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感情表現の巧みな演出が光るホラー系スローライフ「Neverway」を紹介。作品へのこだわりを聞く開発者インタビューも[BitSummit]
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また,ブースにはColdbloodのイザドラ・ソフィア氏とペドロ・メディロス氏が参加しており,開発の裏話を聞くことができた。記事の後半ではインタビューを掲載しているので,本作の情報が気になっていた人はぜひチェックしてほしい。
「Neverway」公式サイト
Coldblood
公式X(旧Twitter)アカウント
スローライフが始まるまでの物語
心情を表現する豊富な演出に注目
物語の主役となるのは,企業務めで精神的に追い詰められつつある女性「フィオナ」だ。ストレスから外部とのコミュニケーションができなかった彼女は,友人や恋人との交流を絶ち,会社も無断欠勤してしまっていた。
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そんなある日,彼女がメーラーを確認すると,そこには「解雇通知」が届いていた。5日以内に私物を回収しなければ処分されてしまうという。気は向かないが,どうにか己を奮い立たせ,落ち着いて食事と睡眠を済ませたら,重い腰を上げよう。
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本作はこうしたプロローグ的な部分をプレイヤーに体験させることで,上手に世界を表現している。アニメーションの間の取り方や,都会らしい各種環境音の強調具合など,多くの要素を組み合わせた心情の表現により,会社までの道のりを歩くだけで,フィオナの精神状態がしっかりと伝わってきた。
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なんとか荷物の回収を終えて帰りの電車に乗ると,突如として異変が生じる。時間の止まったかのように車内が静まりかえったかと思うと,空間の一部が異形に侵食されていたのだ。フィオナは近くの鉄パイプで対抗するが,敗北してしまう。
次の瞬間,フィオナは駅に止まった電車の中に倒れていた。あの世界は単なる悪夢だったのか,それともなにか重大な何かを示唆しているのか。それは,この時点では分からない。
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フィオナが帰宅すると,誰か(おそらく男性)が家の前で待っていた。メーラーにも彼女を心配する言葉を送っていたので,おそらくパートナーだろう。そして,フィオナの様子を見た彼は別れを切り出してきた。
精神的に追い詰められ,仕事をなくし,頼る相手すらも失ってしまったフィオナは呆然とする。そんな彼女の目に,ここから遠く離れた島がプリントされた広告が映る。それを機に彼女は,都会から出て新たな生活を始めることを決意するのだった。
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なんとも重苦しいプロローグだが,本作が“普通のスローライフシム”とは大きく異なる作品であることはハッキリと感じられた。ここからフィオナがどんな生活を送るのか,製品版を楽しみにしたい。
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「Neverway」開発者インタビュー
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4Gamer:
発表から大きな注目を集めている本作ですが,日本からの反響はいかがでしたか。
イザドラ・ソフィア氏(以下,イザドラ氏):
日本のファンの皆さんからは,非常に良いフィードバックをいただいています。公開範囲でのローカライズも評判が良かったようで,とても嬉しく感じています。
4Gamer:
デモ版の範囲だけでも,キャラクターの感情を表現する演出が豊富かつクオリティが高く驚きました。こういった要素を作るにあたり,意識した点を教えてください。
イザドラ氏:
感情の演出は,コントラストを大事にしています。暗い道を通ったら,光が差す場所はより綺麗に見えます。いろいろな感じ方をする場面を取り入れて,多面的にキャラクターの心情や,作品の世界観を楽しめるように作っています。
4Gamer:
とても繊細な作品ですので,翻訳に気を使う部分も多いかと思います。日本語へのローカライズはどのように進めているのですか。
ペドロ・メディロス氏(以下,ペドロ氏):
日本語訳はハチノヨンさんに依頼しました。背景にある情報を作品の雰囲気に合わせて翻訳したり,ゲーム内での表示を意識して調整を行ったりと,密なやり取りを重ねています。単にテキストを日本語化するのではなく,世界を日本語にするために翻訳を進めてもらっています。
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4Gamer:
同ジャンルの作品には,時間のやり繰りをゲーム性として取り入れていることが多いですよね。本作では時間を進めるタイミングが自由になるようですが,こうしたシステムを取り入れた理由を教えてください。
ペドロ氏:
開発の初期段階では,リアルタイムに時間が経過していく形式にしていました。ただ,そうするとプレイヤーは保守的になるんです。時間をムダにしたくないですから,なかなか冒険的な選択を取りづらかったんです。
そのため,より積極的に試行錯誤できる環境を整えるため,Neverwayでは思いきってリアルタイム要素自体をやめて,ターンベースに近い仕組みにしました。その点では「ペルソナ」や「プリンセスメーカー」などのタイトルが参考になりました。
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4Gamer:
生活系のゲームにもいろいろありますが,特に参考にした作品などはありますか。
ペドロ氏:
もちろん,「牧場物語」や「Stardew Valley」からは大きな影響を受けていますが,それだけではありません。「MOTHER3」のテイストを反映している部分もありますし,ホラーゲームとしては「Fear & Hunger」も参考にしています。アクション部分は「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」の影響もあります。いろいろな作品から刺激を受けて,それをNeverwayに反映しています。
イザドラ氏:
Neverwayで重視しているのは,物語の体験です。生活や戦闘といった要素は,それらを経て世界に入り込み,物語をリアルに実感するためのものだと思ってください。インタラクティブに物語を感じられることが一番大事なので,特定の仕組みに依存しているわけではありません。
4Gamer:
最後に,本作の発売を待つ日本のファンに向けてコメントをお願いします。
ペドロ氏:
期待してくれて,ありがとうございます。私達は日本のゲームから多くのインスピレーションを受けてきました。そうした名作と同じく皆さんがNeverwayを楽しめるように,精一杯頑張りたいと思います。
4Gamer:
ありがとうございました。
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「BitSummit the 13th」公式サイト
- 関連タイトル:
Neverway
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