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GeForce RTX 5050に対応する「GeForce 576.88 Driver」が登場
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デスクトップ版のGeForce RTX 5050は,7月下旬発売の予定だが,GeForce RTX 5050 Laptop GPUを搭載したノートPCは,7月中に店頭に並ぶと予告されているので,ドライバは一足先に対応したのだろう。
NVIDIA製としては久しぶりのエントリー市場向けGPUということで,注目しているゲーマーも多いのではなかろうか。
そのほかにも,GeForce 576.88 Driverでは,新作メカ対戦型アクション「Mecha BREAK」に対応している。
NVIDIAによると,Mecha BREAKは,「DLSS 4」のマルチフレーム生成を含むDLSSフレーム生成や超解像に対応しているとのこと。GeForce RTX 50シリーズでマルチフレーム生成を有効化すると,グラフィックス品質最高設定の4K解像度で,最大4.6倍のフレームレートが得られるとアピールしている。NVIDIAが比較動画を公開しているので,興味がある人は見てみるといいだろう。
また,GeForce 576.88 Driverは,7月2日にスタートする「Diablo IV」のシーズン9「罪深きホラドリム」にも対応しているとのこと。
シーズン9のアップデートは,GeForce RTX 50シリーズにおけるDLSS 4のマルチフレーム生成に対応しているそうだ。それにより,GeForce RTX 50シリーズでは4K解像度で最大6.5倍のフレームレートを得られるという。
こちらもNVIDIAが動画を公開している。
Maxwell&Pascal世代向けドライバ提供は,次のRelease 580世代で終了か?
ところで,北米時間2025年7月1日にNVIDIA公式フォーラムの「Unix graphics feature deprecation schedule」(Unix向けグラフィックス機能の廃止スケジュール)という固定されたスレッドにおいて,「Maxwell」(GeForce GTX 900/700シリーズ)および「Pascal」(GeForce GTX 10シリーズ)世代のサポートを,Release 580世代のドライバをもって終えることを,同社担当者が告知した(関連リンク)。
スレッドタイトルのとおり,Maxwell&Pascal世代のサポートが終わるのは,Unix系OS向けのドライバだ。NVIDIAはLinux,FreeBSD,Solaris向けにドライバを提供しており,それらではRelease 580世代がMaxwell&Pascal世代をサポートする最後のドライバになる。
現在はRelease 575世代なので,通例どおりなら,次のメジャーリリースがRelease 580になるだろう。
この発表はUnix系OS向けの話題であり,Windows版のドライバ提供を打ち切ると決まったわけではない。ただ,GeForce DriverのReleaseナンバーは,すべてのOSで統一されている。おそらく,ドライバの一部のコードベースが共通化されているだろうことを考慮すると,Windows版もRelease 580世代が,Maxwell&Pascal世代をサポートする最後のドライバになる可能性が極めて高いと判断できる。
ちなみに,Unix向けドライバでは,Maxwell&Pascal世代のサポートが打ち切られる予兆が,かなり前から見えていた。経緯に軽く触れておくと,NVIDIAは,Linux向けドライバのカーネルモジュール(※カーネル側処理を担うモジュール)のソースを長らく公開していなかったが,2022年5月にようやくというか,ついに公開に踏み切ったことがある(関連リンク)。
カーネルモジュールのソースを非公開にしていたことは,過去に,Linuxカーネルの生みの親であるLinus Torvalds氏が,NVIDIAの姿勢に強い怒りをぶつけるなど,NVIDIAとLinuxコミュニティとの間の軋轢の原因になっていた(関連リンク)。
そんな事情もあって,オープンソース版カーネルモジュールの登場は歓迎されたのだが,じつはこのカーネルモジュールでは,公開当初からMaxwell&Pascal世代をサポートしていなかった。Maxwell&Pascal世代は従来どおり,ソース非公開版のカーネルモジュールを使うように指定されていたのだ。
そして2024年7月にNVIDIAは,カーネルモジュールをオープンソース版に完全に移行させることを明らかにした(関連リンク)。ソース非公開版カーネルモジュールの,事実上の終了が宣言されたわけだ。
いまのところ,Maxwell&Pascal世代にはソース非公開版のカーネルモジュールが提供されているが,今後も続くオープンソース版と,事実上の終了が宣言された非公開版の2本立て状態が長く続くとも思えない。近い将来,Maxwell&Pascal世代のドライバ提供が打ち切られるであろうことは日を見るより明らか,という状況ではあった。
なお,一足先に「CUDA」は,「CUDA 12.8」をもってMaxwell&Pascal世代のサポートを終了している。Maxwell&Pascal世代は,Windows向けのドライバを含めて,サポート終了に向けた外堀が埋まってきていることに疑いはない。
Pascal世代最後のGPUである「GeForce GT 1030」のDDR4モデルが発売となったのは,7年以上前の2018年だ。サポートが終わるのは少し早い印象があるが,早すぎるというほどではないだろう。
2025年7月2日19:30頃追記:初出時,GeForce GTX 1660が最後と記述していましたが,正しくはGeForce GT 1030でした。訂正してお詫びいたします
Maxwell&Pascal世代は,描画負荷の軽いゲームや古いタイトルなら十分に現役で利用できるので,いまだ活用しているゲーマーも少なくない。とはいえ,新しいドライバがリリースされなくなれば新しいゲームタイトルの動作は保証されなくなる。これはやはり痛いところ。
少なくとも次のRelease 580世代まではサポートが続くので,慌てる必要はないが,そろそろGPUの乗り換え先を検討し始めたほうが良さそうだ。
GeForce Driverを入手したい人は,以下に示したリンクか,NVIDIA Appアップデート機能を利用してほしい。
→Windows 11,64bit版Windows 10用GeForce 576.88 Driver(869.29 MB)
https://www.nvidia.com/ja-jp/drivers/details/248981/
→ノートPC向けのWindows 11,64bit版Windows 10用GeForce 576.88 Driver(869.29 MB)
https://www.nvidia.com/ja-jp/drivers/details/249013/
●GeForce 576.88 Driverの対応製品
- デスクトップPC向けGeForce RTX 50シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce RTX 40シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce RTX 30シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce RTX 20シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX 16シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX 10シリーズ
- NVIDIA TITAN RTX
- NVIDIA TITAN V
- NVIDIA TITAN Xp
- NVIDIA TITAN Xシリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX TITAN X
- デスクトップPC向けGeForce GTX 900〜700シリーズ
- ノートPC向けGeForce RTX 40シリーズ
- ノートPC向けGeForce RTX 30シリーズ
- ノートPC向けGeForce RTX 20シリーズ
- ノートPC向けGeForce GTX 16シリーズ
- ノートPC向けGeForce GTX 10シリーズ
- ノートPC向けGeForce 900M〜800Mシリーズ
- ノートPC向けGeForce MX 500シリーズ
- ノートPC向けGeForce MX 400シリーズ
- ノートPC向けGeForce MX 300シリーズ
- ノートPC向けGeForce MX 200〜100シリーズ
●GeForce 576.88 Driverが統合するソフト
- HD Audio Driver:1.4.3.2
- PhysX System Software:9.23.1019
- CUDA:12.9
- NVIDIA Control Panel(DCH):8.1.967.0
●GeForce 576.88 Driverの新要素
- 「GeForce RTX 5050」「GeForce RTX 5050 Laptop GPU」に対応
- 「Mecha BREAK」に対応
- 「Diablo IV」シーズン9アップデートに対応
●GeForce 576.88 Driverで解決した問題
- 「NVIDIA Smooth Motion」を有効化すると,GPUのグラフィックスメモリがやや低速になることのあった問題
- 一部のNVIDIA製GPU搭載ノートPCで,「Cyberpunk 2077」をDLSSフレーム生成を有効化してプレイしているとき,NVIDIA Appのオーバーレイを使用するとフリーズすることのあった問題
- 一部のRyzenプロセッサを搭載したPCにドライバをインストールすると,画面が真っ暗になることのあった問題
- ソニー製ゲーマー向けディスプレイ「SDM-27Q10S」接続時に,480Hzと360Hzとの間でリフレッシュレートの切り替えを行うと,画面が真っ暗になることのあった問題
●GeForce 576.88 Driverにおける既知の不具合
- GeForce RTX 50シリーズにおいて,「Cyberpunk 2077」でパストレーシングを有効にしてフォトモードでスクリーンショットを撮影すると,ゲームがクラッシュすることがある
- 「Battlefield 2042」プレイ中,光源の周囲にランダムな四角いゴミ(アーティファクト)が表示されることがある
- 「World of Warcraft」でレイトレーシングを有効化すると,画面にゴミ(アーティファクト)が表示されることがある
- 「Counter-Strike 2」において,ゲームの解像度がディスプレイのネイティブ解像度より低いときに,文字が歪んで表示されることがある
- 関連タイトル:
GeForce Driver
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