
連載
月刊ブロックチェーンゲーム通信 第20号。今回の分析ターゲットは「魁 三国志大戦 -Battle of Three Kingdoms-」
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なんか最近ちょっと流行りつつあるかも……? ということは知っていても,どんなタイトルがあって,どういうもので,どれくらいの人が遊んでいて,中では何が行われているのか,実際にプレイしてみないとさっぱり分からないのが,ブロックチェーンゲームです。
なのでこの連載では,毎月のブロックチェーンゲームのユーザー数や取引高ランキングの動向,そのとき話題になっているブロックチェーンタイトルの様々な分析データなどをdouble jump.tokyoが作成し,まとめて皆さんに紹介します。前回は「Yukichi.fun」を深掘りしましたが,今回はセガから「三国志大戦」のライセンス許諾を受け,double jump.tokyoが開発する軍勢カードバトルゲーム「魁 三国志大戦 -Battle of Three Kingdoms-」(PC / iOS / Android)を紹介します。
いやいや私はもうだいぶ詳しいから説明なんか要らないよという人は,詳細版のマンスリーレポートだけでもぜひご覧ください。いま現在のブロックチェーンゲームの流れを知るためには,大いに参考になるはずです。
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【2025年6月】BCGマンスリーレポート(double jump.tokyo)
「月刊ブロックチェーンゲーム通信」記事一覧
ブロックチェーンゲームのユーザー数ランキング
順位 | タイトル | ジャンル | MAU | 先月比 |
1 | World of Dypians | MMORPG | 382万 | +53% |
2 | Pixudi | ボードゲーム | 207万 | +2% |
3 | Hot Spring | シミュレーション | 162万 | +72% |
4 | SERAPH | アクションRPG | 110万 | -0.06% |
5 | Archer Hunter | アクションRPG | 77万 | +118% |
※DappRadarから引用(2025年5月27日時点)。なおユーザー数は,各タイトルに関連したブロックチェーンネットワーク上でのユーザーアクティビティをもとにカウントされています。ブロックチェーンに関係のないアプリ内でのアクティビティなどはカウントされていないので,ご了承ください。
「Archer Hunter」は,Sei NetworkおよびAllora Network上で展開されるWeb3ゲームで,iOS,Android向けにアプリがリリースされており,基本プレイは無料となっています。
プレイヤーは,ゲーム内の実績達成やボス戦,各種イベントをクリアすることで「Gem」トークンを獲得し,これを使って限定アイテムの入手や新機能のアンロックが行えます。武器やキャラクター,装備にはNFTとしてユニークな性能を持つアイテムが用意されており,プレイヤー間での売買や取引,さらには強化も可能となっています。
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またプレイヤーは,さまざまなアクティビティやクエストの完了,特定条件の達成などによって,「Archer Hunter」の主要ユーティリティトークン「ARH」を報酬として獲得可能です。
「ARH」の保有者は,「Archer Hunter」エコシステム内でのガバナンス権限を持ち,製品アップデート,開発戦略,コミュニティ方針などに関する意思決定プロセスに,投票やミーティングを通じて参加可能になります。
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「Archer Hunter」公式サイト
ブロックチェーンゲームの取引高ランキング
順位 | タイトル | ジャンル | 取引高 | 先月比 |
1 | Axie Infinity | TCG | 2268万ドル (約32億8435万円) |
+5% |
2 | Gods Unchained | TCG | 666万ドル (約9億6490万円) |
-5% |
3 | Moto DEX | レース | 329万ドル (約5億561万円) |
-8% |
4 | 4 Pixels | シミュレーション | 290万ドル (約4億2015万円) |
Trending※ |
5 | Nine Chronicles | MMO | 120万ドル (約1億7386万円) |
+62% |
※DappRadarから引用(2025年5月27日時点)。取引高ランキングは,各ゲームのNFTや暗号資産に関連したブロックチェーンネットワーク上のアクティビティを元にカウントされています。ブロックチェーンに関係のないアプリ内でのアクティビティなどはカウントされていないので,ご了承ください。
※Trending:すでにリリース済みのゲームですが,これまではランク外で今月になって急に入ってきたゲームです。数値を出すと「+10万%以上」のようになるので,出していません。
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「Nine Chronicles」は,広大なファンタジー世界を舞台にしたMMORPGです。プレイヤーは探索,クラフト,採掘,統治など,自分の好きなスタイルで自由にプレイすることができます。
バトルはオートで進行するため,事前の戦略立てが勝敗を左右します。ステージをクリアすると経験値(EXP)を獲得でき,各ステージは3ウェーブ構成となっており,ウェーブごとにEXPなどの報酬を得られます。
アイテムクラフト機能では,プレイヤーが独自のNFTアイテムを作成可能です。ただし,アイテムを作るにはレシピが必要で,これらはキャンペーンの特定ステージをクリアすることで解放されます。完成したアイテムはゲーム内ショップでプレイヤー間取引が可能で,取引には「Nine Chronicles」の基軸通貨である「NCG」トークンを使用します。
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「Nine Chronicles」公式サイト
「魁 三国志大戦 -Battle of Three Kingdoms-」
4月30日にモバイル(Android,iOS)およびPC(ブラウザ)向けに,先駆けリリースされた「魁 三国志大戦 -Battle of Three Kingdoms-」(PC / iOS / Android)は,セガから「三国志大戦」のライセンス許諾を受け,double jump.tokyoが開発する作品です。
ゲームシステムは軍勢カードバトルとなっており,「大戦」シリーズの基本ルールは継承しながら,原作とは違った対戦の駆け引きが楽しめるものとなっています。
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アカウント登録時にウォレットが自動的に作成され,ブロックチェーンゲームにありがちな初期の面倒くささがありません。ですのでNFTとして実装されている武将のカードを,ブロックチェーンを意識することなく使ってプレイすることができます。
もちろん,トークン決済が開始されるなどブロックチェーンゲームとしての要素も拡充されており,初期導入のハードルが低いことによって,NFTや暗号資産に不慣れなユーザーでも気軽に楽しめるブロックチェーンゲームとして評価され,注目を集めています。
また,6月13日にガバナンストークンである「SGC」のトークン生成イベント(TGE)が実施され,Binance Alphaをはじめとする10取引所へリスティングされました。
「SGC」はガバナンス機能とユーティリティ機能を併せ持つトークンで,ステーキングによるエンドコンテンツの拡充や,コミュニティへの還元などの展開が予定されています。
・ゲーム概要
本作は,複雑な操作や反射的な動きは必要なく,登用と配置という戦略性に,与えられたほとんどの時間と多くの集中力を注ぐバトルシステムとなっています。
ゲームサイクルは「1. 初期デッキ編成」→「2. マッチング」→「3. 州選択」→「4. 武将登用」→「5. 武将配置」→「6. バトル」(4〜 6を序局・中局・終局と3回繰り返す)となっており,序局から終局までの間で相手の城を落城させることを目指して対戦します。
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プレイヤーは,「1. 初期デッキ編成」で自身が保有する武将カードを使い,コスト合計4以内で初期デッキを編成します。「武将登用」フェーズで追加の武将をピックアップ(登用)して,デッキを拡充・強化していくため,この初期デッキ編成の段階で,大枠の戦略や目指すデッキの方向性を固めることになります。
対戦相手とマッチングしたら,壮大な中国大陸の中から登用を行う州を選び,表示されるマップから初期拠点を決定します。
初期位置から5拠点分移動可能で,拠点を進みながら武将を登用するのですが,局ごとに合計3コスト分の武将が登用できます。
この際,武将によっては条件を満たすことで,計略と呼ばれる固有の能力を発動できるようになるため,発動条件を考慮した登用が重要となります。
登用完了後の「5. 武将配置」では,初期デッキ編成と武将登用で集めた武将を味方の領域に配置します。中局・終局では,前局の敵の配置を確認することができるため,前局の戦いを参考にしながら,次はどんな武将を登用してきて,どのような配置で挑んでくるのか考えながら配置するといった駆け引きが生まれます。
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・覚醒武将カード
NFTとして実装される覚醒武将カードは,無償で入手可能なノーマル武将カードとは違いイラスト全体が表示され,より強力な性能を持っています。
覚醒武将カードは,カードパックなどの課金コンテンツやマーケットプレイス(登用市場)から入手可能です。
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・マーケットプレイス:登用市場
覚醒武将カードを取引できる登用市場では,「魁玉」と呼ばれるゲーム内コインを使用して売買することができます。なお今後は,魁玉ではなく「SGCP」と呼ばれる「SGC」と1対1で交換可能なポイントでの取引に変更予定となっています。
NFTを取引する際に必要になるウォレットは,ゲームアカウントを作成した際に自動的に作成されているため,これまでNFTの売買を行ったことがないプレイヤーでも気軽に取引できるようになっているのが大きな特徴です。
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・オンチェーンデータ
オンチェーンデータを見ると,マーケットプレイス公開から1週間で取引件数は1万件を超えを記録しました。マーケットでの取引価格や取引量から,現環境における人気の武将を伺えるので,オンチェーンデータから環境分析するような遊び方も楽しむことができます。
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・まとめ
「魁 三国志大戦 -Battle of Three Kingdoms-」は,「三国志大戦」の戦略性を引き継ぎつつ,NFT武将カードや自動ウォレットなどWeb3要素を組み込んだ新しいカードバトルゲームです。
ブロックチェーンを意識せずに遊べる設計や,活発なマーケット取引により,初心者でも参加しやすい環境が整っています。
また「SGC」が上場し,今後はステーキング機能などを含め,Web3要素を含んださらなる新たな遊びの展開や,コミュニティの広がりが期待されます。
イラストレーター/YouTuberとして絶大な人気を誇り,Web3プロジェクト「MEGAMI」への参加など,国内外で注目を集めるさいとうなおき先生が「魁 三国志大戦」に電撃参戦!! さいとうなおき先生による完全描き下ろしの武将が公開されました。今後公開される,登場時期や獲得方法について注目が集まっています!
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「魁 三国志大戦 -Battle of Three Kingdoms-」公式サイト
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