パッケージ
Kriophobia公式サイトへ
準備中
準備中
お気に入りタイトル/ワード

タイトル/ワード名

最近記事を読んだタイトル/ワード

タイトル/ワード名

LINEで4Gamerアカウントを登録
熱源にすがり命をつなぐ極寒ホラー「Kriophobia」(ほぼ日 インディーPick Up!)
特集記事一覧
注目のレビュー
注目のムービー

メディアパートナー

印刷2025/12/09 07:00

連載

熱源にすがり命をつなぐ極寒ホラー「Kriophobia」(ほぼ日 インディーPick Up!)

画像ギャラリー No.015のサムネイル画像 / 熱源にすがり命をつなぐ極寒ホラー「Kriophobia」(ほぼ日 インディーPick Up!)

価格:1700円 / 日本語なし
画像ギャラリー No.002のサムネイル画像 / 熱源にすがり命をつなぐ極寒ホラー「Kriophobia」(ほぼ日 インディーPick Up!)

極寒の嵐が吹き荒れるロシアの孤島。地質調査に訪れたアナは,崩落により旧ソ連の地下施設へと閉じ込められる。

そこは冷たい鉄の壁と,非道な実験の痕跡が残る死の世界。凍えきった指先でライトを握りしめ,彼女は闇に潜む異形と自身の記憶におびえつつ,出口を求めて歩き出す。


 本日紹介するのはFira Softが手掛ける「Kriophobia」だ。物語の主人公は,地質物理学者のアナ。彼女は調査のために訪れた孤島で事故に遭い,閉鎖された地下基地の深部へと足を踏み入れることになる。
 そこは単なる廃墟ではなく,かつての軍事機密とアナ自身のトラウマが交錯する場所だった。

画像ギャラリー No.011のサムネイル画像 / 熱源にすがり命をつなぐ極寒ホラー「Kriophobia」(ほぼ日 インディーPick Up!)

 本作の最大の特徴は,襲い来る「寒さ」との戦いだ。アナの体温は刻一刻と奪われていく。プレイヤーは探索の最中も常に体温計に目を配り,ヒーターや暖炉といった熱源を見つけ出して暖を取らなければならない。
 凍てつく通路を強行突破して先を急ぐか,遠回りしてでも暖かい部屋を経由するか。その判断が生死を分けることになる。

画像ギャラリー No.005のサムネイル画像 / 熱源にすがり命をつなぐ極寒ホラー「Kriophobia」(ほぼ日 インディーPick Up!)

 探索を進めるには,基地内に残された装置を動かす必要がある。配線をつないで電源を復旧させたり,クレーンを操作して道を切り開いたりしながら,閉ざされた扉の先を目指すのだ。
 道中には,施設の闇が生み出した怪物が徘徊している。だが,アナは兵士ではない。銃弾は貴重であり,正面から挑めばすぐに尽きてしまう。物陰に隠れ,足音を殺してやり過ごすことこそが,この場所で生き残るための最善策となる。


熱源にすがり命をつなぐ極寒体験


画像ギャラリー No.006のサムネイル画像 / 熱源にすがり命をつなぐ極寒ホラー「Kriophobia」(ほぼ日 インディーPick Up!)

 このゲームにおいて,最も恐ろしい敵は怪物ではなく気温だ。探索中も体温は容赦なく下がり続け,視界は白く霞んでいく。わずかな薪や燃料を探し出し,暖炉に火を灯した瞬間の安堵感はなんとも言い難いものがある。

 アイテムを拾うために寒い部屋へ入るか,それとも諦めて安全なルートを行くか。常に突きつけられる選択が,プレイヤーの精神をじわじわと削っていく。

動く劇画の中を彷徨う映像美


画像ギャラリー No.009のサムネイル画像 / 熱源にすがり命をつなぐ極寒ホラー「Kriophobia」(ほぼ日 インディーPick Up!)

 グラフィックスは独特なイラスト調で描かれ,カメラアングルは固定されている。まるで海外のコミックブックを読み進めるような感覚だ。
 キャラクターが奥へ進むとカメラが切り替わり,新たな視点から不気味な廊下が映し出される。あえて視界を制限するこの手法が,見えない死角への恐怖を掻き立て,プレイヤーの想像力を刺激する。

逃げ隠れ震える無力な探索行


画像ギャラリー No.007のサムネイル画像 / 熱源にすがり命をつなぐ極寒ホラー「Kriophobia」(ほぼ日 インディーPick Up!)

 アナの手元にある物資は常に不足している。怪物は硬く,執拗だ。見つかれば貴重な回復薬や弾薬を浪費することになるため,戦うよりも逃げるほうが賢い。
 ロッカーに身を潜め,怪物が通り過ぎるのを息を潜めて待つ時間は,永遠のように長く感じるだろう。派手なアクションではなく,静かな緊張感こそが本作の醍醐味だ。



 静寂と寒気が支配する地下基地で,リソース管理の重圧と忍び寄る恐怖に耐える体験は,往年のホラーゲームファンに強く刺さるはずだ。派手な銃撃戦よりも,じっとりと肌にまとわりつくような不安感を楽しみたい人や,物語の断片から背景を読み解くことが好きな人には,特におすすめしたい一本だ。

  • 関連タイトル:

    Kriophobia

  • この記事のURL:
4Gamer.net最新情報
プラットフォーム別新着記事
総合新着記事
企画記事
スペシャルコンテンツ
注目記事ランキング
集計:12月08日〜12月09日