有している場合は，ペアリングによって2台までを「バーチャルゲームカードを利用できる本体」に設定できる（※SwitchとSwitch2の合計で2台まで）。3台以上所有している場合は，バーチャルゲームカードが利用できる本体を入れ替えることも可能だ。


　イメージとしては以下の画面のとおりで，2台のバーチャルゲームカードを利用できる本体の間で，1本のバーチャルゲームカードをやり取りする感じになる。必然的に，バーチャルゲームカードでダウンロードソフトや追加コンテンツをプレイできるのは，どちらか1台だけとなる。


　忘れがちなのは，バーチャルゲームカードをセットするとき，2台の本体双方がインターネットに接続されている必要があることだ（一方の本体は，インターネットの接続ができていればスリープ状態でも可）。セット完了後は，インターネット接続なしでもダウンロードソフトや追加コンテンツをプレイできる。


　さらに，バーチャルゲームカードは，ニンテンドーアカウントに登録した「ファミリーグループ」のメンバーが使用するSwitch / Switch2本体に，14日間貸し出すこともできる。


　1つのファミリーグループには最大8アカウントが参加できる。その名前のとおり，家族での利用を想定したものだが，「同一住所に居住していること」「血縁・婚姻関係があること」といった条件があるわけではなく，友人をメンバーにすることも可能だ。

　ただし，貸し出しにローカル通信が必要である点には注意が必要だ。お互いの本体を持ち寄る必要があるので，遠方の友人と頻繁に貸し借りするのは現実的ではないだろう。また，同じアカウントが複数のファミリーグループに所属することはできないので，それなりに親しい間柄でないと，貸し借りまでのハードルは高くなりそうだ。

2人の本体を持ち寄り，貸し出す側のバーチャルゲームカードのメニューから「ファミリーに貸し出す」を選び，相手を指定してローカル通信，という流れ

前述のとおり，貸出期間は14日間だが，期限前の返却も可能

　誰かに貸し出しているバーチャルゲームカードは，返却してもらうまで，自分の本体にはセットできない。また，借りたバーチャルゲームカードを又貸しすることもできない。

　なお，「ファミリーコンピュータ Nintendo Classics」などのNintendo Switch Online加入者限定のソフトや，「マリオカート８ デラックス コース追加パス」などのNintendo Switch Online + 追加パック利用者だけが利用できる追加コンテンツは，バーチャルゲームカードではないので，貸し出し不可となっている。
　

以前からある「オンラインライセンス」とは何が違う？

　バーチャルゲームカードが実装される前は，ダウンロードソフトを複数の本体でプレイする際の仕組みとして「オンラインライセンス」が使われていた。

　ただ，オンラインライセンスの機能は完全になくなったわけではない。設定でオンにすれば，バーチャルゲームカードをセットしなくても，インターネットに接続したSwitch / Switch2本体でユーザー各自が購入したダウンロードソフトや追加コンテンツをプレイできる。

HOMEメニューの「マイページ」→「ユーザー設定」→「オンラインライセンスの設定」の「オンラインライセンスを使う」をオンにすると利用できる

　オンラインライセンスを利用すると，1つのニンテンドーアカウントで所有している複数のSwitch / Switch2本体でダウンロードソフトや追加コンテンツをプレイできる。この際，バーチャルゲームカードを本体へセットする手間は不要だ。さらに，3台以上の本体でダウンロードソフトや追加コンテンツを共有できるメリットもある。

　注意点としては，前述したように，プレイの際，本体がインターネットに接続されている必要があること，バーチャルゲームカードがセットされていない本体でゲームをプレイできるのは，購入者のアカウントのみになる点がある。

オンラインライセンス利用時は，ほかの本体がそのダウンロードソフトや追加コンテンツを利用していないか，バーチャルゲームカードとして貸し出していないかなどのチェックが入る

　なお，以前のオンラインライセンスでは，同一アカウントの複数の本体で同じゲーム同時にプレイできたが，システムバージョン20.0.0以降は不可となった。

バーチャルゲームカードとオンラインライセンス，どう使えばいい？

　Switch2の発売により，Switchと合わせて複数の本体を所有することになるプレイヤーは，バーチャルゲームカードとオンラインライセンスの兼ね合いが気になるかもしれない。ただ，この2つは排他的な存在ではなく，「バーチャルゲームカードに加えてオンラインラインセンスを使うか，使わないか」という判断になることを覚えておこう。

　オンラインライセンスはデフォルトでオフになっており，ユーザー各自が設定しなければ利用できないことから，おそらく任天堂としてはバーチャルゲームカードのみの利用を推奨していると思われる。

　実際，所有する本体が2台までであれば，オンラインライセンスを使うメリットはあまりなさそうだ。強いて挙げると，2台の間で頻繁にバーチャルゲームカードを差し替えるような使い方をする人なら，オンラインライセンスでの認証のほうが手間がかからないかもしれない。ただその場合，プレイする場所にネット環境が必要となる。

　バーチャルゲームカードであれば，オンラインでの認証なしにプレイできるので，2台のうち1台を外出用にするような使い方にぴったりと言えそうだ。

　オンラインライセンスを利用したほうがいい人としては，やはり「Switch / Switch2本体を合計で3台以上持っており，すべての本体でダウンロードソフトや追加コンテンツを共有したい」人が挙げられる。さらに，「本体を複数人で共用していない」「常時インターネット接続できる環境でのみ，Switch / Switch2本体を使う」などの条件が付くと，困ることは少なくなるだろう。

　本体の台数，1つの本体を使う人数，使用場所など，さまざまな要因が絡んでくるので，迷うのであれば実際に試してみるのが一番だとは思うが，ともあれ，この記事がバーチャルゲームカードを理解する一助になれば幸いだ。

Nintendo Switch 2公式サイト